福岡市動物園。
園内はおおむね禁煙で、
数カ所に喫煙所が設けられている。

子どもも多く往来する場所、あるいは
子ども連れが休憩したい場所が
煙もうもうとなるのには抵抗があるが、
隣接する植物園のように、
どこででも自由にぷかぷか煙を出してよいというよりは、
少しきちんとした対応がなされていると思う。

しかし、サル山の前の道で、
喫煙所などない場所で、私はタバコの臭いを感じた。
動物園内では、歩きタバコなどは
まずめったに見ないので、どうしたものかと見渡すと、分かった。

園内で工事をしている会社の労働者が、
口にタバコをくわえて、作業をしていたのである。
そばを通る子どもたちは、
その煙を必ず嗅がせられるようになっていた。

せっかく、喫煙所を設け、
時に園内放送で、喫煙所の存在と禁煙のきまりをアピールしている
動物園側の苦労も、吹っ飛んでしまうような行為である。

役所の駐車場で車を整理する係員がくわえタバコで
慢性的にやっていた話を、以前このコラムに書いたことがある。
公務の役所の前の道路工事員も、
タバコを吸いながらやっていたので、
通行人は煙を吸わされていたということも事実あった。

JR駅内では相変わらず、
よい場所でタバコが吸えるし、
たいていそれは風上なのでホーム全体に煙が全部行くという駅もある。
階段の下が喫煙所なので、階段を煙が上がっていくという構造もある。

今は知らないが、
だいたい警察署の中は煙もうもうであり、
呼ばれた者は担当者の煙を吹きかけられても、
文句が言えないという状況が事実あったことも、私は知っている。

裁判所へ朝続々と出勤する男たちが、
手に手にタバコを持って歩いている風景も、知っている。

春休みで子どもが集まる動物園で、
中には喘息の子も少なからずいるという現実の中で、
そこを通らなければサルが見られないという狭い通路で、
タバコを吸いながら工事をしている者がいることくらいで、
とやかく言ってはいけないことなのだろう。