年に1度、ダイヤモンドステークスにだけ使用される東京芝3400m。流石に抜けた存在は居らず、ハンデ差もそこまで無い混戦メンバー。基本的にはスローで流れ、2周目の3コーナー辺りからの持久力戦。距離が距離だけに折り合いが重要なのは言うまでもありませんが、如何に道中ロス無く進んで勝負どころを迎える事が出来るか。瞬発力より早めから仕掛けてもバテないスタミナ、長く良い脚を使える馬を見極めたいところです。
1キスラー
ダートを中心にレースを使われて昨年春にオープン入り。芝でもデビュー戦を優勝するなど適性はあるが、ダートのオープンクラスでの近2走はいずれも後方から傾れ込む形の結果。前が極端に崩れる形なら人気以上の走りは見せてくれそうだが、展開が向いて54キロが効いたとしても上位争いのイメージは湧かない。
2シルブロン
初勝利は1800mだが、距離を伸ばしてレースを使われてからは4戦3勝、前走を勝利してオープン入り。ここは重賞初挑戦になるが、前走で重賞好走歴があるヴェローナシチーを差し切る強い競馬から、今回のメンバーなら能力は通用しそう。前走2500m戦を見る限り折り合いは心配無さそうで、一気の距離延長に対応さえ出来れば。
3トラストケンシン
無欲の挑戦だった前走のジャパンカップは13着も、中々進路を見出せない中、ラストは自分なりの脚を使っていた。今回は初の3000m超えの距離になるが、折り合いは付くタイプで長く良い脚を使う馬なのであまり気にならない。路線は別だが前走より大幅に相手は軽くなるし、この距離・斤量なら重賞でもそれなりにやれそうな感じはする。穴で一考。
4ミクソロジー
前走は2勝クラスを勝ったばかりの格上挑戦ながら万葉ステークスをレコード勝ち。現在3連勝と勢いはメンバーNo.1の存在。前走は早めからインコースに入れて脚を溜め、直線は抜群の手応えから馬場の真ん中を抜け出して完勝。53キロとはいえ2馬身差を付けてゴール前は流す感じだった。きっちり折り合いは付いていたので距離延長は問題無いので、前走からの3キロ増に対応出来ればここでも楽しみ。
5ヒュミドール
芝、ダート、中距離、長距離、脚質にも拘らず幅広い適性を持った馬。近走も着順ほど悪くない内容だが、どうしても上位には届かない現状。長距離重賞で5着の実績から適性は十分で、近走を考えればこの距離で活路を見出したいところ。まだ極端に衰えた感じは無いので、距離を味方に持続する脚を使えれば可能性はありそう。
6アスクワイルドモア
昨年の京都新聞杯をレコードで優勝。しかし、以降は全く持ち味が出ないレースで大敗が続き、前走にしても枠順的に外を回していたとはいえ、少し負け過ぎな印象。菊花賞の道中での様子から距離には対応出来そうだが、一気の変わり身となると。
7カウディーリョ
早くから長い距離を使われ、一昨年は札幌日経オープン2着、丹頂ステークス優勝と芝2600m戦で活躍した。しかし、昨年は万葉ステークス、ダイヤモンドステークスと案外な結果。今回は久々の出走となった昨年12月のステイヤーズステークス12着を叩いた上積みは見込めても変わり身となるとどうか。
8レクセランス
一度叩かれた前走の万葉ステークスは4着も、レコード決着の中、上がり最速の脚で大外から際立つ伸びを見せた。道中はきっちり折り合っていたし、昨年の万葉ステークスの内容からも長く持続する末脚を使えるので長い距離への適性は高い。今回は叩いて3走目、好内容の前走から更に上昇気配だけに期待は大きい。
9ヴェローチェオロ
一昨年、レコード決着の菊花賞では後方から追い上げて6着に健闘。昨年のダイヤモンドステークスはインコースで少し力み加減の追走も、直線は渋とく脚を使って5着。前走のドバイゴールドカップは好位追走から良い位置で直線に向いたが、ラストは甘くなって7着。ここは約1年振りの復帰戦が3400mの長距離戦。今回は様子見か。
10メイショウテンゲン
