百円均一の店で、
名刺大のメモカードを見つけた。
この大きさなら、持ち歩きやすい。
名刺ケースならいくらでも探して手に入る。
 
昔は、「京大型カード」なるものが流行った。
B6大の厚紙のカードである。
今年7月に亡くなった梅棹忠夫氏の提唱は
大学生たちの常識となっていた。
フィールドワークに用いるというその説明は、
それだけの大きな、そして高価なカードに、
一枚一項目という、ストイックな要求がなされていた。
 
哲学の研究においても、
カントの原典から適切な箇所を抜き出したり、
自分がふと思いついたことを書き留めたりして、
私もずいぶんと活用した。
他の箇所の言及を比較したり、
自分の思いついたことを整理してまとめていくのに、
なかなか有用な方法であった。
うまく活用できたかどうかは知れないし、
成果があったのかどうかは、また能力的な別問題となるだろうが。
 
今なら、パソコンにおいて、
データベースという発想でなされており、
あのカード時代の検索とは
比べものにならないほどに
多量の資料から瞬時にして
該当する情報を拾い出すことができるようになった。
 
こうして、大学生協からも、一般事務用品店からも、
京大型カードは、消え去る運命にあった。
 
(続く)