3日の、サッカーはJリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ決勝。
表彰式での選手の態度が問題となった。
報道されているので逐一ここでは触れない。
J1の川崎フロンターレは破れた。
それが悔しくて、信じられないようなふてくされ方をした。
このニュースを聞いたとき、私は、
審判の判定に抗議してのことだろうか、と思った。
それもまたルール上許されないことではあるが、
審判の誤審で負けたとなると、悔しさは一入だろうと
理解できる部分はあると思った。
だが、どうやら違った。完敗だったのである。
だったら、これはただの、すねた子どものわがままに過ぎないことになる。
少なくとも、スポーツとして行う中では、ありえないことと思われる。
お偉方が怒りに震えるのは尤もであった。
どうなるかと見ていたら、
さしあたり最低限必要な行動に川崎側が出た。
準優勝の賞金を返上するというのだ。
5000万円というから、返上は痛いことだろう。
だが、スポンサーにたてついたからには、
そのスポンサーからもらうことなど、できるはずがない。
だから、これはまずは最低限必要な行動だと私は言ったのだ。
チェアマンは、この最低限の行動を起こしたことで、
実に寛大な態度をとっているように見受けられる。
これも大人のすることとして見習いたい。
ただ、ここで、スポーツとは何だろうと捉え直してみたくなった。
スポーツの定義などは難しいことだが、多分に、
戦闘を安全にルールに基づいて行うことが基本にあるだろうと思う。
だから、これは真底憎しみ合う戦いではないのですよ、というサインを
絶えず送らなければならないし、特に
試合後には、ルールに則ったゲームを行ったこと、
戦闘本能を示すのはここまでだ、とゲームセットで了解し合う必要があるのだ。
ノーサイドというふうに、もう敵味方はない、という宣言をするゲームがある。
紳士淑女のスポーツでは、握手をして終わることが必須であるとされている。
自己申告で成績を報告するシステムになっているゲームまである。
日本の武道では、礼に始まり礼に終わることがすべてだとまで言われる。
サッカーは、かなり本能的な部分をくすぐる格闘的な基礎をもつと言われる。
そもそも、敵の首を蹴っていたなどとも言われるほどだ。
サポーターの興奮の度合いも、他のスポーツとは比較にならないものがある。
そうした背景からか、
どうかすると、決勝で敗れた選手がメダルを外すことが
かっこよさのように見られる部分が無かったとはいえない。
ただしそれは認められたものではなかった。これまでも注意されていたはずだ。
そう。だからと言って、それがスポーツとして機能している点は否めない。
そのスポーツ精神を、踏みにじるようなことを、
これまで悔し涙を流しつつ耐えてきた幾多の先輩たちの顔に泥を塗るようなことを、
かのチームの選手は、簡単にやってしまったのだ。
この決勝の場をも踏めなかった他の殆どのチームの選手たちを
嘲笑うかのような行為を、やってしまったのだ。
全国のサッカーファン、サッカー少年少女たちに、
準優勝として本来栄光を受けるチームが、それをお手本のように示してしまったのだ。
幾人かの選手も、まずはチェアマンに謝罪に来た。しかし、
「頭が真っ白で軽率な行動をしてしまった」(主将)などという言い訳が
いかに子どもじみているか、私は悲しくなる。
それは頭が真っ白になったせいである、と弁解している。
軽率という程度の「ミス」だとしか認識していない。
違うだろう。
彼らは、確信を以てやったのだ。衝動ではできない行為をしたのだ。
スポーツというものを、根本的に誤って考えていたのだ。
無知だったこと、
間違っていたこと、
それを認識している様子が見られない。
ガムを噛んでいたという選手一人が、個人的に、
一試合の出場停止という内部処分をした、ともいう。
サッカーでは、
試合中に相手選手の足をひっかけたことで、一試合出場停止になることがある。
荒いプレイは危険だが、ボールを奪おうとして思わずそうなることは私は理解できる。
だが、表彰式でのスポンサーや(別に崇拝するつもりはないが)皇族の前での態度は、
思わずそうなってしまった、などということでは説明できない。
その程度の過ちだと考えているのだとしたら、
選手を前に一時間説教したというこのチームのオーナーも、まだまだ甘い。
もちろん、現実的な運営もあるだろうから、
これはチーム解散もやむをえない、などとマンガのようなことを考えてしまう、
素人がとやかく横やりを入れるつもりはない。
しかし、審判に抗議するだけで退場処分を宣告されるメジャーリーグのように、
ゲームを運営する権威に対する反抗や侮辱は、スポーツのタブーなのだ。
高校野球ならチーム自体が一年間の出場停止処分をも受けるだろう。
賞金返上と最も態度の悪い一人の選手を一試合出場停止にするという内部処分が
如何に甘いか、比較するまでもないと思うが、どうだろう。
「スポーツをやっている人間がやってはいけないこと」
日本サッカー協会の会長の怒りのコメントのほうが、
私は素直に賛同できる。