春期講習で、小学校二年生も担当した。
つまり、つい先日まで一年生だった子たちである。

その塾には、比較的よい子が集まってくるので、
学習への意欲は強く感じられる。
男の子も、ただのやんちゃではない。

が、どうやら女の子のほうが積極的で、激しい。
休み時間、小さな子だけを教室に置いていると
何かあってはいけないので、なるべく私もそこに居座る。
こちらも一日立ちっぱなしとなるので、
椅子に座ってみたりする。

女の子が、集まってくる。
「これ、なにー、かわいいー」と女の子たちが寄ってくる。
私は、腕時計は使っていない。
ナースが使うような、ベルトに提げる式の時計を用いる。
しかも、それにチェーンを付けているのだが、
それでは地味なので、
福岡市動物園へ行くたびに買っているキーホルダーをじゃらじゃらつないでいるのだ。
ライオン、ペンギン、カバ、レッサーパンダが並んでいる。
「ほしーい」などと、私にしゃぶりついてくるように女の子がぶつかってくる。

かと思うと、「あのねー、きのうねー」と話にくる女の子、
机に置いた私の手を、その小さな手でしっかりと握りしめてくる。

ほとんど、お父さん相手の感覚なのだろう。

小さな子は、世界が信頼に足るということを覚えなければならない。
子育ての基本である。
だが、どうもここのところ、
世界が信頼できないという育てられ方も、やむをえないという感覚にさえなってくる。

無批判でいいとか、お人好しこそ尊いとか言うつもりはない。
だが確かに、信頼がベースにないと、社会は築けない。

子どもたちも、信頼をベースにして、
やがては賢く疑えるようになってほしいと思う。