日本時間8月14日(日曜日)フランス・ドーヴィル競馬場でマイルのGⅠ競走・ジャックルマロワ賞が行われます。
欧州マイル路線の中でも一線級のマイラーが出走して来る非常に権威があるGⅠ競走・ジャックルマロワ賞。
我々日本人としては1998年、日本馬タイキシャトルが優勝したレースとしての認識が強いですよね。
ジャックルマロワ賞は今年で第101回、その長い歴史の中で出走した日本馬は僅か4頭。
1986年ギャロップダイナ(12着)、1998年タイキシャトル(1着)、2003年テレグノシス(3着)、ローエングリン(10着)。
今年挑戦する日本馬バスラットレオンには1998年タイキシャトル以来24年振りの快挙・優勝が期待されます。
地元・フランス、アイルランド各2頭、イギリス4頭、日本1頭の計9頭で争われます。
錚々たる顔ぶれが歴代優勝馬に名を連ねる欧州マイル夏の大一番!/日本馬24年振りの優勝なるか!?
ジャックルマロワ賞は1921年にドーヴィル競馬場で創設、競走名は1920年に死去したドーヴィル競馬協会会長ジャック・ル・マロワ伯爵から。
創設からは3歳限定競走として実施され、1952年に古馬に解放されました。
施行距離はドーヴィル競馬場の直線芝1600m、1940年は第二次世界大戦の影響で中止、1941年~1943年、1945年はメゾンラフィット競馬場の直線芝1600m、1944年はロンシャン競馬場の芝1600mで行われました。
歴代優勝馬にはミエスク、ヘクタープロテクター、スピニングワールド、ドバイミレニアム、ドバウィ、ゴルディゴヴァ、マクフィなど。
現在の欧州マイル路線は、7月のGⅠサセックスステークスでデビューから9戦9勝を飾った無敗の王者バーイードが圧倒的な中心馬。
ワールドレースホースランキングでもレーティング128とトップを獲得しているバーイードですが、先日に10F路線への参入が発表され不在。
更に直前になり、愛2000ギニー馬ネイティブトレイル、独2000ギニー馬マルジュームが出走取消、結局頭数は9頭になりましたが、現3歳マイル王コロエバス、GⅠコロネーションステークスなど6戦5勝のインスパイラル、昨年のGⅠコックスプレート、今年のGⅠプリンスオブウェールズステークスを制したステートオブレストなど、非常に強力メンバーが揃いました。
引き続き日本のバスラットレオンには厳しい戦いになるかも知れませんが、前走で欧州の芝にもある程度の適性は見せましたし、下馬評以上の健闘を期待したいところですね。
※番号は馬番です。馬番とゲート番号は別なのでご注意下さい。
◎4ステートオブレスト
◯9インスパイラル
▲3オーダーオブオーストラリア
△6コロエバス
△1バスラットレオン
アメリカ、オーストラリア、フランス、イギリスと4ヵ国でGⅠ競走を優勝、久しぶりのマイル戦出走になるアイルランドの◎ステートオブレスト。
3歳になり、休み明けを一度叩かれて挑んだアメリカ・GⅠサラトガダービーで重賞・GⅠ初制覇を飾ると、オーストラリア中距離最高峰のGⅠコックスプレート、今季初戦のGⅠガネー賞とGⅠ競走を3連勝。2走前のGⅠタタソールゾゴールドカップは3着に敗れたが、先団を見ながら外で折り合い、直線でアレンカー、ハイディフィニションの2頭をまとめて差し切る勢いを見せ、勝ち馬からクビ差+クビ差の接戦に持ち込む強い競馬。前走のGⅠプリンスオブウェールズステークスでは好スタートからハナを切る展開、日本のシャフリヤールが早め積極的に仕掛けて来たが、自分のペースを守って直線へ向くと他馬を突き放し、ラストは差し脚を伸ばした2着馬ベイブリッジは中々差を詰められず、着差以上・手応え以上の完勝。今回は昨年6月以来のマイル戦になるが、前走のレース振り・血統面・充実した今なら距離は十分に対応出来そうで、脚質にも自在性があり、スタート次第で位置取りを決めれば良いだろう。理想はバスラットレオンを見ながらの2番手追走からの抜け出しか。
GⅠ2勝、前走で連勝は止まったが、6戦5勝と未だ底を見せていないイギリスの3歳牝馬◯インスパイラル。
2歳6月のデビュー戦から重賞初制覇となった9月のGⅡメイヒルステークスまで3連勝、GⅠ初制覇を飾った10月のGⅠフィリーズマイルではスタートし馬群から離れた外目を前に馬を置く位置で折り合って追走、残り300m辺りから馬群に向けて進路を取って仕掛けられると抜け出し、2着馬に2馬身1/2差を付けて完勝。続くGⅠコロネーションステークスは直線で馬群を捌くのに手こずったが、進路を確保すると1頭際立った瞬発力を見せ、2着に4馬身3/4差を付ける楽勝。前走のGⅠファルマスステークスは勝ち馬に1馬身以上の差を付けられて2着に敗れたが、道中から脚をしっかり溜める事が出来ず、少し先頭に立つのも早かった印象で、そこまで悲観する内容では無い。やはり2走前のGⅠコロネーションステークスのパフォーマンスが圧巻で、あの驚異的な瞬発力が再び発揮出来るようなら牡馬の強豪相手でも大きな楽しみが持てる。
一昨年のGⅠブリーダーズカップマイルでは強豪サーカスマキシマムを抑えて優勝、昨年のGⅠジャックルマロワ賞の2着馬▲オーダーオブオーストラリア。
アイルランドの名門・エイダンオブライエン厩舎の所属馬らしく世界の大レースを転戦。一昨年のGⅠブリーダーズカップマイル以来GⅠ勝ちは無いが、何と言っても昨年のGⅠムーランドロンシャン賞では終始バーイードの目標にされる展開で、直線は余裕十分のバーイードに対して想像以上の抵抗を見せて肉薄、惜しくも敗れたが、王者相手に0秒1差のレース振りは十二分の内容だった。今季はGⅠクイーンアンステークス、GⅠサセックスステークスこそ再びバーイードに敗れているが、休み明け2走目のGⅡミンストレルステークスでは連覇を飾る優勝。成績的にはムラはあるが、前走は明らかに直線半ばでは既にジョッキーは手綱を押さえて流していたし、間隔が詰まりながらも今回レースを使って来る辺りは今季4走目でも余力は十分残っているのだろう。バーイードと接戦を演じた実力から優勝しても不思議では無い力はある。
日本馬バスラットレオンは引き続き強豪相手になるが、前走は欧州の馬場にはしっかり対応していたし、3着馬でGⅠ4勝のアルコールフリーと僅差の4着。ここも主導権を取ってどこまで粘れるかだが、後ろに付ける有力馬同士が互いに意識し合って仕掛けが遅れるようなら想像以上の粘りを発揮する可能性はありそう。
馬券はステートオブレスト中心の三連単で買いたいですね。
なお、ジャックルマロワ賞は以下の通りグリーンチャンネルで無料生中継されます。
それでは皆さん、グッドレースを!!