「どれでも3パック1000円」
魚のパックにも、肉のパックにもシールが貼ってある。
当然、警戒する。
これは、魚と肉とを混ぜて3パック選んでよいのか、と。
 
シールの背景の色が違うが、
辺りを見回しても、どこにも、
魚だけとか肉だけとか、色ごとに、とかは書いていない。
大きく書いてあるのも「どれでも3パック」だ。
 
で、レジに持っていくと、
魚だけ、肉だけの3パックなのだ、と説明を受けた。
 
そういう理解は、無理だろう。
何も店は、説明抜きで暗黙の了解で
内密のルールを知っている人だけが訪れる場所ではないのだ。
 
急いでいる客がこういう目に遭うと、
怒り心頭に発するのではないか、と懸念した。
どこにも、混ぜては買えないことについて、
書かれていないのである。
 
私は念のため、どこかに書いてありましたか、と尋ねた。
書いていないと思います、との返事だった。
しかし、書きます、という声は聞かれなかった。
全部の買い物をそこに置いて、私は戻り、選び直した。
 
こういう杜撰なルール設定をしておくと、
明らかに店にとっては損であろう。
この時間、レジは止まるわけだし、
第一、客には不快感を与えるだけである。
 
ルールが見えにくいとか、
説明が分かりにくいとかいうケースもある。
割引きのルールは、懇切丁寧に記して然るべきところである。
なにしろ客は、一円でも安い店、と思って買い物に来るのであるから。
それが、客の立場に立てる店、客の支持を受ける店のすることである。
 
矛盾するようだが、
ただ値段が安いだけの店が天下を取るわけではない。
一円でも安い店と思って買いに来る客に、
値段がすべてじゃないよね、と感じさせることのできる店が、勝つのだ。
 
私は何も文句を言わずに店を出た。
だが、この店は明らかに損をしている、という判断はもっていた。
文句を言わなかったことで、この店は
いわば客に見捨てられたのであるが、そのことにお気づきであろうかしらん。