聴導犬と呼ばれる犬がいる。
盲導犬はポピュラーになったが、
こちらはまだ市民権を得ていないかもしれない。
聞こえない聾者の生活を助けるのがその仕事である。
電話や来客など、
音が鳴れば光るシステムも開発されているが、
常にそれを見守っているわけにはゆかない。
犬がそれを知らせてくれるのである。
もちろん、十分な訓練を必要とし、
まだ限られた人に対してしか供与できない。
盲導犬は、食料品店にも入ることが認められる。
他方、聴導犬のことは表向き触れていない店も多い。
外につないでおくべきだろうか。
盲導犬ならばよいのですが、と
聴導犬を立入ることを断る店も、あるかもしれない。
街中を歩くときも、
聴導犬がないと危険なケースは沢山あることだろう。
クラクションも聞こえないというのに、
鳴らしたドライバーは、
鳴らしたのに聞こえないのか、という気持ちになってしまうのだ。
百貨店などは、入口につないでおくという方法もとれたかもしれない。
だが、街を歩くときには、
音が聞こえないと危険なこともあるはずだ。
聴導犬もポピュラーになっていけばいいと願う。
他方、盲導犬が事故死したとき、
普通の飼い犬のように器物損壊では扱われず、
かけがえのない価値ある犬として取り扱われた、
そういうニュースにも出会った。
いわば当然そうだろう、と思っていたのだが、
犬は犬、というレベルでしか
従来の法は捉えていなかったのであった。
保障されたとしても、
失った犬が戻ってくるわけではない。
犬を轢かれたその聾者ご自身は、
悲しみに暮れていたことだろうと想像する。
法的にもそうだが、
公民たる私たちひとりひとりが、
そういうかけがえのないパートナーとしての犬のことを
理解して受け止めてあげたいと心から思う。