20年のダイヤモンドステークスでは最低人気のミライヘノツバサと熾烈な追い比べでハナ差涙を飲んで2着。屈腱炎で長く休んでいたが、昨年のチャレンジカップで復帰し14着。前走の3000m戦でも10着だったが、今回は叩き3走目、馬体ももう少し絞れて馬は確実に良化しているだろう。明け7歳で多少の衰えはあるかも知れないが、頑張って見せ場くらいは作って欲しい気持ち。
11スタッドリー
前走のアメリカジョッキークラブカップは直線半ばで外から被せられてしまったが、ラストまで渋とく脚を使って6着。重賞初挑戦でもそれなりの結果を残したし、きっちり折り合いが付き、長く良い脚を使った前走から長距離に対する適性は高そう。今回は鞍上にモレイラ起用、この3400m戦は個人的にも楽しみ。
12マリノアズラ
格上挑戦での重賞出走。前走のグレイトフルステークスは道中きっちり折り合い、3〜4コーナーにかけて非常に良い感じでレースを進めたが、直線は上位と瞬発力の差で置かれて6着。敗因としては少し太目が残っていた印象で、2〜3走前には後に重賞で勝ち負けする馬相手に僅差の2着。力はこのメンバーでも足りそうで、53キロなら食い込む余地はある。
13タイセイモナーク
格上挑戦の前走はバテない強味を活かした逃げを打ってレコードタイムで2着に粘った。今回は再びの格上挑戦、重賞で相手は強くなるが、前走と同じ斤量53キロは魅力的。成績から脚質に融通は効くが、スタミナ豊富な馬なので前走のような競馬が理想。もう少し思い切った逃げでも面白そうだが、何にせよ早めから仕掛けて持久力勝負に持ち込めれば。
14トーセンカンビーナ
昨年のダイヤモンドステークスは大外を回しながらも長く良い脚を使って3着。今回は屈腱炎明けで久々のレースになるが、ここを目標に丹念に乗り込まれ、悪く無い仕上がりでの登場になりそう。3000m級のレース経験は豊富でスタミナ面は十分。極端な馬体増でなければ。
15ウインキートス
一昨年の目黒記念では斤量・ペースに恵まれたが鮮やかな勝利。昨年も目黒記念、オールカマーと続けて3着も、近2走は好位には付けるも勝負どころからの粘りを欠く結果。今回がラストランのようだし、無事に回ってきてくれれば。
16ベスビアナイト
昨年2月の阪神芝3200m戦は道中インコースで折り合い、直線は渋とい脚で追い比べを制して優勝。オープン入りしてからの3走は着順こそ冴えないが、長距離にしてはそこまで大きく負けておらず、いずれもラストは自分なりの脚は使っている。休み明けの前走も悪くなく、叩き2戦目の今回は前進気配十分。ブリンカー着用で変わってくるか。
前走同様53キロのタイセイモナークが主導権、続いてウインキートス、マリノアズラなどが好位、先団を見る位置にヴェローチェオロ、シルブロン、中団はスタッドリー、ミクソロジー、後方にレクセランス、ヒュミドール。タイセイモナークがある程度後続を放した逃げを打つかも知れないが、各馬折り合いに専念して道中はスローな流れ、3コーナーから徐々に進出し、直線ゴールまでの持久力比べ。長く良い脚を持った馬達の争い。◎11スタッドリーはこれまで2200mまでの経験しか無いが、重賞初挑戦の前走がゴールまで渋とく良い脚を使っていた。距離は一気に伸びるが、折り合いは付くし、バテない持続力のある末脚から距離適性は十分。モレイラ騎手なら勝負どころからラストまでしっかり追ってくれるだろう。○12マリノアズラは格上挑戦になるが、2〜3走前の勝ち馬は後の重賞馬・重賞2着馬、それらにタイム差無しの2着。安定した好位付けが出来るし、2走前の内容から距離適性は高い。前走から更に上昇気配で53キロなら食い込む余地はありそう。▲8レクセランスは前走の万葉ステークスでラストは際立つ伸び脚。長期休養から今回が3走目で更に状態は上がっているだろう。じっくり脚を溜めれそうな枠順も良く、昨年1番人気9着の借りを返す態勢は整った。
以下、5ヒュミドール、2シルブロン、16ベスビアナイト、4ミクソロジー、13タイセイモナーク、3トラストケンシンの順。
馬券は上位評価3頭を中心にした三連複、◎からの馬連流しで買いたいですね。