松下幸之助や坂本龍馬の顔を出した本が宣伝されていた。
しかも、彼らは今霊界でこのように言っている、という。
 
歴史上の人物に語らせるというのは、
権威漬けのために役立ちそうである。
だが、何の根拠もない。
著者が自分の考えを
過去の有名人の口調で語らせているだけである。
 
実に卑怯な偽装ではないだろうか。
こういうことを法的に扱うというのが適切かどうか分からないが、
少なくとも人道的には、心ある人のすることではあるまい。
生きている人を勝手に用いれば肖像権の侵害だが、
故人を勝手に用いるのは自由だと
自分の操り人形にしているのが野放しになっていてよいのかどうか。
 
とくに松下氏は、
他界してからそうそう長い年月が経ったとは言えない。
そのご遺族や関係者もたくさんいらっしゃるし、
直接学んだ子弟も活躍されている。
松下幸之助は今霊界でこのように語っている、などと
およそ無関係な者がさも事実のように言い放ち、
それで金儲けを企んでいるとしたら、
どんな思いがするだろうか。
 
この著者、過去にもこの手で
たくさんの歴史的人物を操ったつもりでいる。
中には、「キリストはこう言っている」というのもあるようだ。
日本のキリスト教界も、あまり文句は言っていないのだろうか。
著者がご自分でどう思い込まれるかは勝手だが、
あなたは聖書の中にすでに記されているので、ご覧になるといい。
ただし、それがご自分のことだという読みとりは、
たとえ東大を出ていてもできるというものではない。
小さな子でもできる人にはできることなのだが。
 
こういう思想で学校を設立するなどというのは、
教育を弄ぶこととして問題視できないのだろうか。
法的に設立条件を満たしているから設立は自由だ、というのも
確かにひとつの大切な条件ではあるのだろうが。