福岡市動物園の「カンナ」(メス)が死んだという発表があった。

昨日、しばらくぶりに動物園に行く予定にしていたが、
それでも、再び会うことはできなかった。
幾度も彼女を写した。
長男が、カバさんをもっと見ると言ってその場から離れようとせず
大泣きをした事件は、私たちにとり鮮明な記憶となっている。

長生きをしたのは事実だが、淋しい。
ありがとう、と言いたい。

昨日、四歳の三男の体調がよければ、
動物園に行く約束をしていた。
だが、風邪をひいて、まだ動物園は難しいと思われたので、
予定変更して公園と買い物にとどめていた。

動物園のことは昨日朝から会話に上らせていなかったつもりだが、
その車の中でJr.3は、急に私に向かって言った。
「カバさん、どうぶつえんにいたね」
私は言葉に詰まった。
「サイも、いるね」
――ああ、いるね。
「おおきいのが、サイ」
――うーん、どっちが大きいだろうね。

しかし、彼にとって、
陸上で全身の見えるサイのほうが、大きく見えたのだろう。
サイが大きい、と言い張った。

――そのカバさんがね、きのう、死んじゃったんだよ。
今度は、彼が言葉に詰まった。
「ころされたの?」
彼にとり、死ぬということは、
悪い人に殺されるということと重なる部分が大きいらしい。
そんなニュースばかり耳にしているせいだろうか。

――明日、君が元気だったら、動物園に行こう。
カバのことを突然口にしたのは、
偶然とは思えなかった。