浴槽に注ぐための蛇口から、
どうにも水が漏れて困っていた。
ポタポタ、回す所の下にしずくが垂れる。
いや、しずくというより、糸を引くように水が落ちる。
時と共に、だんだんその量が多くなっていくのである。
下に洗面器を置いて、その水を受けて利用するようにしていた。

どこかネジを締めるようなことが必要だと感じた。
ただ、どこを回せばよいか分からないし、
こうした部分をいじるための工具は家庭には普通ない。

ひねる部分が取れることを教えてもらった。
なるほど、中に、十字ドライバーのネジがある。
取れた、取れた。

内部に、ダイヤル式に締める部分がある。
これを、ぎゅっと締めた。

水が、もう垂れなくなった。
一滴も。

ちょっとしたネジの緩みであった。
だが、それを放置しておくと、
ずっとずっと水を失うことになったし、
ますますじわじわ緩んで落ちていくことになった。

内部の緩みというのは、
外から分かりにくいだけに、
怖いものだという気がした。

それは、私の心のことでもあった。