妊婦の搬入を断り死亡させたことが問題になっている。
たびたび問題に挙がることではある。
死亡事故にならないというだけで
報道されないものは、多々あることだろう。

当直医がいないとか、非常勤医師が多いとか、
そういう理由も当然あるのだが、
NICUの設備の無さのゆえに
結局受け入れられないと判断することがあるという。
案外そこが本音であるかもしれない。

心臓に不安のある妻は、
三人の子を、大学病院で産んだ。
もちろん、そのためには心臓のことが
重要な理由として認められてのことである。
からだの弱さを、逆に利点として用いさせてもらった。

何かあったとき、
そのための設備やスタッフがいるのか。
それが、大学病院を信頼した理由であった。

そこには、近年の産婦人科のような
ホテル並の待遇などない。
至れり尽くせりの配慮などどこにもない。
だが、設備と人員は、
そんなことでは替えられない条件であった。
もちろん、費用の面も大きかったけれども。

出産は、病気ではない、という一般的認識がある。
医学的にはそれはそれで正しいのだろう。
だが、命を懸けて母親が一世一代のようなことに臨むのだ。
リスクも決して小さすぎることはない。

ふんぞり返る上役を見れば、やはり男社会である。
女性のこの不安などについて、
真剣に考えようとしていないように見えるのだが、どうだろうか。

その女性から産まれなかった男は、いないはずなのだが。