明日、阪神競馬場で秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップが行われます。









2002年のマイルチャンピオンシップはトウカイポイントが優勝。






トウカイポイントは父トウカイテイオー、母マッチポイントという血統のセン馬。







トウカイポイントは1998年5月、地方・岩手競馬でデビュー。


デビュー4戦目11月の盛岡競馬場芝1000m戦で初勝利を上げると、JRA中山に遠征してのひいらぎ賞(現1勝クラス)で上がり最速タイの脚を使って僅差の4着と健闘する。



次戦からJRAへ転入、徐々に力を付けて1999年11月に2勝目を上げる。



2000年、芝の長い距離を使われて900万(現2勝クラス)で3、2着と良い走りを見せると、4月には格上挑戦の準オープン・湾岸ステークスで10番人気ながら優勝する。



9月には札幌芝2600mのオープン特別・札幌日経オープンでも2着に入る。



その後降級し、しばらく勝てない時期はあったが、2001年秋に気性の改善を図るべく去勢されると、条件特別を連勝、再びオープン入りを果たす。



続けて出走した父内国産馬限定重賞・GⅢカブトヤマ記念(現廃止)では1番人気に支持され、惜しくも2着に敗れるが、重賞にも手が届く力を見せた。







帝王に捧げるGⅠタイトル








2002年に年が明け、GⅢ中山金杯、白富士ステークスと敗れ、GⅡ中山記念に出走。



近2走の敗戦から、8番人気と評価は低かったが、中団で脚を溜めてレースを進めると、直線では外から伸びるトラストファイヤーと馬体を併せての叩き合いになるが、これを最後はクビ差押さえて優勝。



GⅡ中山記念で初の重賞制覇を飾ったトウカイポイントは上半期の総決算、宝塚記念で初のGⅠ出走を果たすが、ダンツフレームの10着に敗れる。



8月、10番人気と低評価のGⅡ札幌記念で2着となり、秋はマイルの重賞・GⅢ富士ステークス(現GⅡ)に出走。



しかし、GⅢ富士ステークスでは直線でまともに追えない大きな不利を受け、5着と不完全燃焼に終わる。





それでも陣営は確かな手応えを持って11月のGⅠマイルチャンピオンシップへ出走させる。


GⅠマイルチャンピオンシップでは前走の敗戦からノーマークと言える11番人気。




ミデオンビットがハナを切る展開を、トウカイポイントは1番人気アドマイヤコジーンを見る形で中団の位置。


道中は馬群で脚を溜めて抜け出すタイミングを図る蛯名正義騎手とトウカイポイント。


4コーナーを回って直線に入ると逃げるミデオンビットを馬場の真ん中に持ち出されたトウカイポイントが一気に交わす。



アドマイヤコジーンは伸びを欠き、外からエイシンプレストン、テレグノシス、内からリキアイタイカンなどが一斉に抜け出したトウカイポイントに迫るが、最後はトウカイポイントが凌ぎ切って優勝。



上位からクビ・ハナ・クビ・アタマの大接戦だったが、トウカイポイントは偉大な父トウカイテイオーに産駒初のGⅠタイトルを捧げた。






続くGⅠ香港マイルでは勝ち馬から0秒1差の3着と善戦する。



しかし、年が明けた2003年初戦のGⅡ中山記念で競走中止。



最悪の事態は免れたが、右前浅屈腱不全断裂を発症し競走能力を損失、引退する事になりました。
















37戦7勝。主な勝ち鞍、GⅠマイルチャンピオンシップ、GⅡ中山記念、GⅡ札幌記念2着、GⅢカブトヤマ記念2着。









発走は15:40です。













GⅠホース8頭という超豪華メンバーが揃った今年のマイルチャンピオンシップ。





春のマイルGⅠ安田記念ではグランアレグリアがアーモンドアイを突き放す強い競馬で優勝、秋のGⅠスプリンターズステークスも後方から一気の差し切りで優勝と、新たな短距離~マイルのトップホースと言っても過言ではない存在。




GⅡ毎日王冠を楽勝した3歳路線No.2サリオスとグランアレグリアの2強ムードが漂うも、昨年のマイル王インディチャンプ、香港マイルなどGⅠ3勝のアドマイヤマーズ、他にもGⅠ勝ちが無い馬にも強豪が多く、文字通りマイルの王者を決めるにふさわしい好メンバー。





