日本時間12月10日(日)香港シャティン競馬場で香港競馬の祭典・香港国際競走が開催されます。





芝2400m香港ヴァーズ、芝1200m香港スプリント、芝1600m香港カップ、芝2000m香港カップと4つのカテゴリーの国際GⅠ競走が行われる香港競馬の大一番。




香港国際競走の発走時刻・施行順並びに各4競走に出走する計13頭の日本馬は以下の通りです。





香港ヴァーズに出走予定だったシャフリヤールは馬体検査の際、不整脈の疑いが見られ取り消しになりましたが今年も日本の精鋭が大挙遠征、非常に楽しみな香港国際競走なんですが、ここでは日本で馬券発売される4競走の予想を紹介します。



レース施行順で、まずは香港ヴァーズ。

番号は馬番です。


*5番ウエストウインドブローズは出走取消です。



◎9ウォームハート(アイルランド)

ヴェルメイユ賞は先団インコースから直線馬場の真ん中から抜け出し、追いすがるメロメロを退けて優勝。前走のBCフィリー&メアターフもインコースから直線で間を割って抜け出すも、末脚が切れたインスパイラルに僅かに差され2着。コースを問わないし、非常に立ち回りが上手いのでシャティンの馬場、この枠順もきっちり対応出来るだろう。


○1ジュンコ(フランス)

前走のバイエルン大賞ではスタートから主導権、直線も後続を放して逃げ切りGⅠ初制覇。勝ち時計やレース展開から前走はあまり参考にはならないが、これまでのレースからハナ・好位・後方と、あらゆる位置でも好走歴があり、3走前のサンクルー大賞では最後方追走からそれなりの相手に善戦。今回のメンバー的には先行する形を取りそうで、コースを問わない馬なのでシャティンの馬場にも上手く対応してくれそう。前走からの斤量3キロ減も魅力。


▲7ジェラルディーナ(日本)

昨年のエリザベス女王杯優勝馬。今年は勝ち星こそ無いが、ハイレベルなGⅠレースのみ使われ大崩れ無く善戦を続けている、今年の宝塚記念では直線で一瞬は突き抜けるかと思わせる勢いで追い上げ、イクイノックスの0秒2差4着。前走も展開ひとつの内容で、特別衰えなどは感じられない。昨年のエリザベス女王杯の内容からも多少力の要る馬場が良く、前回の香港遠征は敗れたが今回は経験を踏まえて2度目のシャティン。日本より時計を要する芝は合っているはずで、鞍上もヴュイック騎手なら新たな一面を見せる可能性も。鞍上・陣営がどんな作戦で挑んで来るかの楽しみ・期待はある。


△8レーベンスティール(日本)、3ゼッフィーロ(日本)、4ファイブジーパッチ(香港)



まあ、2400m戦なら欧州VS日本になるところで、総合的に欧州牝馬戦線トップクラスの9ウォームハートがリードしている印象。適性は未知ですが、日本の3ゼッフィーロ、8レーベンスティールはGⅠレベルでどうかという懸念はあり、7ジェラルディーナが3頭の中では実績上位。ただ、今の勢いなら9ウォームハート対7ジェラルディーナなら前者に分があると思います。先行すればになりますが、展開利はフランスの1ジュンコ。

馬券は9ウォームハート中心の三連単で買いたいですね。





◎1ラッキースワイネス(香港)

昨年の香港スプリントは前が詰まってしまい6着。今年は春のチェアマンズスプリントプライズ優勝などGⅠ3勝を含む6連勝。前走のジョッキークラブスプリントは抜群の手応えで前を見る位置で追走、直線は粘るビクターザウィナーを交わして優勝。今年は敗れたレースも2度あるが、いずれも僅差の2着。レイティングはメンバー中断然の125。念願の香港スプリントのタイトル・昨年の雪辱へ、陣営も相当力が入る一戦だろう。


○2ウェリントン(香港)

昨年の香港スプリント優勝馬。今年は英国・ロイヤルアスコットへ遠征したが大敗、前走のジョッキークラブスプリントは3着に敗れたが、直線で窮屈な場面がありながらも渋とく粘り、遠征帰り・休み明けを考えれば十分な内容。叩き2戦目、文字通り目標レースに向けて上昇。昨年は外から一気の差し切り勝ち、前が鈍る流れなら連覇の目も。


▲10ハイフィールドプリンセス(イギリス)

欧州スプリントGⅠ4勝の女王。前走のアベイドロンシャン賞は早めから仕掛けられて一気に加速、2着馬に1馬身差を付けて快勝。昨年のBCターフスプリントは4着だが、ゴール前では加速して迫っており、ワンターンコースにもしっかり対応出来ていた。コースを問わず遠征経験豊富な馬で初の香港・シャティンの馬場も気にならない。先団をマークした位置で直線を向かえれば。


△4サイトサクセス(香港)、5ビクターザウィナー(香港)、3マッドクール(日本)、6イソップスフェイブルズ(アイルランド)



