本日いよいよ2019年最後のGⅠ競走、ダートのグランプリレースである東京大賞典が大井競馬場で行われます。
1999年の東京大賞典はワールドクリークが優勝。
ワールドクリークは父マジックミラー、母ケイシュウハーブという血統の牡馬。
ワールドクリークは1998年1月の京都競馬場でデビューするが16着と大敗。
しかし、2戦目で9番人気ながら1着となり、初勝利を上げる。
続いて出走した芝のフリージア賞は11着になるも、昇級3戦目の中京ダート1700m戦で2勝目を上げる。
その後、900万(現2勝クラス)に昇級してからは中々勝ち切れないレースが続き、この年の12月にようやく3勝目を上げる。
昇級初戦の1600万(現3勝クラス)では3着と上々な走りを見せる。
快進撃からGⅠ制覇~ドバイへ
年が明けて1999年、準オープンで惜しい競馬が続いていたワールドクリークはクラス再編成により再び900万(現2勝クラス)に降格する。
しかし、すぐに900万(現2勝クラス)で1着、再度昇級した準オープン戦も初戦で優勝、賞金の関係で再び出走した準オープン戦も優勝と3連勝で一気にオープンクラスに上がる。
昇級初戦のオープン特別・トパーズステークスではダート界の強豪であるウイングアローなどを下して見事優勝、4連勝を飾る。
12月、ダートのグランプリレース、年末に大井競馬場で行われる東京大賞典にワールドクリークは選出される。
この年の東京大賞典は無敵の強さを誇っていた岩手・水沢のメイセイオペラが登場、中央からはダートの女傑ファストフレンド、ダート重賞の常連オースミジェット、地元・大井からはこの年の南関東重賞3勝を上げているゴールドヘッドなどが出走。
4連勝の勢いを買われてか、ワールドクリークは初の大舞台ながら4番人気の支持を受けてレースを向かえる。
レースは地元の期待ゴールドヘッドがハナを切る、2番手にサプライズパワー、好位にマキバスナイパー、メイセイオペラが続き、ファストフレンド、ワールドクリークは中団後方から。
3、4コーナー中間でファストフレンドが良い手応えで3番手の外へ、インコースで脚を溜めるマキバスナイパーが4番手、メイセイオペラは手応えが怪しく後退気味。
メイセイオペラが下がった内からワールドクリークが外に持ち出して直線へ。
ゴールドヘッドが粘るが、手応え良くファストフレンドが先頭に立つ、その外から一杯に追ってワールドクリークが襲い掛かる、インコースからはマキバスナイパーが伸びて来る。
メイセイオペラは完全に圏外になり、ファストフレンドが抜け出すが、エンジンが掛かったワールドクリークが僅かに半馬身前に出たところでゴール。
見事5連勝で年末ダートの大一番、東京大賞典を優勝。
年が明けて2000年初戦、川崎記念に2番人気で出走するが6着に敗退。
川崎記念の後、ワールドクリークはダート世界No.1決定戦であるUAE・ドバイワールドカップに日本代表馬として選出される。
レースは地元・UAE、ランフランコ・デットーリ騎手鞍上のドバイミレニアムが圧巻のパフォーマンスで優勝、後方から追い込んだワールドクリークはドバイミレニアムから大きく離されたが6着と健闘した。
9月、船橋・日本テレビ盃で復帰したが9着、その後もマイルチャンピオンシップ南部杯10着、ジャパンカップダート7着、連覇が懸かった東京大賞典でも14着と、連勝時の勢いが嘘のような惨敗を繰り返した。
2001年になっても調子は戻らず、相手の軽いオープン特別で3着に来るのがやっとになり、2002年3月のマーチステークス11着を最後に地方・佐賀競馬に移籍する。
佐賀競馬で7戦したが未勝利に終わり、今度は同じ九州の荒尾競馬(現廃止)に移籍する。
荒尾競馬では久しぶりに強い内容で8戦して6勝、2004年3月には当地の重賞競走である大阿蘇大賞典を優勝。
しかし、脚部不安を発症し、大阿蘇大賞典優勝を最後に引退、長野県のスエトシ牧場で余生を過ごしていましたが2013年7月に亡くなりました。
ワールドクリークは長く条件クラスをうろうろしていましたが、一気に覚醒して東京大賞典まで5連勝。
そしてドバイワールドカップに挑戦。
結果6着に敗れ、帰国後は低迷して地方競馬に転厩しましたが、世界的名馬ドバイミレニアムと同じ舞台で走れた事はワールドクリークにとって非常に誇れる事だったのではないでしょうか。
異父の弟スマートファルコンの大活躍によって忘れられた存在だったワールドクリークの名前がちらほら出るようになりましたが、あくまで大方の印象は〝スマートファルコンの兄〟
しかし、最後にたどり着いた荒尾競馬場でのワールドクリークの走りは東京大賞典を制し、ドバイワールドカップを走った馬の最後の意地をアピールしているかのように感じましたね。
そんなワールドクリークは2013年7月に18歳で亡くなりました。
好きな馬でした。安らかに眠って下さい。
発走は15:40です。
JRA7頭、地元・大井6頭の計13頭で争われます。
東京大賞典はダート競馬の1年を締めくくる競走で、2011年に国際GⅠの格付けがされた正真正銘〝今年最後のGⅠ競走〟
国際GⅠですが、外国馬は2014年に参戦したソイフェット以来出走はありませんが、日本ダート界の総決算という事で、毎年非常にハイレベルなメンバーが揃う一戦。
クリソベリル、ルヴァンスレーヴなどは不在も、今年出走して来たJRA勢は昨年の東京大賞典の1~3着馬をはじめ非常にハイレベル。
そして今年は南関東・地方競馬ファンにとっては何と言ってもこの馬へ対する期待が大きいのではないでしょうか?
