教会で、ペンテコステの午後、
食卓を囲んで何か歌いましょうということになった。

奇しくも今年は、ペンテコステ礼拝が母の日と重なった。
しょせん、この母の日はアメリカの習慣であり、
他の国では別の機会に様々な母の日が規定されているとも聞く。
だが、このアメリカの場合だと、
教会が母の日としてうちだしてから、今年はちょうど百年目だそうだ。
それはそれで、アニバーサリーである。

讃美歌に限定される場ではないと考えて、
「ありがとう お母さん」
これを歌うことにした。作詞がきたやまおさむ、作曲が加藤和彦。この名前を聞いただけでゾクゾクする人はたくさんいるはずだ。二人とも京都から活動をスタートしたわけで、ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーであった。この歌は、「おかあさんといっしょ」で2006年末に取り上げられた曲である。人の涙腺に刺激を与えるのは、今は九大大学院で精神科の重鎮として活躍するきたやまおさむ氏ならではというところかもしれないが、他方、批判もある。「みんなのうた」ならいいが、「おかあさんといっしょ」ではない、というのだ。また、母性の賛美のようであり、大人の男の視線であるから、腹が立つというのもあるようだ。これは、自分が母親という立場として聴くと、面白くない歌詞のようだ。他方、自分から母親を想う歌詞として聴くと、ぐっとくるものがあるようだ。自分が賛美されるというのは、たしかに面白くないだろう。それを愉快と感じる神経の持ち主が、歴史上時折現れるし、もしかするとあなたの身近にもいるかもしれない。私たちは、なにも母親を神として崇拝するのではないが、どこか見上げるような気持ちで愛する思いは持ち続けたいような気がする。そういう意味では、十戒の、父母を敬えという第五戒は、神として敬うのでは当然ないわけだが、特別にやはり敬えという扱いを命じている。フォークルと呼ばれたザ・フォーク・クルセダーズは、たしかに「十字軍」の名を冠していた。歴史上の十字軍は評判が悪いが、クリスチャンはある意味で十字軍に連なっているのではないか。心を込めて、歌わせてもらおう。