やはりここはスプリント大国・香港勢が強い印象ですね。昨年の香港スプリントは全く競馬にならず敗れた1ラッキースワイネスは香港最優秀スプリンターとして今年こそ意地でもこの香港スプリントのタイトルは譲れないところでしょう。

馬券は1ラッキースワイネス中心の三連単で買いたいですね。





◎4セリフォス(日本)

昨年のマイルチャンピオンシップ優勝馬。今年前走のマイルチャンピオンシップはスタートから前に馬を置けず掛かってしまい、直線は脚を無くす形で8着。春の安田記念も強いレース振りで、今回の枠順ならしっかり溜めを効かせて末脚を発揮してくれるだろう。鞍上は前走から継続騎乗、相手は強いが爆発力全開なら突き抜ける可能性も。


○1ゴールデンシックスティ(香港)

現役世界最高25億円の賞金王で香港のスーパースター。既に説明不用の名馬で通算29戦25勝、現地マイルGⅠを総ナメ、今年1月のスチュワーズカップではロマンチックウォリアー、カリフォルニアスパングルとの香港3大スター対決も制した。今回はチャンピオンズマイルからの直行で多少の懸念はあるが、これまで様々な場面でも期待に応えて来た。今までのように後ろから徐々に進出する競馬で上位争いには加わって来るだろう。


▲7ビューティーエターナル(香港)

通算(8・1・3・0)、前哨戦のジョッキークラブマイルを優勝。2走前にはカリフォルニアスパングルと僅差の3着、前走はビューティージョイを競り落とし、カリフォルニアスパングルも下しており、香港マイル界新たな主役候補の1頭として名乗りを挙げて来た。先行抜け出しの安定した脚質で非常に粘り強く大崩れも考えにくい。早め抜け出しで後続が不発・モタつくようならチャンス。


△5ソウルラッシュ(日本)、2カリフォルニアスパングル(香港)、8ビューティージョイ(香港)、ナミュール(日本)、11エンカウンダート(香港)



香港の英雄VS強力日本勢5頭の図式が非常に楽しみな一戦で、前走は掛かって持ち味が出なかった4セリフォスに1ゴールデンシックスティ退治の期待を懸けたいところ。相手は休み明けでぶっつけなら僅かでもチャンスはありそう。

馬券は4セリフォス中心、1ゴールデンシックスティを2着に固定する感じで買いたいですね。






◎3プログノーシス(日本)

春のQE2では現地中距離最強ロマンチックウォリアーの2着。前走の天皇賞秋は勝ち馬イクイノックスは強かったが、後方から自分の競馬に徹して3着。これまで多くのレースで中団・後方から末脚を活かす競馬をして来たが、2走前の札幌記念では早めに前へ進出、機動力も兼ね備えたレース振りで優勝。コーナー4つの2000m・札幌記念のレース振りは今回の舞台に活きて来るだろうし、シャティン2000m経験済み。前走後からここを目標に仕上りは万全。自身GⅠを勝つならここが最大のチャンスだろう。


○1ルクセンブルク(アイルランド)

強豪犇く欧州中距離GⅠを2勝。今年は春にタタソールズゴールドカップを優勝、2400mのキングジョージでも上位に放されたが4着と善戦。前走の愛チャンピオンは英愛ダービー馬オーギュストロダンの半馬身差2着、勝ちに等しい走りを見せた。渋った馬場でもそれなりに走ってはいるが、良馬場でこそ本領発揮する馬で、欧州に比べ軽いシャティンの芝は合いそうで、陣営的にもここを狙っての遠征だろう。外目の枠になったがこの頭数ならあまり気にならないし、逆にスムーズに好位に付けられる。鞍上ムーアで勝負気配は十分。


▲2ロマンチックウォリアー(香港)

香港中距離最強馬。QE2を連覇、昨年の香港カップ優勝、今年は南半球最大の中距離レースであるコックスプレートを目標にオーストラリアへ遠征。一度レースを使われて(4着)挑んだコックスプレートは好位追走から直線外に持ち出すと内で粘る馬達と追い比べ、最後は鞍上の懸命な風車ムチに応え僅か前に出て優勝。ここは連覇が懸かる一戦、大事なレースではあるが、今年は前走のコックスプレートが最大の目標だったと思われ、前走との比較上の状態面が気になるところ。多少の懸念を払拭する力がある馬だが絶対視は禁物で、当日の気配をしっかりチェックしたい。


△5ヒシイグアス(日本)、4ローシャムパーク(日本)、11オリゾンドレ(フランス)



日本の3プログノーシスは一見直線が長く、外回りや広い大箱コースが向く印象ですが、個人的には夏の札幌記念がベストパフォーマンスと思っており、コース形態が似たシャティン2000mはその再現を期待出来る舞台。勝負どころで上手く外から1ルクセンブルク、2ロマンチックウォリアーを内目に見る感じで上がって行ければ。

馬券は3プログノーシス中心の三連単で買いたいですね。




尚、2023香港国際競走の生中継・発売概要は以下の通りです。




それでは皆さん、グッドレースを!!