長男が、公立高校に合格した。
新たな一歩を踏み出す準備が調ったということで、祝福したい。

公立高校であって、よかった。
それでやっとこさの財政事情である。
決して易しくはないところなだけに、心配していた。
なにしろ、10月最初の模試では、合格予想判定が最低ランクだったのである。

そもそも、受験とは何なのか、本人もよく分かっていなかった。
夏休みも、ゲーム三昧で、
ちまちまとノートの整理だけをやっており、
以前からのノートを書き写す程度の学習で終わっていた。

部活がよくない雰囲気であったのも確かだろう。
そもそも、この中学校は全く信用のないところとなってしまっており、
私も、悪いが、ついに見限った。
進学に関しても、学校自体あまり興味がないふうに見えた。
個人面談の妻の印象もそうであったし、
後に受験勉強に目覚めた息子自身も、そう感じるほどであった。

冬期講習に行きたい、と息子は自ら口にした。
何度か、その塾の模試を受けていたこともあるし、
実際、そこしか知らなかった。
決して近くではないが、電車で通い続けた。

塾で、彼は勉強の仕方を覚えた。
そして、塾講師たちに絶大な信頼を置くようになった。
三学期も、週に一度ではあるが、テスト会に出席した。
さすがに週に4日は通いづらい距離であったし、
我が家の家計もついていけなかったが、
週一なら、大丈夫だった。

そのテスト会のために授業を受け続ける塾生たちに混じり、
彼は週に一度だけのそのテストで、成績を伸ばしていった。
驚異的なほどで、最後の模試では、過去最高位に達した。

本番の入試の直前には緊張もあったようだが、
マイペースを貫いて、いくらか狭い視野で立ち向かう、
彼の良いところが現れた。
社会科が難解で、過去にとったことのないほどにミスを犯したそうだが、
自己採点により全体の得点は、模試通りのレベルを示した。

それなら合格は多分間違いないのだが、
それでも、実際に番号が張り出されたとき、
電話してきた彼の声は、かつてないほどに喜んでいたという。

早速その午後に説明会があったが、
私は末っ子のインフルエンザと家で格闘する役を選んだ。
妻の印象では、
中学とは全然違う、先生たちの話であったという。
それはそうだろう。
やはり、世間で良いと言われる学校には、それだけの理由がある。

地域の中で、なあなあで済むかもしれない人生とは違う。
広い世界を見て、学んでほしいものである。

手前ミソかもしれないが、
やはり塾の力は違う。
忙しい中、家庭に電話を入れて様子を尋ねたり連絡をしたりするが、
その配慮だけで、妻は惚れ込んでいた。
地域の中学校からは、ついぞそんな電話はなかったからである。