春の短距離王決定戦・高松宮記念の前哨戦で、優勝馬には同競走への優先出走権が付与されます。過去の勝ち馬ロードカナロア、コパノリチャード、ミッキーアイル、レシステンシアなど、マイル・スプリント路線のトップホースが名を連ねているように、GⅢの格付け以上の重賞レース。ただ、距離が本番より1F長い1400mという事で、馬券の狙いとしては本番より非根幹距離であるここを目標にして来たであろう馬が穴候補になりそうです。
1メイショウベンガル*出走取消
障害帰り。平地オープン馬で芝でも勝ち星はあるが、基本的にはダートが主戦。芝の重賞では厳しそう。
2メイショウチタン
21年阪急杯6着。脚質に拘らずリステッド競走で2、3着の実績はあるものの、重賞では昨年のCBC賞5着が最高。斤量に恵まれてのハンデ戦なら食い込む余地はあるが、ここはGⅠへの直接的な前哨戦で別定重量の重賞ではどうか。メンバー・枠を考えればハナに行く可能性はありそう。内の先行勢が残る展開なら。
3サトノラムセス
21年アーリントンカップ7着以来となる重賞挑戦。前走準オープン戦は中団から上がり最速の脚で優勝。メンバーは大幅に強化されるが勢いはある。阪神コース自体は得意なので、ロス無く立ち回って展開が向けば。
4ホープフルサイン
前走の淀短距離ステークスで念願のオープンクラス初勝利。位置取りにある程度の融通は効くが、正直近2走は展開面・コース取りが上手くハマった感じはある。ここはメンバー的に無欲の追い込みでどこまでやれるか。
5ダディーズビビット
前走は久々のマイル戦や馬体重もあるが、前残りの展開面が厳しかった印象。7Fはベストで距離短縮は歓迎、馬体も今回は絞れて来るだろう。強敵相手の重賞でも差の無い競馬をしており、叩き2戦目のここは好走の期待十分。
6ロードベイリーフ
前走でも差の無い競馬をしているが、現状はアイビスサマーダッシュ、韋駄天ステークスの結果からは千直がベストか。高松宮記念を見据えた有力馬が出走するここでは。
7グレナディアガーズ
メンバー唯一のGⅠウイナー。海外帰りの前走はハナ差惜敗も改めて力を再確認させる内容の2着。阪神芝1400mは21年阪神カップで優勝している得意舞台。明らかな格上の存在で、メンバー比較で引き続きの57キロも良い。後は初騎乗の鞍上、馬場だけだろう。
8ショウナンアレス
格上挑戦での重賞挑戦。常に相手なり、自分なりの走りを見せて善戦はするも勝ち切れていないところからは少しパンチ不足な印象。舞台設定は申し分無いが、このメンバー相手なら好位からどこまで辛抱出来るか。
9メイショウケイメイ
19年紅梅ステークスから長く勝ち星から遠ざかっている7歳牝馬。近2走はこの馬なりに脚を使って復調気配を感じさせてはいるものの、やはり重賞で上位争いするにはかなり厳しそう。ひたすら脚を溜めて直線で何頭交わせるかだろう。
10リレーションシップ
昨年は中団から脚を伸ばして4着。GⅡでも強豪相手に僅差の勝負をしており、脚質も自在性がある。好位から渋とい競馬も出来る馬なので、今回のメンバー構成で先行すればそれなりにやれそうな感じはある。
11アグリ
父カラヴァッジオは今年から日本で併用される種牡馬。3連勝でオープン入りしての重賞初挑戦になるが、前走が先行勢に苦しい展開ながらも完勝の内容。基本的には好位差しの安定した脚質で、このメンバーなら今まで通り理想的な位置でレースを運べそうだし、持ち時計からも十分通用。ここで良い結果を出せれば父にとっても非常に良いタイミングでのアピールになる。
12ミッキーブリランテ
早くから能力を見せて来た馬だが、21年阪急杯でレシステンシアの2着、昨年9月の京成杯AH2着。注目度が低い時こそ頑張る印象で、昨年の阪神カップは15番人気7着も勝ち馬からは僅か0秒2差。自在な脚質の馬だが、極端な瞬発力勝負より平均的な流れなら自分から動いて行く競馬が理想。圏内突入のチャンスは十分。
13ラルナブリラーレ
近走は軽量に恵まれながらも高い瞬発力を発揮。京都牝馬ステークス除外は残念だったが、ここに出走して来る辺りは、やはり1400mの距離に拘っての事だろう。今回は別定重量で55キロ、これまでよりメンバーは強くなるが、相手なりに走る面もあり、瞬発力勝負なら圏内へのチャンスはありそう。
14グレイイングリーン
初距離だった前走の淀短距離ステークスは少し忙しい印象もあった中で13着。一番走り慣れた1400mに戻るのは歓迎で、昨年の阪急杯は後方から脚を伸ばして5着。オープンに上がってからはもうひと押し足りない印象はあるが、阪神は得意で舞台設定に文句は無い。出来れば中団辺りからレースを進めて欲しいところ。
15ホウオウアマゾン
ダートの前走は度外視。近走の着差・着順は冴えないが、マイラーズカップ、阪神カップいずれも2着、重賞勝ちもある阪神コースは得意な馬。極端な瞬発力勝負になった21年マイルCSでは逃げてグランアレグリアの0秒4差5着と地力は高い。今回のメンバーなら恐らく先行態勢だろう。展開が味方するなら粘り込みも。
16ルプリュフォール
昨年のスワンステークスでは上がり最速の脚で0秒2差3着、3走前の朱鷺ステークスは直線だけで全頭ごぼう抜きで優勝。末脚だけならトップホースにも引けは取らず、前走の阪神カップは前が詰まっての敗戦。脚質的に展開待ちは仕方無いがハマればまとめて差し切るだけの破壊力はある。鞍上を考えればギリギリまで脚を溜める競馬か。
何が何でも逃げるという馬は居ないが、このメンバーなら枠順を利してメイショウチタンがハナ、ホウオウアマゾンがそれに続く形か。好位にアグリ、リレーションシップ、ショウナンアレス、中団にホープフルサイン、グレナディアガーズ、ダディーズビビット、サトノラムセス。ミッキーブリランテも途中から動ける外目の中団、ラルナブリラーレ、ルプリュフォールは後方待機。ペースは極端に早くも無く、1400mの重賞だけに遅くも無いが、今の馬場で後方から極端な大外ぶん回しで突き抜けるまでは厳しいか。◎11アグリは安定した好位付けの競馬が出来る馬で、前が厳しい展開だった前走が強い内容。陣営も手応えを感じての重賞出走だろうし、展開面・馬場を考えればメンバーは強くなるも直線早めに抜け出して上位争いに加われそう。○5ダディーズビビットの前走は前残りの展開、太目も残った中での敗戦。距離短縮は歓迎で、休み明けを叩いてのベスト舞台。重賞でも僅差の勝負をして来た馬で、先団を見る位置で上手く脚を溜める事が出来ればチャンス。▲7グレナディアガーズの前走は敗れはしたが、流石と思わせるハナ差2着。前走より相手は軽くなるし、休み明けを使った上積みもある。勝ち切れるかどうかは別にしても力は最上位の存在。良馬場なら確実に差し脚を伸ばして来そう。
以下、10リレーションシップ、12ミッキーブリランテ、15ホウオウアマゾン、16ルプリュフォール、14グレイイングリーン、13ラルナブリラーレ、2メイショウチタンの順。
非常に7F得意の穴候補が多く、馬券は上位評価3頭を中心にした三連複で相手は手広く、高めの組み合わせでの決着を期待したいですね。