昨年暮れの阪神JF、そして本番である桜花賞と同じ阪神外回り芝1600m。しかし、近年の有力馬・阪神JF優勝馬などは桜花賞へ直行する傾向になりました。それでも、GⅢ時代からトライアルでは最も本番へ直結するレースで、今年も桜花賞を見据えた素質馬達の走りに注目したいですね。
1アンリーロード
デビュー戦は上がり最速の脚で後にシンザン記念を優勝するライトクオンタムの0秒4差2着。前走は流れるペースを好位から抜け出して優勝。少し首は高いが、直線半ばでエンジンが掛かってからは後方からの追撃を寄せ付け無かった。デビュー戦からマイルの瞬発力勝負にも対応出来る。熱発でクイーンカップ回避の影響が無ければ。
2キタウイング
重賞2勝、実績はメンバー最上位の存在。前走のフェアリーステークスは展開は向いたが、一か八かのインコースを突いた鞍上の判断が光ったレース。正直今回はそこまで展開がハマるかは微妙な感じだが、一応は新潟でスローの瞬発力勝負にも対応。賞金は十分あるのでどこまで走らせるか分からないが、早めに栗東入り、鞍上的には常に背水の覚悟で騎乗するだろう。
3ルミノメテオール
デビュー戦、1勝クラスと現在2戦2勝。前走のつわぶき賞は1枠だった事もあり、終始インコースの中団で脚を溜める競馬。直線は馬群の真ん中を突いて前をまとめて差し切った。今回は距離が1F伸びるが、掛かる面さ見られないのでマイル自体はこなせそう。しっかり脚を溜めやすい枠も良い。
4エクローサ
阪神芝1400mのデビュー戦は中団インコースで脚を溜め、直線は空いた内から伸びて優勝。斤量面、折り合い、コース取りが噛み合った印象だが、直線での伸び脚からは距離が伸びて更に良さが出そうなタイプ。一気の相手強化でどこまでやれるか。
5ダルエスサラーム
前走リステッド競走の紅梅ステークスを優勝。平均ペースを好位から抜け出し、追撃して来たバースクライを半馬身退けた。今回は距離は伸びるが同舞台で未勝利勝ちしている。瞬発力勝負でも対応出来るように、位置取りは特に拘らない。馬体維持なら引き続きここでも有力。
6レミージュ
デビュー戦は遅いスタートが響き12着も、未勝利、エリカ賞と連勝。前走のきさらぎ賞はハナを切るも、勝ったフリームファクシにぴったり番手に付けられ、早めに交わされる競馬で厳しい展開だった。今回は牝馬同士の対戦でマイルに距離短縮。逃げなくても競馬は出来るが、あくまでスタート次第だが、特別スタートが速い馬でも無いので好位の可能性も。どちらにせよ早めの競馬で持久力勝負に持ち込みたいところ。
7マラキナイア
上がり最速の脚でデビュー戦を優勝、続くアルテミスステークスではハイレベルなメンバー相手に勝ち馬から0秒3差5着と上々の結果。前走の自己条件戦は1番人気に支持されたが6着。ラストはそれなりに脚は使ったが、早くから手応えが微妙な感じになってしまった。敗因は分からないが、2走前の内容から軽視は出来ず、前走よりもう1列前の好位付けなら。
8ドゥーラ
札幌2歳ステークスを優勝した重賞ウイナー。暮れの阪神JFはスタートで遅れて後方からの競馬になったが、ラストは上がり最速の脚で6着まで追い上げた。後の阪神JF3着馬ドゥアイズにはデビュー戦で敗れるも、札幌2歳ステークスでは同馬を抑えた。未勝利戦では後のホープフルステークス優勝馬ドゥラエレーデを破っているように能力は世代トップクラスの1頭。スタートを決めて好位で脚を溜めれば手堅くまとめて来そう。
9モズメイメイ
デビュー戦を優勝し挑んだ昇級戦は好位インコースから直線で進路を外に切り替えての追い比べで僅かに敗れて3着。前走のこぶし賞は展開は恵まれたが、自らレースを作って上がり34秒2、オーシャントライブを半馬身抑えて逃げ切った。前走はハナに行ったが、安定して好位に付ける先行力があり、ロス無くスピードを活かせる展開ならここでも良い競馬になりそう。
10アリスヴェリテ
野路菊ステークスは共同通信杯勝ちのファントムシーフ、アルテミスステークスでは阪神JF4番人気ラヴェルと、いずれも僅差の勝負。近2走の自己条件は勝ち切れない結果だが、前走は直線に入ってインコースに閉じ込められての4着。スムーズに追走出来る位置なら巻き返し。
11バースクライ
