今年で第74回を迎える伝統のハンデ長距離重賞ですが、確たる馬が不在の10頭と非常に少頭数になりました。これはサウジアラビアでレッドシーターフハンデ(GⅢ 芝3000m)、ドバイでのドバイゴールドカップ(GⅡ 芝3200m)が近い日程で行われる事も影響しているかと思われます。今の時代長距離戦のメンバーレベルの低下はやむを得ないとはいえ、もう少し何とかならないかと思います。一応は春の天皇賞へ向けたステップ競走の位置付けではあるものの、これまでもあまり本番へは直結しているとは言い難く、単にハンデの長距離重賞を狙った馬を見極めたいところですね。
◎5ワープスピード
○8サリエラ
▲2ヒュミドール
△7ハーツイストワール、9テーオーロイヤル、10グランスラムアスク
5ワープスピードは初重賞挑戦の前走ステイヤーズステークスで4着、2度目の重賞で初タイトルを狙う。デビューから長めの距離を意識して使われ、ブリンカー着用の効果もあってか徐々に素質が開花、2走前の3000m戦・比叡ステークスを優勝してオープン入り。前走のステイヤーズステークスは先頭から放れた5番手を追走、3〜4コーナーでは後続に飲み込まれそうな感じだったが、インコースから渋とく脚を使って4着と初重賞ながら上々の内容。3走前には後にAJCCを優勝するチャックネイトに0秒1差4着、2走前は後の万葉ステークスを優勝するメイショウブレゲに0秒2差を付けて勝っており、相手が手薄なハンデGⅢなら力は十分足りるだろう。そこまで速い瞬発力は無いがその分持久力がある馬で、ここでも早めから仕掛けてスタミナ比べに持ち込めれば。
8サリエラは今回が初の3000m超えのレースに出走。これまでのキャリアの中で一番距離が長かった昨年の目黒記念ではきっちり折り合いを付けて追走、結果的にロス無く立ち回った上位2頭に敗れたが、終始外を回しながら3着まで追い込む強い競馬。2走前の新潟記念は出負けし、直線も前を捌くのに苦労し、ゴール前も窮屈な位置になり7着。前走のエリザベス女王杯も上位3頭は内枠を上手く使った馬達が占める結果で、それでも厳しい外枠・スローな流れで上がり最速タイの脚で0秒3差まで詰め、内容は悪くなかった。今回は一気の距離延長になるが、折り合いは付く馬だし、目黒記念のラストの伸び具合からもしっかり対応出来るだろう。斤量も55.5キロなら気にならないし、捌きやすい少頭数も良い。チャンスは十分。
2ヒュミドールは昨年のダイヤモンドステークスの2着馬。3走前の天皇賞春10着後に左前脚の軽度の骨折が判明、休み明けのアルゼンチン共和国杯は14着、続くステイヤーズステークスも9着。前走に関しては積極的に好位でレースを進めた結果で、叩き2戦目で行きっぷり自体は良くなっていた印象。今回は休み明けから3走目で更に前進が期待出来るし、追い切りも中間からしっかり動いている。昨年は好位追走から直線はインコースを突いて抜け出し、レコード決着の中クビ差2着。今年も昨年と同斤量、好枠を活かして上手く立ち回れば楽しみ。
馬券は5ワープスピード中心の馬単で買いたいですね。