明日、東京競馬場で春のマイル王決定戦、安田記念が行われます。









1997年の安田記念はタイキブリザードが優勝。






タイキブリザードは父シアトルスルー、母ツリーオブノレッジという血統の牡馬。






タイキブリザードは1994年2月にデビュー。

デビュー戦、500万(現1勝クラス)とダートで連勝、重賞でもGⅢ毎日杯、GⅢラジオたんぱ賞、GⅢ函館記念いずれも2着と健闘。



年が明けて1995年、オープン特別の谷川岳ステークス(現リステッド競走)を勝利すると、続くGⅠ安田記念では先行し、ラストまで渋とく粘り、6番人気ながらハートレイク、サクラチトセオーに次ぐ0秒1差の3着に入る。



上半期のグランプリ・GⅠ宝塚記念でもスピードを生かした先行する競馬で、ダンツシアトルには敗れたが、猛追するエアダブリンを凌いで2着と健闘した。



重賞未勝利ながらGⅠで好走を続けるタイキブリザードは、秋もGⅠジャパンカップ4着、年末のグランプリ・GⅠ有馬記念もマヤノトップガンの2着に入る。



1996年になり、悲願の重賞制覇を目指して阪神競馬場のGⅡ産経大阪杯(現GⅠ大阪杯)に出走。


1番人気に支持されたタイキブリザードは道中抑えきれない手応えで先行、4コーナーを回り直線に入ると、抜け出し、ラストはインターユニーク、アラタマワンダー、ダンスパートナーに詰め寄られるが優勝、これまでの実績を考えれば遅過ぎるとも言える重賞初制覇を飾った。



続くGⅡ京王杯スプリングカップ2着を叩いて、目標のGⅠ安田記念に出走、直線でヒシアケボノを競り落とし、外から解き放たれた矢のように伸びて来たトロットサンダーとの追い比べになるが、ハナ差交わされて無念の2着に終わる。






世界の洗練







タイキブリザードは父がアメリカの名馬シアトルスルー、半兄にGⅠブリーダーズカップ・ターフなどを制したシアトリカルという世界に誇る超良血馬で、更に管理する藤澤和雄調教師、主戦の岡部幸雄騎手ともに海外の競馬に対して早くから高い目標を持っていた事もあり、タイキブリザードの血統的な期待もあり、日本馬として初のブリーダーズカップ挑戦が実現する。



この年はカナダ・ウッドバイン競馬場で実施された複数のカテゴリーのGⅠ競走が行われるアメリカ競馬の祭典ブリーダーズカップデー。



その中でタイキブリザードが出走するのはメインのダート2000mのGⅠブリーダーズカップ・クラシック。

GⅠ競走11連勝中の当時世界最強と言われたシガーとの対戦も大きな注目を集めたが、タイキブリザードは道中から追走するのが精一杯で、勝ち馬アルファベットスープから26馬身以上離された大差のシンガリ負けに終わった。



屈辱的な敗戦から年が明けた1997年、始動戦のGⅡ京王杯スプリングカップをレコードタイムで勝利したタイキブリザードは悲願のGⅠ制覇を目指し、GⅠ安田記念に出走。


GⅠ安田記念では1番人気に支持されたタイキブリザードはいつもとは違い中団に待機して脚を溜める。


直線に入ると抜け出したジェニュインを交わし、追い込んで来た3歳馬(旧4歳)スピードワールド、外国馬アマジックマンなどを押さえて優勝、念願のGⅠタイトルを手にする。



続くGⅠ宝塚記念は4着、そしてタイキブリザードはブリーダーズカップを目指して再び海外に挑戦する。



ブリーダーズカップへ向けての前哨戦として10月の芝のGⅢオークツリーブリーダーズカップマイルハンデキャップに出走し、僅差の3着と健闘。


叩き台のレースとはいえ、3着と善戦した事により、昨年以上の期待を持ってハリウッドパーク競馬場で行われたGⅠブリーダーズカップ・クラシックに再挑戦。


しかし、中団のまま勝負どころでは先団に離され、9頭立ての6着、優勝馬スキップアウェイからは23馬身以上離され、完敗に終わった。



帰国後は年末のグランプリ・GⅠ有馬記念に出走するが9着に終わり、これが引退レースになりました。











23戦6勝。主な勝ち鞍、GⅠ安田記念、GⅡ産経大阪杯、GⅡ京王杯スプリングカップ、GⅠ有馬記念2着、GⅠ安田記念2着、GⅠ宝塚記念2着、GⅡ京王杯スプリングカップ2着、GⅢ函館記念2着、GⅢ毎日杯2着、GⅢラジオたんぱ賞2着。







