塾での授業中、
救急車のサイレンが聞こえることがある。
拡声器で、注意を促しながら通過することもある。
当然ではあるが、かなりの音量である。

「うるさいなあ」
小学生の子が、思わず呟いた。
たしかに、喋る私もしばし中断である。

そのようなとき、
私は、その子を責めるようにではなく、
あたたかく教えることにする。
――誰かの命がかかっているのだから、
  なによりも最優先のことなんだよ。

後日、またその子の授業中、
救急車が通った。
その子は率先して言った。
「たいへんな人がいるんだね。救急車も、がんばれ」

分かってくれて、ありがとう。
そして、この子は成長したと思う。
子どもは、こうして素直にすぐに覚え、改めてくれる。
大人もむしろ見習いたい。