4歳上牝馬によるJpnⅡ以上のダートグレード競走はエンプレス杯、レディスプレリュード、JBCレディスクラシックの3競走で、ここは一応の上半期ダート牝馬の最高峰舞台になります。今回のエンプレス杯は地方の女傑サルサディオーネのラストランではありますが、下馬評的にはヴァレーデラルナVSグランブリッジの第3ラウンド。お互い1勝1敗で迎える第3戦目はどうなるか。
1ヴァレーデラルナ
昨年のダート牝馬チャンピオン。前走のTCK女王盃はグランブリッジとの追い比べで敗れ2着。今回は前走の勝ち馬より1キロ重い57キロを背負うが、休み明けを一度使われて確実に上昇。2走目で本領発揮か。
2グランブリッジ
昨年のJBCレディスクラシックはヴァレーデラルナにクビ差敗れて2着。しかし、前走のTCK女王盃では同馬に1馬身差を付けて逆転。3度目の対決はヴァレーデラルナ57キロに対して1キロのアドバンテージがある。
3ナラ
昨年のエンプレス杯は13頭立ての殿負け。以降1年間で29戦、地元で2勝し重賞の日本海スプリント5着など、使い詰められているがこの馬なりに頑張っている。しかし、今回はJRA勢を含むダートグレード競走。無事に走り切れれば。
4フラーレン
準オープン戦を勝ってから挑んだレディスプレリュードではプリティーチャンスの切れ味に屈するも0秒3差4着とまずまず。久々の前走は先行するも粘りを欠いて9着だが、一度叩かれた上積みは十分。ここを目標にして確実に状態は上がっているだろうし、グランブリッジ、ヴァレーデラルナに勝負どころで付いて行ければ。
5アーテルアストレア
2勝クラス、3勝クラスを連勝、オープン初戦での重賞挑戦。今回は2100mになるが、広いコースの1800mに対応しているので距離に関してはそこまで気にならず、脚質的に小回りコースへの対応がポイントだろう。有力2頭がサルサディオーネ、テリオスベルを早めから捕らえに行き、競り合う展開になればラストが活きて来る。
6テリオスベル
昨年のクイーン賞で念願の初重賞勝ち。近2走、前走の川崎記念はスタートから押し続け、1周目のスタンド前でようやく先頭、結果上位とは差はあったが4着に粘った。テンのダッシュが早くないのでスタートからサルサディオーネのハナを叩くのは厳しそうだが、前に行ってこその馬で、どこから仕掛けて行くか。
7サルサディオーネ
21年の日本テレビ盃など重賞8勝、長く地方競馬のトップクラスを引っ張って来た名牝のラストラン。前走のゴールドカップも最後は差されてたが、ゴール寸前まで粘り流石と思わせる走り。ここはテリオスベルの存在がカギになるが、最後のレースだけにハナを譲る気は無いだろう。テリオスベルが2番手ですんなり控えてくれればラストまで粘り腰は発揮してくれそう。
8リネンファッション
JRA在籍時は4勝をあげ重賞でも上位争い。南関転入後も牝馬限定ダートグレードで掲示板を確保と力は確か。前走は先行勢が崩れる展開で見直しは必要だが、今回も前掛かりなタイプが多く、JRAの有力どころも早めからの進出になりそう。多少下げた位置で脚を溜めれば掲示板は狙えそうだが。
9ミスティネイル
一時は6連勝した事もあるが、重賞では苦戦が続いている。2走前の姫路遠征、白鷺賞は健闘したが、今回はダートグレード競走で相手はより強化。笠松の同厩舎3頭の中では現状はエース格的な馬だが、JRA勢や南関勢と渡り合うまでは厳しそう。
10クレールアドレ
ダートグレード競走への果敢な挑戦は評価出来るが、近走地元の自己条件でも勝ち馬から放されている結果。まだ明けて4歳、ここでどうと言うより、一度休養するなどしっかり立て直し、まずは地元で実績を重ねて欲しい。
ラストランになるサルサディオーネが何が何でもハナへ。テリオスベルはスタートは速い馬では無いので、サルサが引っ張る2番手が濃厚。外のリネンファッションもある程度先行しそうだが無理にハナには拘らないタイプ、ヴァレーデラルナ、グランブリッジは枠が枠なので包まれないような位置。フラーレンも2強と同じような位置を追走、アーテルアストレアはその直後で先団をマーク。サルサは途中からでもハナを取りたいテリオスベルを常に警戒、ラストランでもあり、テリオスベルが来れば加速しハナをキープする感じ。となれば馬群は縦長、やはりその2番手集団に位置するグランブリッジ、ヴァレーデラルナには有利な流れ。◎2グランブリッジは昨年の関東オークスで3馬身差の完勝と、総合力互角のヴァレーデラルナに対し、コース実績の長がある。6回のコーナーにも戸惑い無く追走出来るだろうし、今回はJpnⅠ勝ちのヴァレーデラルナより1キロ軽くなる。○1ヴァレーデラルナはグランブリッジにピッタリとマークされた前走のTCK女王盃はラストで交わされて2着。久々を叩かれた上積みで巻き返しは十分で、とにかく初の川崎コースへの対応だけだろう。小回りコースでモタ付くと何かに割って入られる可能性も考えておきたい。▲5アーテルアストレアは自慢の末脚で連勝中。2走前の上がりが36秒2、展開が向けばまとめて面倒を見る可能性は多少なりとも窺え、何を言っても馬自身に勢いがある。
以下、4フラーレン、7サルサディオーネ、6テリオスベルの順。
馬券は◎→○→他の一方通行の三連単でオッズによって金額に強弱を付けて買いたいですね。