トップが、補佐役や後継者を
自分で選ぶことができる仕組みがあるとする。
そのトップの手腕というのは、
そのナンバー2の人選に現れるものではないだろうか。

政治家の場合、評価は分かれることだろうが、
外務大臣や官房長官などに才覚ある人を選んだ首相は、
安定した仕事ができたことだろう。
他方、選んだ内閣の大臣たちが次々と不祥事を起こしていくと、
その首相も没落する例を、私たちは最近見たような気がする。

そのトップの、「人を見る目」がそこに凝縮されているようなものだ。
とくに、抜擢ということをしたら、
わざわざ引っ張ってきたわけだから、なおさらであろう。

ナンバー2が、「なんで?」と呆れられるような人であった場合、
何か脅しや圧力があってその人物を選ばされたのでないとしたら、
結局そのトップ・リーダーの器がその程度であった、ということになるだろう。

蟹は自分の甲羅に似せて穴を掘るという言葉の通りである。

そうした上司に悩むビジネス者の間に、鬱を振りまくこともあるから、
事はたんに経済的、政治的な次元だけの問題ではない。
まして、自分のどこに問題があるか分からないトップに
振り回される集団は、舵を失った舟と同じだし、
糸の切れた凧と同じようなものである。

被害甚大であるゆえ、
そうした多くの苦労を背負わされた人々に、心から共感したい。