スティーブ・ジョブズ氏の死去の報は、
出かけていた私は少し遅れて聞いた。
 
ワープロは
必要を感じて、
そうとう高価なときにも、
奨学金もあったゆえか、
率先して買った。
 
信じられないだろうが、
当初は十文字かそこらだけのディスプレイで、
カセットテープにデータを保存していたのだ。
 
やがて親指シフトから、
今のJISキーボードに移ったが、
使っていると自然に動いた。
 
そもそもドイツ語のタイプライターで
カントの本をルーズリーフに打ち
ノートを作っていた私は、
英字配列も恐ろしい速さで打つことができたが、
日本語配列だって何の違和感もなくマスターできた。
 
やがてパソコンの時代に移っていった。
が、結婚して家庭をもった私は、
もはや高価な機械を買うことはできなくなっていた。
ある方を通じて、
宣教師が使い遺したパソコンを戴いた。
マッキントッシュだった。
 
通信契約などまでしていないわけで、
ワープロの延長として利用していただけだったが、
私にとりPCは最初、マックだった。
 
それで、マックの雑誌はよく見た。
自然、スティーブ・ジョブズの話題は
よくのぼってくるのだった。
 
つねに新たな世界を開拓する。
まあ大した人だと思った。
 
事情通であるわけではないのだが、
一素人の感覚からすれば、
マイクロソフトなど、ただ
アップルの真似をしているだけだとしか見えなかった。
 
当時、日本でも松下電器が、
ソニーの真似をして
販売を上手く立ち回っていると揶揄されていたが、
それに似ているように見えた。
 
スティーブ・ジョブズを一度追い出したとき、
アップル社は潰れかけた。
戻ったとき、再び世界をリードする道に入った。

 
パイオニア。
そんな言葉が私の頭を過ぎった。

 
彼のミドルネームはPaul。
すなわち、パウロである。