今年は阪神競馬場でのマイルチャンピオンシップですが、今開催の阪神芝コースは2歳戦でもレコードタイムが出るなど非常に高速決着が目立ちます。




土曜日のレースを見る限り、週中の雨、開催が進んで少し時計は掛かり加減になってきたとはいえ、ある程度の持ち時計は必要と思われます。







距離は全く違いますが、先週のGⅠエリザベス女王杯では大外枠に入ったラッキーライラックが優勝。


鞍上のルメール騎手は、道中は前に馬を置いて溜めを効かせての好騎乗で優勝と、やはり終始外を回しては今の馬場では相当力がある馬でないと、中々1着を取るのは難しいでしょうね。



外枠の馬でも上手く立ち回る事が出来れば軽視は出来ませんが、やはり内目でロス無く脚を溜めれる馬は有利でしょう。












それではマイルチャンピオンシップの予想を紹介します。


評価順で。







◎7アドマイヤマーズ

○8インディチャンプ

▲4グランアレグリア

△17サリオス

△2レシステンシア

△6ラウダシオン

△11スカーレットカラー

△14サウンドキアラ

△15ペルシアンナイト







本命はアドマイヤマーズ。


朝日杯フューチュリティステークス、NHKマイルカップ、香港マイルと、マイルのGⅠ3勝のアドマイヤマーズ。



GⅠ朝日杯フューチュリティステークス、GⅠNHKマイルカップとグランアレグリアを2度負かしている実力、これまでの実績を考えればこの豪華メンバーでも上位の評価がされて当然の馬。



1600mの持ち時計は東京での1分32秒3だが、この時は稍重で、良馬場なら1分31秒台をマークしていた可能性は十分にあり、少し時計の掛かり出した今の阪神なら対応は出来るはず。



極端な瞬発力勝負になると不安な面はあるが、これも内枠に入ったレシステンシアのハナが濃厚で、この馬はある程度速いペースで逃げてこそ持ち味が生きるタイプで、アドマイヤマーズにとって少し上がりが掛かる展開を作ってくれそうなのは非常に良い。



休み明けの前走GⅡスワンステークスは初の1400m戦、余裕のある仕上げ、58キロでも力を示す強い3着。



今回は一度叩いた上積み、8戦6勝のマイル戦、朝日杯フューチュリティステークスを制した同じ舞台設定と好走条件は十分に揃った。



配当妙味的にも頭までの期待を懸けたいし、その可能性は十分にある。
















対抗はインディチャンプ。


昨年のGⅠマイルチャンピオンシップの優勝馬で、連覇が懸かるインディチャンプ。



グランアレグリアが今年のGⅠ安田記念でアーモンドアイをちぎって優勝し、一気に評価が上がった感じだが、インディチャンプも昨年のGⅠ安田記念でアーモンドアイを負かして優勝。



秋にはGⅠマイルチャンピオンシップを優勝し、マイルGⅠ春秋制覇を達成、最優秀短距離馬に選出されたように、この馬も日本のマイル界を背負っている1頭。



芝1600mはメンバー最多の7勝、1分30秒9の持ち時計もメンバー中最速のタイム。



阪神コースでは(2・1・1・1)と得意で、休み明けだが鉄砲成績も(1・0・1・1)と苦にしない。



陣営からは春より動きが良くなったとのコメントがあり、追い切りも非常に良い動きを見せているように、GⅠスプリンターズステークスを使わなかった事が逆に好転している印象。



持ち時計はあるが、これまでの成績が示す通り馬場状態は不問で、自在な立ち回りが出来る馬。



マイル王の座は、まだまだ新興勢力に譲れないところだろう。

















グランアレグリアは桜花賞、安田記念とマイルGⅠ2勝に加え、1200mのスプリンターズステークスも制してGⅠ3勝目をマーク。



既に日本の短距離~マイルでトップホースの評価すらされているグランアレグリア。



ただ、近4走の成績上の着順は安定しているが、その反面、GⅠ高松宮記念、特に前走のGⅠスプリンターズステークスは勝つに勝ったが、出負けからの大外を回しての競馬と、内容自体は安定しているとは言い難い。



確かにGⅠスプリンターズステークスでの追い込みは次元が違う脚だったが、モズスーパーフレアが速いペースで飛ばして大きく展開が向いたのは事実。



潜在的能力は一番高そうで力は認めるが、単勝オッズほどの絶対視は禁物か。


















馬券はアドマイヤマーズ中心の馬単、三連複で買いたいですね。