仕事から帰る私に、妻からメール。
タイトルは「TV」。

テレビを見ているとき、
突然、ぷちっと消えてしまったのだという。
自動的にリモコンが作動してしまい、
ちょっとすると消えてしまうのだそうだ。

テレビが壊れちゃった、
もうテレビを買い換えるころなのか、と悲嘆に暮れています。
リボ払いでもしないとダメだ……などと。

メールには、
兄ちゃんたちが、リモコンの赤外線を受ける窓を紙で塞いだら、
とりあえず見られるようになった、と書いてあった。

ははん……。

その紙がポイントだな、と私は感じた。
帰ってすぐにテレビをつけてみた。
せっかく貼ってくれた紙を剥いで。
たしかに、やがてぷちっと切れる。
チャンネルを換えた瞬間に消える。

私は、手元のリモコンで動作がうまくならないのを確認すると、
もうひとつのリモコンを探した。
テレビに附属のリモコンが傷んできたので、
市販のシンプルなリモコンを我が家ではよく使っている。
たいていの操作はこちらで間に合う。

もうひとつのリモコンが、信号を出しているに違いない。
私はそう考えた。
どこだ。
それが、なかなか見つからない。

いつもの場所にないじゃないか、と思った。
いつも置いているテレビの脇の場所には、DVDディスクのケースが
どん、と積み重ねられている。
……と、そのケースの下敷きになっているリモコンに私は気づいた。
思った通りだ。

そのディスクたちが上からのっかって、
その重みで、リモコンのスイッチが押されっぱなしになっていたのである。
リモコンの光線は、壁を反射する。
テレビの脇から発射した信号は、
どこぞの壁に反射して、テレビに舞い戻っていたのである。

現象の背後には原因がある。
現象を見て、その原因として挙げられることが限定されれば、
追究は早い。
人の心や歴史でなく、
ただの機械の場合には、落ち着いて探るべきなのである。