『教育力』という本。
NHKをはじめ各方面で活躍中の教育学者が、
最も刊行したかったという、本分の教育を論じた本である。

岩波新書という、この華やかな新書シリーズの中では老舗でどこか地味なシリーズとして
地味に出版されているが、リーダーたるに相応しい人の必読書であるとお勧めする。

いや、すでにリーダーとして活躍している方は、
当然ここに書いてあることを感じ、実践していることだろうと思う。
そしてまだリーダーとしての経験がない方は、
書いてあることが分からない、ということがあるかもしれない。

それでも、何かしらものを教える立場にある人にとり、
自分の経験から会得してきたことが、
間違いではなかった、と安心できるかもしれないし、
こういうことをしなければ、とヒントになるかもしれない。

少なくとも、私が子どもに対していて
感じたこと、思い続けたことは、
殆どすべてこの本に記されていた。
感じていても言語化できなかったことが述べられていると、
まさに、膝を打つものであった。

すでにリーダーたる人で、
ここに書いてある意味がよく分からない、というならば、
それは偽物のリーダーであると判断してよいであろう。
賛成できない部分はあってもよいが、それは理解できるから賛成できないのであって、
実感できない、ということとは違うのである。

ところで、高校の入学式において、学年主任の先生が、すばらしいお話をなさって、
今も強く心に残っているのであるが、
高校の先生、そのお話のネタは、もしや、この本ではないですか?
ほかでは滅多にお目にかかれない、あることが一致するのですが……。