セミが鳴く。
夏の当たり前の音かもしれない。
聴覚障害の方々にはそれが聞こえないわけだが、
考えてみれば、沈黙の四季を過ごしていらっしゃるのであって、
ずいぶんと世界観も違ってくるものだろうと思う。
しかし、話によると積極的な生き方をされている方が多く、
可能な限り他人に尋ね、
どこにでも思い切り出かけていくような例が多いという。
 
それはそうと、
セミが鳴く。
夏の花々が咲く。
百日紅や夾竹桃などの赤を基調とした輝きのある
木の花が多くなってきたように見える。
小さな株の花々もよく花壇に植えられている。
それに比べて、立葵やカンナなどの中堅の花が
少なくなってきたように感じられる。
 
つまりは、路傍や軒先になんとなく生えているような花である。
人間は、自分の住まいが大切であって、
それを確保するためには、花や木を犠牲にしてきた。
森は拓かれ、植物のみならず、動物も駆逐していった。
 
今、カエルが絶滅に瀕している。
どこにでもいるような動物だと思うだろうし、
子どもの本やマスコットなどにカエルは欠かせない。
しかし、確かに少ない。
福岡県では、トノサマガエルはレッドデータに掲載されている。
私も十年ほど前に捕まえたきりである。
一般に、その手の動物は、西日本で危機的状況である。
 
パンダにしても、
希少種がやたらと珍しがられ、アイドルやキャラクターになっているが、
カエルも、消えていこうとしているから、
人気のキャラクターになっているのだろうか。
 
当たり前のようにいると考えられていたものが、
実は苦難に喘いでいる。
私たちは身近な人にも、頼り切っていて、
その人の苦しみなど考えようとも気づこうともしていないことがある。
 
動物と同じに比較するのは失礼かもしれないが、
いのちを大切にしなければならない点では同じだ。