発走は15:40です。








GⅠホース10頭が顔を揃え、超豪華メンバーとなった今年の安田記念。



GⅠホース10頭中8頭がマイルのGⅠウイナー、更に最強牝馬アーモンドアイと3歳で香港マイルを制したアドマイヤマーズや桜花賞馬グランアレグリア、未完の大器ダノンキングリーの初対戦、復権・復活を目指す馬など非常に見所満載なレースになりました。




そして一番の注目がJRAGⅠ8勝の新記録が懸かるアーモンドアイ。


昨年はインディチャンプ、アエロリットに先着され、3着に敗れた安田記念でその記録が懸かりますが、ドバイ国際競走中止など、予定が狂いながらの出走となった前走のヴィクトリアマイルを楽勝。



改めて強さを再認識させられたレースで、この豪華メンバーでも不安らしい不安が無いようにすら感じますね。




過去10年の安田記念での1番人気馬の優勝は僅か3回。


この壁を破って新記録達成となるか注目です。








それでは安田記念の予想を紹介します。

評価順で。






◎5アーモンドアイ
○1ダノンプレミアム
▲2ダノンキングリー
△3ノームコア
△6インディチャンプ
△9アドマイヤマーズ
△11グランアレグリア







本命はアーモンドアイ。


これまで牝馬三冠、ジャパンカップ、天皇賞・秋、クラシック、ドバイターフ、ヴィクトリアマイルとGⅠ競走歴代最多タイの7勝を誇る最強牝馬アーモンドアイ。


マイル戦だけでもこれまで(4・0・1・0)、唯一3着に敗れた昨年の安田記念では高速馬場を後方追走、直線でスムーズさを欠きながらもスペースが開くと猛追、上がり最速32秒4という驚異的な末脚を繰り出し、明らかに1、2着馬より強い競馬をしていた。


崩れたのは2500mの有馬記念のみで、予定していたドバイ国際競走中止で予定が狂った中での前走ヴィクトリアマイルは余力十分で楽勝、もう少し追っていればレコードタイムを記録していただろう。


今回は超豪華メンバーが揃っての安田記念になるが、好位からでも驚異的な脚を使える馬で、昨年と違って枠順も絶好。


東京コースは庭と言える舞台で、新記録達成は極めて高いだろう。












対抗はダノンプレミアム。



(2017年・朝日杯フューチュリティステークス出走時)



2歳時に驚異的なパフォーマンスでGⅠ朝日杯フューチュリティステークスを楽勝、3歳時のGⅡ弥生賞優勝まで無敗で進んだ大器ダノンプレミアム。


4歳初戦になったGⅡ金鯱賞では後にGⅠコックスプレート、GⅠ有馬記念を楽勝するリスグラシューを下し、GⅡマイラーズカップではインディチャンプ、モズアスコットを寄せ付けず優勝と、未だGⅠ1勝馬というのが不思議と感じさせる能力を持った馬。


昨年のGⅠ安田記念はパドックからテンションが高く、力を出せないまま16着に大敗したが、この馬のポテンシャルを考えれば明らかに度外視出来る着順。


その証拠に、秋のGⅠ天皇賞・秋、GⅠマイルチャンピオンシップともに2着と改めて力を見せている。


前走のオーストラリア・GⅠクイーンエリザベスステークスでは重たい馬場に手こずりながらも3着と、レース内容は決して悪くは無く、この馬の評価を下げる必要は無いだろう。


インコースの好位で脚を溜め、早めに仕掛ける形を取れればアーモンドアイを手こずらせるシーンも。












ダノンキングリーは昨年のGⅠ皐月賞3着、GⅠ日本ダービー2着と、ともに勝ち馬からタイム差無しの僅差勝負を演じた世代トップクラスの1頭。


秋のGⅡ毎日王冠では古馬の強豪相手に最後方から上がり最速の脚を繰り出して3歳馬ながら優勝、今年のGⅡ中山記念でも豪華メンバー相手に優勝と間違いなくGⅠ級の能力を持っている馬だろう。


先行・差しと自在な立ち回りが出来る馬だが、前走のGⅠ大阪杯では不可解とも言える逃げを打つ競馬。


それでも優勝馬ラッキーライラックから0秒1差の3着と改めて自在性は証明した。


いつGⅠタイトルを取っても不思議ではない馬で、無冠の大器のニックネームを返上するチャンスは十分にありそう。












馬券はアーモンドアイ中心の三連単フォーメーションで買いたいですね。