その昔、不幸の手紙というものが流行した。
もちろん、問題になった。
この手紙を五人に出さないと死ぬ、というのだ。
自分の名をリストにどう入れて、など
細かな指示が付けてあった。

私も、届いたことがある。
同級生であっただけに、扱いに困った。
幸い、そういうのはビビらないタイプだったので、
誰にも撒き散らすことはしなかった。

そのうち、不幸だから問題になるというふうに考えたのか、
幸福の手紙というのが現れた。
これもまた、何人かに送るという仕組みは同じで、
要するにチェーンメールであった。

時代は変わり、
今は電子メール。
驚くほど簡単に、瞬時にメールをばらまくことが可能になった。
さすがに、不幸系は姿を隠したように見える。
が、幸福系はあるようだ。

いわゆる、「都市伝説」というものは、
まことしやかに囁かれる伝説で、
トイレの花子さんはいわばその代表格である。
口裂け女というのもあった。
ドラえもんの最終回もそうだろう。

先週末、
昭和大病院に、献血呼びかけのチェーンメールが集まった。
病気の子どものために献血を呼びかけるというものだ。
もちろん、病院側としては、困ったものであり、
「当病院とは無関係」とコメントしている。

特定のスーパー名で、
子どもが犯罪被害に遭ったなどというものも
近年聞かれた。

噂話が、
具体的になればなるほど、真実味を帯びる。
あるいは、そういうことがあるかもしれない、という
漠然とした不安めいた雰囲気が、
どっと信じるものへと傾くのかもしれない。

で、本題である。
ひさぱんから相談を受けた。
同僚から、屋久島の木霊の写真と言って見せられた、というのだ。
ほかの人が「拝みたい」などと言ってもらっている中で、
断り切れず画像を受けたが、どうも腑に落ちない。
それを私に見せてくれた。

もちろん、それはすぐに調べてみたわけで、
あちこちで同じように信じている人が、
ブログなどに、載せてる、載せてる……。

いわゆるチェーンメールなのだと、ひさぱんに説明した。
どうして?
だって、現にこうしてこの写真が広められているじゃないの。
もらった人はどうする? 
また誰かに見せて、欲しいと言われて分けて……。

人は、自分だけは詐欺にかからない、と思っている。
私だって、ひっかかったことはあるから、
なおさら警戒しなければと思うのだが、
人は簡単に信じてしまう。
だからこそ、スピリチュアルブームが起こっているのだ。
昨今のスピリチュアルで儲けている者たちは、
この写真と何も違いがない。

屋久杉木霊