12月24日(日) 第68回有馬記念(GⅠ) 3歳上定量 中山芝2500m 発走15:40








◎13タスティエーラ

今年の日本ダービー馬。皐月賞は流れが勝ち馬に向く中で強い2着、ダービーでは激しい競り合いを制し世代の頂点に立った。前走の菊花賞は勝ち馬こそ鞍上が巧みな騎乗を見せ2着に敗れたが、4角で同じ位置から仕掛けた皐月賞馬ソールオリエンスには鞍上のコース取りの差もあり0秒3差を付けて先着。スタートは安定、道中で酷く掛かる面も無いし、位置取りは自在、直線でもひと脚使えるし、ダービーを見ても併せてからの競り合いにも強い。総合的な能力は今年の3歳ではトップと思うし、ノド鳴りの症状がありながらもこれだけの力を見せており、最終追いの動きも抜群なので、あまり不安らしい不安は無い。正直枠順はロス無く道中を運ぶ意味で、もう気持ち内寄りが良かったが、引っ掛かるタイプでもないし、鞍上が世界の名手Rムーア騎手なら無駄に外を回したりせず、上手く道中〜勝負どころでは良い位置に付けてくれるはず。直行で挑んだ菊花賞から逆算しての有馬記念、余裕があるローテーションも好感で、世代トップの実力を見せてくれるだろう。


○2シャフリヤール

21年の日本ダービー馬。長く勝ち星から遠ざかっている事や香港ヴァーズ出走予定だった事も影響してかファン投票ではダービー馬として屈辱の46位。2走前の札幌記念は洋芝で稍重の馬場が影響してか勝負どころから加速が付かず11着に大敗も、前走のBCターフでは最内枠からインコースを上手く立ち回り、直線は狭い場所から渋とく脚を使って3着。今回は不整脈の疑いから香港ヴァーズを無念の取消、アメリカ→香港→日本と輸送が続いているが、帰国後は直接中山入りして調整、21日の芝での最終追いの時計からは走れる態勢は維持出来ている印象。有馬記念出走までの過程から人気はあまり無さそうだが、一昨年のダービー、昨年のドバイシーマクラシックを優勝、前走も英愛ダービー馬オーギュストロダンから僅か0秒2差とこのメンバーでは明らかに実績上位の存在。初の中山になるが前走の立ち回りの上手さなら中山の2500mにも十分対応出来そうだし、当日良馬場で走れそうなのは何より。ロス無く運べる申し分ない枠が当たったので、後は直線で鞍上が上手く捌いてくれれば。


▲15スルーセブンシーズ

春の宝塚記念はイクイノックスと僅差の2着、挑んだ凱旋門賞は強豪相手に4着と善戦。今年に入ってからは準オープンの身だったが、3月の中山牝馬ステークスでは外から余裕を持って直線抜け出して優勝。2走前の宝塚記念は一気の相手強化になったが、後方待機から直線で少しカットされる場面がありながらも、進路を切り替えて馬場の真ん中から鋭く伸びてイクイノックスにタイム差無しに迫る2着。前走の凱旋門賞は道中後方でしっかり脚を溜め、直線は馬群を捌きながら鋭く伸びて4着と健闘した。帰国後はここを目標に調整、最終追いは非常に唸るような走りで好タイムを計時、きっちり大一番に仕上げて来た印象。休み明けに強く、中山コースは通算(4・1・2・0)と高い適性があるし、タフなパリロンシャンの2400mをこなしているので2500mも特に気にならない。あいにくの枠順になったが、2走前に高いパフォーマンスを引き出した鞍上が上手くどこかで溜めを効かせてくれるだろう。近2走の走りからも勝負どころからの流れ次第では一気の差し切りも十分。


△1ソールオリエンス、11ハーパー、18スターズオンアース、5ドウデュース、6ディープボンド




ラストランになる4タイトルホルダーが枠順的にも気合いを付けてハナへ、持久力を活かしたい7アイアンバローズが2番手、好位にこちらもラストランの12ウインマリリン、18スターズオンアースもスタート次第では外から好位の位置かも知れません。それら先団直後に11ハーパー、2シャフリヤール、6ディープボンドが付け、13タスティエーラ、5ドウデュースもこの辺りでしょうか。10ジャスティンパレスは中団、1ソールオリエンス、15スルーセブンシーズは後方でチャンスを窺う形でしょう。現状では溜めを効かせた逃げの方が良い印象の4タイトルホルダーですがラストランという事で道中でもハナは絶対に譲りたくないはずで、7アイアンバローズが終始付かず離れずでつつく感じなら平均ペースでは流れそうな感じ。13タスティエーラはペースを問わず、あらゆる脚質・位置取りで好結果を出して来た馬で、本当に展開面での不安が無い感じです。ダービーでの走りからある程度の瞬発力があるし、タフな馬場で厳しい流れだった皐月賞では高い持久力を見せました。この枠順でも名手なら上手く立ち回ってくれるでしょう。2シャフリヤールは前走のBCターフが相手を考えれば非常に高く評価出来る内容です。香港ヴァーズは残念な形になりましたが、過程に不安があるなら陣営は有馬記念には出走させるべきではありませんし、これだけの馬だけに出走へ踏み切った限りは21年のダービー馬、結果が求められます。一般受けしない馬なのかファン投票・人気もあまりありませんが、このメンバーなら力は上位で、素軽い追い切りの動きからも状態は悪く無さそうです。良い枠が当たりましたし、ここは陣営の判断、馬の力を信じたいところです。15スルーセブンシーズは凱旋門賞4着も頑張りましたが、2走前の宝塚記念でイクイノックスのタイム差無しの2着が光ります。凱旋門賞→有馬記念のローテーションなら間隔は十分で、追い切りの走りからは海外帰りでも非常に活気はある感じです。枠順は良いとは言えませんが、近2走のように馬群を割って伸びてこれる根性がある牝馬で、宝塚記念でコンビを組んだ鞍上がどこかで上手く脚を溜めてくれれば。得意の中山ならまとめて前を交わすシーンも十分ありそうです。

馬券は13タスティエーラ中心の三連単、三連複、後は2シャフリヤールからの馬券も少し買いたいですね。



それでは皆さん、いい有馬記念を、いいクリスマスイブをお過ごし下さい。