デビュー戦は上がり33秒1の脚を使い優勝。前走の紅梅ステークスではスタートで立ち遅れながらもラストは急追しダルエスサラームの半馬身差2着。敗れはしたが終始外を回る形の競馬、内容は悪くなかった。今回もスタートに不安はあるが、その分ラストは切れる脚を使って来る。デビュー戦の走りからも舞台適性は高い。
12カフジキアッキエレ
前走の未勝利戦は直線で上手く馬群を捌き、インコースから突き抜けて優勝。鞍上のコース取りは良かったが、それにしても最後は流す余裕を見せての完勝。デビュー戦でも直線だけの競馬で見所がある脚を使っているようにラストの瞬発力だけならこのメンバーでも引けは取らない。人気は無さそうだが恐さはある。
13コナコースト
デビュー戦は好位インコースから直線外に持ち出し、ゴール寸前で差し切って優勝。前走のエルフィンステークスは先行有利なペースが勝ち馬に向いた結果、直線外に出すまでに時間は掛かったがラストは際立つ末脚で2着と負けて強しの内容。折り合いは付くし、これまでのレース振りから阪神の外回りに対する適性は高そう。
14ルカン
2戦未勝利の馬だが、その2戦はいずれも後方から上がり最速の脚で勝ち馬に僅差まで詰め寄る2着。デビュー戦で舞台経験もあり、未勝利馬ながら瞬発力勝負になれば面白い存在ではあるが、桜花賞出走となると、この馬の場合は収得賞金加算が必要になるので優先出走権獲得には2着以内が必須。ギリギリまで脚を溜めてどこまで追い込めるか。
15ワレハウミノコ
前走ダートの未勝利戦を優勝。元々芝でデビューし、2着2回3着1回と適性は問題無く、脚質にも自在性があって好位からでもひと脚が使える器用なタイプ。追い切りの動きは良く、スピード能力もそれなりに感じさせるのでマイルへの距離短縮は悪く無さそう。全く人気が無いようなら。
16サーマルソアリング
前走中京芝1600mで未勝利勝ち。これまで重馬場だった2戦目以外は手堅く走っているように堅実性を感じさせる馬。脚質に融通性があり、且つラストもひと脚を使えるようにレースセンスは高そう。綺麗な馬場ならそれなりには。
17ペリファーニア
兄はGⅠ3勝をあげたエフフォーリア。中山芝1600mのデビュー戦は道中でポジションを大きく下げる不利があったが、勝負どころでは先団を射程圏に入れると直線はあっさり抜け出して優勝。スタートは悪くなく、デビュー戦ながら揉まれる競馬でも結果を出せたのは大きな収穫。キャリア1戦なので未知な面はあるが、この枠順、輸送さえこなせれば重賞でもやれそうな雰囲気はある。
以外とハナに拘るタイプは少なく、スタートは速くは無いが、一応は2000mからの臨戦もレミージュが主導権か。アリスヴェリテ、押し出される形でモズメイメイなどもハナの可能性はあるが、とりあえずは好位、コナコースト、ペリファーニア、ダルエスサラーム、バースクライは先団を見る位置、発馬五分でドゥーラは中団、キタウイングは後方待機。瞬発力勝負では分が悪いレミージュの逃げならある程度は平均ペースで引っ張る流れ、瞬発力勝負になりやすいコースだが、先週までの傾向からはやはり外を回し過ぎると厳しそうな馬場。◎9モズメイメイは前走こそ逃げ切りだが、ハナに拘る馬では無く、本来は好位からひと脚を使うタイプだろう。先行して速い上がりを使えるように今の馬場にマッチしそうだし、位置取りにもある程度融通が効く馬なので展開にも左右されにくい。軸には最適か。○10アリスヴェリテは自己条件では勝ち切れていないが、後の重賞ウイナーである牡馬のファントムシーフの2着やアルテミスステークスで0秒1差3着があるように今回のメンバーなら十分に上位争い出来る力がある。自分からレースを作れるタイプから、今の阪神の馬場傾向は合う。▲8ドゥーラは札幌2歳ステークスでドゥアイズを抑え、未勝利戦では後のGⅠ馬ドゥラエレーデと0秒3差2着の実績。前走は出負けが全てで、それでもラストは上がり最速をマークして6着と、敗れはしたが改めて力を再認識させる内容。発馬五分なら巻き返し十分。
以下、11バースクライ、3ルミノメテオール、13コナコースト、17ペリファーニア、5ダルエスサラーム、12カフジアッキエレ、15ワレハウミノコの順。
馬券は◎中心の三連複で相手は手広く押さえて買いたいですね。

