FM福岡の深夜番組が、この春に替わった。
以前、日替わりで地元のパーソナリティがなにやらやっていたのが、
東京系の番組に替わってしまった。

私は、はっきり言って、面白くなくなった。

東京という地方の笑いのセンスが肌に合わないというのは
あるかもしれない。
が、それ以上に、心理的な距離を感じたのも確かである。

同じ空気を吸っているという、息づかいのようなものが、
前の番組にはあった。
たしかに、前の番組のパーソナリティたちは、
正直、さして頭の回転がよいとは思えなかった。
たいした話をしていたわけでもないように感じた。
だが、同じ空気の届く範囲にいるように感じていた。

そして、かける音楽がよかった。
さして珍しくもない曲をかけるのだが、
通り一遍のチャラチャラした曲だという雰囲気を与えず、
しっとりと鑑賞に堪える曲を、
夜のペースに合わせて流してくれた。

東京系だと、どうもノリノリなのかもしれないが、
話し方ひとつとっても、鼻につくような感覚がある。そんなのは、人によって感覚が違うだろうと思う。だからこれは、評価ではない。ただの感覚なのだ。ただ、FM福岡を聞く時間が大いに減ったのは事実である。東京だから、ダメなのか。そうは思わない。今、NHK(AM)を深夜に聞いている。これが、いい感じなのだ。年寄り臭いということもない。民謡と演歌というふうでは、ちっともないのだ。いや、それがいいと言い始めた時点で、私がお年寄りの文化に浸っているということになるのだろうか。ビートルズが還暦以上となった以上、そんなふうでいいのかもしれない。かまやつひろしとか泉谷しげるとか、すげえ老人が吠えているくらいのほうが、いいのかもしれない。小田和正は、その記録を塗り替えていく。こうしたメンバーに続く輩が、ひ弱に見えてしまうのも、どうなんだろう。私も、変な吠え方になってしまった。それにしても、NHK深夜便のパーソナリティは、知識が広く、深い。安心して聞いていられる。「タレント」などと言うが、知識が薄く自分の経験でしか喋られないラジオが多い中で、どんな変化球がきても対応できる奥行きをもつ、深夜便のアナウンサーの語りは、聞いていてほっとする。昔は、ラジオはこれが当たり前だったのではないか。それがいつから、軽薄で物事を知らない者のお喋りが蔓延するようになったのだろう。