2005年アジュディミツオー以来の東京大賞典地方勢優勝が期待される大井のモジアナフレイバー。
モジアナフレイバーは久々に登場したJRAダートトップクラスとも互角に渡り合える逸材。
東京大賞典を制した地方馬はアジュディミツオー(船橋)、トーホウエンペラー(水沢)、アブクマポーロ(船橋)と、自分の見てきた競馬歴の中でも僅か3頭。
モジアナフレイバーはそれら偉大な先輩に続く事が出来るか?
注目です。
それでは東京大賞典の予想を紹介します。
評価順で。
◎5モジアナフレイバー
○12ゴールドドリーム
▲2ケイティブレイブ
△9オメガパフューム
△10ノンコノユメ
△7ロンドンタウン
△13ロードゴラッソ
本命はモジアナフレイバー。
3歳だった昨年、勝島王冠を制して挑んだ東京大賞典はオメガパフュームから2秒2離された9着に敗れたが、今年は大井記念を優勝、続く帝王賞ではオメガパフュームから1秒1差の5着と健闘した。
そしてオーナーの〝強い相手と戦って更に成長して欲しい〟との想いから地元・南関東の重賞競走には目もくれず、JRA馬相手の盛岡・マイルチャンピオンシップ南部杯に挑戦。
初の長距離輸送、初コースながらレースでは4コーナーでは持ったままで直線へ向き、JRA勢3頭を相手に接戦を繰り広げて4着、優勝馬サンライズノヴァからは0秒6差、3着馬ゴールドドリームとは僅か0秒1差と大きく進化した姿を見せた。
前走、東京大賞典を見据えた前哨戦の勝島王冠では58キロの斤量ながら肩ムチを軽く入れた程度で余力残しの楽勝、圧倒的1番人気に応えて同競走を連覇。
今年の帝王賞、マイルチャンピオンシップ南部杯とJRAのGⅠ/JpnⅠ級相手に着実に差を詰めて未だ進化している馬で、この2戦の内容から現在の地方競馬では最強馬の評価が出来る馬。
今なら昨年の東京大賞典1~3着馬相手でも食い込みはもちろん、頭の可能性すら感じさせる。
気持ち的には2005年以来の地方勢優勝の期待を込めたい。
対抗はゴールドドリーム。
これまでGⅠ/JpnⅠで5勝の実績を誇るダート界の強豪で、前走のチャンピオンズカップでは3歳で圧倒的な強さを見せたクリソベリルには敗れたが改めて強さを示す2着。
コース、距離など条件を問わず結果を出して来た馬で、昨年の東京大賞典でもオメガパフュームの2着と確実に自分の能力を出して来る。
年内引退の話はあったようだが、来年新たに創設された優勝賞金11億円という世界最高賞金競走のサウジカップ(サウジアラビア・GⅠダート1800m)に選出されれば遠征する意向を表明しており、その為には国内ラストになる今回も悪い競馬は出来ないところ。
ケイティブレイブは昨年の川崎記念、JBCクラシックの優勝馬。
川崎記念2着の後に遠征したドバイでは疝痛により、ドバイワールドカップを回避、開腹手術をするという大事に至ったが、無事に回復。
10ヶ月振りの前走浦和記念は不安は大きかったが、改めてダートトップクラスの力を見せる楽勝。
予定通り東京大賞典に照準を合わせて来た感じで、前走に続いて御神本騎手が手綱を握るのも魅力的。
昨年優勝馬オメガパフュームは今年の帝王賞優勝、苦手と言われた左回りのJBCクラシックでも勝ちに等しい2着とダートトップクラスの馬である事に何の疑いようはない。
前走のチャンピオンズカップは案外な結果に終わったが、不振が囁かれる鞍上ミルコ・デムーロ騎手にとっては久しぶりにGⅠで優勝が狙える可能性がある馬への騎乗でかなり力が入るレースになるだろう。
馬券はモジアナフレイバー中心の三連単で相手はJRAの3強を本線に買いたいですね。
それでは皆さん、今年最後のGⅠ競走、グッドレースを!!



