明日、東京競馬場では来年のクラシックを見据えた2歳馬による重賞競走、東京スポーツ杯2歳ステークスが行われます。













2000年の東京スポーツ杯2歳ステークスはタガノテイオーが優勝。







タガノテイオーは父サンデーサイレンス、母カフェドフランスという血統の牡馬。








タガノテイオーは2000年9月にデビュー。


デビュー戦から後のGⅠ馬2頭などが出走する高レベルのメンバーで、タガノテイオーは1番人気に支持されるが、翌年のダービー馬ジャングルポケットにクビ差敗れて2着。



中1週で出走した2戦目でダイイチダンヒル、メジロベイリーを押さえて初勝利を上げる。



GⅢ札幌3歳(旧表記)ステークスではデビュー戦と同じくジャングルポケットに敗れて2着も、3着馬で翌年の牝馬二冠を制するテイエムオーシャンに先着した。




11月、東京競馬場で行われるGⅢ東京スポーツ杯3歳(旧表記)ステークスに出走。


3番人気で出走したタガノテイオーは道中はインコースで脚を溜め、直線に入ると逃げるヒマラヤンブルー、グラスミライの間を割って一気に抜け出す。


外から1番人気ウインラディウスが追い込んで来るが、先頭のタガノテイオーとの差は縮まらない。


最後はタガノテイオーが2着ヒマラヤンブルーに1馬身1/4差を付けて優勝。



12月のGⅠ朝日杯3歳ステークス(現朝日杯フューチュリティステークス)、来年のクラシックへ向けて期待を抱かせる重賞初制覇を飾った。





そして向かえた12月、3歳チャンピオン決定戦、GⅠ朝日杯3歳ステークスに出走。



タガノテイオーは1番人気に支持され、2番人気に2戦2勝のエイシンスペンサー、3番人気は前走1番人気3着からの巻き返しを期すウインラディウス。



レースはカルストンライトオが引っ張り、タガノテイオーは馬群の中団に待機、その直後に内からウインラディウス、外にエイシンスペンサー、地方・岩手のネイティヴハートが位置。



4コーナーに差し掛かり、外から手応え良くネイティヴハートが前を捕まえに行き、その後からエイシンスペンサーもスパート、タガノテイオーはひたすら馬群の真ん中で前が開くのを待つ。


直線に入り、前が開くとタガノテイオーはカルストンライトオ、ネイティヴハートを一気に交わす。


その直後から人気薄のメジロベイリーがタガノテイオーに合わせるようにピッタリ付いて来る。



しかし、残り200m付近でタガノテイオーのスピードが僅かに落ちる。



この時点でタガノテイオーは故障を発生しており、それでもゴールは目の前に迫り、メジロベイリーとの激しい叩き合いが続く。



最後はメジロベイリーが3/4馬身差を付けて優勝。







故障しながらも2着に入線したタガノテイオー。


レース後、左第1指骨骨折の診断が下され、予後は不良、残念ながら安楽死の処置が取られました。



直線でタガノテイオーの故障に気付いていた鞍上の藤田伸二騎手(現引退)がそのまま馬を追った心境は分からないが、異変がありながらもゴールは間近で、尚且つそれがGⅠでの大舞台。


憶測ですが、恐らく直線での藤田伸二騎手は「何とか持ちこたえてくれ」、「我慢してくれ」といった心境でタガノテイオーを追っていたと思われます。




同騎手は「今まで乗った馬の中で最強」、「まともならちぎっていた」と評価しています。




無事だったら翌年、ジャングルポケット、アグネスタキオン、クロフネ、ダンツフレーム、マンハッタンカフェら、ハイレベルな同期達とどんな戦いをしていたのか。



今でもあの朝日杯3歳ステークス、直線でのタガノテイオーの最後の走りは強烈な印象を残しています。





改めてご冥福をお祈りします。










5戦2勝。主な勝ち鞍、GⅢ東京スポーツ杯3歳ステークス、GⅠ朝日杯3歳ステークス2着、GⅢ札幌3歳ステークス2着。



※レース名称は当時の表記です。








発走は15:25です。













翌年のクラシック、現在では年末のGⅠホープフルステークスに向けて非常に重要なレースである東京スポーツ杯2歳ステークス。





昨年は今年無敗の三冠を達成したコントレイルが1分44秒5のレコードタイムで5馬身差を付けて楽勝したのは記憶に新しいですね。





東京スポーツ杯2歳ステークスは過去に3頭のダービー馬など、後のGⅠ勝ち馬を多く輩出してきた出世レースで、来年ようやくGⅡに昇格する事になりました。






今年も今後が非常に楽しみな馬、高いパフォーマンスでデビュー戦を勝ってきた馬が登場。



この中から来月の2歳GⅠ、来年のクラシックで活躍する馬が出てくる可能性は高いですし、大注目のレースです。











それでは東京スポーツ杯2歳ステークスの予想を紹介します。


評価順で。






◎3ダノンザキッド

○10ジュンブルースカイ

▲7ヴェローチェオロ

△1ドゥラヴェルデ

△4レインフロムヘヴン

△6プラチナトレジャー







本命はダノンザキッド。


GⅠ宝塚記念当日の阪神芝1800m戦の新馬戦では好スタートから好位~中団でしっかり折り合い、4コーナー手前で軽く仕掛けられると一気に加速し、後は終始持ったままで楽勝。



直線に入った辺りで、内に寄れて他馬を煽った感じも、それを差し引いても能力が違った印象。



2着のワンダフルタウンはその後、未勝利戦を8馬身差の圧勝、続くL萩ステークスでも1番人気で僅差の3着と将来有望な馬で、その馬に対して馬なりで決定的な3馬身差は早くも大物感を漂わせる。



これから更に良化・成長してくる馬だが、現時点でも若い気性さえ出し過ぎなければここは通過点か。
















対抗はジュンブルースカイ。


メンバー中4頭出走のドゥラメンテ産駒の1頭で、成績的にL萩ステークス2着と実績上位の評価が出来るジュンブルースカイ。



中京芝2000mのデビュー戦を1番人気に応えて優勝、続くL萩ステークスでは直線で荒れたインコースを通りながらも上がり最速タイの脚で勝ち馬に半馬身差の2着。



シュヴァリエローズには敗れたが、素質馬ワンダフルタウンに先着した事から、ジュンブルースカイの能力は世代水準以上の物があると評価出来る。



持続した脚を使える印象の馬なので、広い東京コースは合いそうで、外枠も道中の折り合いさえしっかり付ければ外差しが効いている今の東京では有利。


















ヴェローチェオロは豊富なキャリア、相手なりに堅実に走ってくる印象の馬。



前走はコース取りの差はあったが自分の脚はしっかり使って健闘。


ロス無くスムーズに、直線外のポジションに持って行ければ面白い。

















馬券はダノンザキッド中心の三連単で買いたいですね。