JBC競走の興奮冷めやらぬ明日、園田競馬場では3歳限定地方全国交流1400mの重賞競走、楠賞が行われます。


昨年の楠賞は北海道のリンゾウチャネルが優勝。
楠賞の前身は、かつて行われていたアングロ・アラブ系競走馬による全国交流競走、楠賞全日本アラブ優駿競走。
長く兵庫県競馬最大のレースとして親しまれてきた楠賞全日本アラブ優駿も、アラブ系競走馬の廃止に従ってサラブレッド系重賞になり、距離や競走条件などが変更、一時は休止されていましたが、2018年より、1400mの3歳限定地方全国交流重賞として再開されました。
発走は16:00です。
地元・兵庫7頭、船橋、川崎、浦和、名古屋、笠松各1頭の計12頭で争われます。
優勝賞金が昨年の1000万円から今年は2倍の2000万円!という高額になった楠賞。
今年度は兵庫で行われる重賞競走の賞金が大きく増額され、兵庫ダービー、兵庫大賞典も2000万円、園田金盃に至っては3000万円という、レースによってはダートグレード競走を上回る高額賞金になりました。
楠賞も流石にここまでの賞金額になると、当然というか、他地区の強豪、特に南関東所属馬にとっても魅力的で、今年の楠賞は非常に豪華なメンバーが遠征して来ました。
ご存知、川崎のヴァケーションは昨年のJpnⅠ全日本2歳優駿の優勝馬、浦和ティーズダンクも戸塚記念優勝、東京ダービー、ダービーグランプリでの3着馬、東海ダービーなど重賞5勝の笠松ニュータウンガール、圧勝続きの6戦無敗馬の船橋サロルンと、ここまでのレベルの馬が園田に遠征して来るとは・・・
迎え撃つ地元・兵庫所属馬も兵庫ダービー馬ディアタイザン、重賞5勝のステラモナークを初めとする選りすぐりの大変強力なメンバーが揃いましたが、地元勢にとっても出走枠に入る事自体も困難だったようで、JpnⅡ兵庫チャンピオンシップ4着など兵庫三冠で好走したピスハンドあたりでさえ除外される事に。
まあ、それだけ魅力的な重賞競走で、短距離適性の高い3歳馬にとっては秋の貴重な全国区3歳限定重賞で、いわば〝地方競馬の短距離版ダービー〟とも言えますね。
2000万円を懸けて熱いガチンコ勝負が期待出来そうです。
それでは楠賞の予想を紹介します。
評価順で。
◎9ティーズダンク
○8ステラモナーク
▲12ニュータウンガール
△6ヴァケーション
△5ディアタイザン
△3サロルン
本命はティーズダンク。
南関東・浦和競馬所属馬で、南関東3歳クラシック戦線では羽田盃4着、東京ダービー3着と上位争い、秋になっても戸塚記念優勝、ダービーグランプリ2着と、ハイレベルな相手・レースで力を見せている実力馬。
本来は中距離がベストと思うが、ホッカイドウ競馬在籍時には1200m戦で優勝しており、ある程度距離の融通は効きそう。
そして何より魅力的なのは展開で、メンバーを見渡すと船橋サロルン、兵庫ダービー馬ディアタイザン、快速ステラモナーク、他にも前掛かりなタイプが非常に多く、後方から末脚を生かすタイプのティーズダンクにとっては展開が大きく味方しそう。
初の園田コースになるが、川崎・浦和の小回りコースを経験しているようにそこまで気にはならない。
JBC競走に選定されていたが、それを蹴っての園田・楠賞遠征だけに、それなりに高い勝負気配を感じる。
対抗はステラモナーク。
地元兵庫が誇る快速3歳牝馬で、菊水賞など5つの重賞タイトルを保持。
今年に入って崩れたのは5月ののじぎく賞5着のみで、距離が長いと言われていた兵庫ダービーでは2着と戦前の評価を覆す走りを見せた。
園田オータムトロフィーでは、後に古馬相手の重賞・兵庫クイーンカップで好走したユウキラフェールを4馬身ちぎって優勝、後の兵庫ダービー馬ディアタイザンにも菊水賞で完勝しているように、総合力は牡馬牝馬合わせても兵庫3歳最強の評価すら出来る馬だろう。
前走の名古屋・秋の鞍では川崎のヴァケーションに差し切られたが、今度はステラモナークにとって地元の園田コース。
ヴァケーションはコーナーで大きく外に膨らみながらの勝利で強さは認めるが、今度は名古屋よりコーナーがキツい園田になり、園田でも前走同様に外に膨らむようなら前走の着差は十分に逆転出来るはず。
同型が多いメンバーは気になるところだが、兵庫ダービーのように控えても好結果を残しているので、ある程度好位からの競馬も出来るだろう。
笠松ニュータウンガールは昨年11月から今年6月の東海ダービーまで重賞5勝を含む6連勝を上げた東海3歳最強とも言える存在。
連勝が止まってからも良いレースをしており、前走はスタートしてから他馬と接触、終始インコースに入って気分を害してしまった感じの敗戦で、これまでの実績から当然見直しは必要な馬だろう。
園田1400mで有利な8枠から気分良く好位を取れそうで、前走からの巻き返しを期待したい。
馬券はティーズダンク中心の三連単を考えています。
