月に数日、コーヒー豆の安い日がある。
店には申し訳ないが、
そのときに一ヶ月分を購入する。
 
もちろん、炒りたてがベストなのだが、
家のすぐ近くの店でもないことだし、
そのペースで買うことにしている。
 
豆は冷凍保存しているから、
一ヶ月くらいなら、
ひどく風味が落ちることはない。
いや、通の人からすれば、
たしかに落ちているのだろうけれど、
まあ私は所詮素人だ。不満は持っていない。
 
ただ、以前よく買っていた、通信販売の豆は、
気のせいか、最近味が落ちたと感じる。
その点、この店の味は悪くない。
 
以前にもお喋りしたが、
高校生のときに、
喫茶店のマスターに教えてもらった煎れ方を
いまだに通している。
 
が、テレビで美味しそうな煎れ方を見たので、
その技術も取り入れてみた。
よりいっそう、ゆっくり煎れるのだ。
 
すると、たしかに、味が深い。
忙しいときにはやっていられないが、
じっくり、気長に、落としていく。
もちろん、それができるだけの
贅沢なケトルを用いていることは、ご紹介した通りである。
 
ゆっくり、ゆっくり。
贅沢な時間を使う。
そこに、熟成するかのような香りが生まれる。
 
見落としていたもの、
感じ損ねていたものを、
拾い集めるような気持ちに、気づかされる。