明日、東京競馬場で国際招待GⅠ競走・ジャパンカップが行われます。



2002年東京競馬場改修工事の為、中山競馬場で行われたジャパンカップはイタリアのファルブラヴが優勝。
ファルブラヴは父フェアリーキング、母ギフトオブザナイトという血統の牡馬。
2000年イタリア・サンシーロ競馬場のデビュー戦を優勝、GⅡグイドベラルデリ賞2着、年が明けて2001年の初戦を優勝、準重賞2着の後に出走した伊ダービーは2着。
休み明けの一般戦を優勝、準重賞3着を挟んで再び一般戦を優勝するが、結局重賞タイトルには縁がないまま2歳・3歳時を終える。
2002年4歳初戦の一般戦を楽勝、勢いに乗ってGⅠ共和国大統領賞を見事優勝し、重賞初制覇をGⅠ競走で飾る。
続いて出走したミラノ大賞典も3馬身差を付けて勝利し、GⅠ競走を連勝、一気に本格化したファルブラヴはイタリアの代表馬として欧州最高峰の凱旋門賞を目標に定める。
世界NO.1ジョッキーとジャパンカップ
秋になり、凱旋門賞を目指して前哨戦のフォワ賞に出走、前年の凱旋門賞2着馬アクアレリストの前に敗れて3着、本番の凱旋門賞でもロンシャンの深い馬場が合わなかったのか9着と大敗。
この後、陣営は軽い芝が合うとの判断で日本のジャパンカップ出走を表明する。
2002年11月24日、この年のジャパンカップは東京競馬場が改修工事の為、中山競馬場芝2200mで実施された。
出走馬は日本馬9頭に外国馬7頭の計16頭。
日本馬は天皇賞馬シンボリクリスエス、前年のジャパンカップ、日本ダービーを制したジャングルポケット、ダービー馬アグネスフライト、二冠馬エアシャカール、二冠牝馬テイエムオーシャン、菊花賞馬ナリタトップロード、皐月賞馬ノーリーズンなど。
外国馬にはイギリスからゴーラン、ストーミングホームの2頭、香港・インディジェナス、アイルランド・イリジスティブルジュエル、アメリカ・サラファン、フランス・ブライトスカイ、イタリア・ファルブラヴと非常に豪華なメンバー。
1番人気はシンボリクリスエス、2番人気にナリタトップロード、3番人気はジャングルポケットと上位は日本馬が占め、イタリアのファルブラヴは豪華メンバーの顔ぶれに隠れた形で9番人気と低い評価。
レースはマグナーテンが日本・世界の強豪を引き連れてハナを取る。
2、3番手にイリジスティブルジュエル、ゴーラン、内にインディジェナス、ファルブラヴは先団の真ん中を進み、それらを見る形でサラファン、シンボリクリスエスが続く。
エアシャカール、ジャングルポケットは後方から。
3、4コーナーの中間地点、マグナーテンが逃げるが徐々にテイエムオーシャン、ナリタトップロードなどの有力各馬が先団にプレッシャーを掛け始める。
直線に入り、マグナーテンが粘るが外からシンボリクリスエス、ジャングルポケットが追い込んで来るが、馬場の真ん中からファルブラヴが先頭に立つ、それを目掛けて内からはサラファンが凄い末脚。
マグナーテンは後退し、残り100m辺りでファルブラヴ、サラファン、シンボリクリスエス3頭の熾烈な追い比べになるが、最後はイタリアのファルブラヴがアメリカのサラファンをハナ差押さえて優勝、サラファンからクビ差の3着に日本のシンボリクリスエスで決着。
ゴール直後にサラファン鞍上のコーリー・ナカタニ騎手が手を上げるほどの大接戦で確定まで時間は掛かったが、イタリア出身の名手ランフランコ・デットーリ騎手に導かれたイタリア馬ファルブラヴが見事強豪が揃った世界戦を制した。
翌年、イギリスに移籍したファルブラヴは更に充実した年を向かえ、イスパーン賞、エクリプスステークス、インターナショナルステークス、香港カップとGⅠ競走を4勝し、欧州の年度代表馬に選出された。
引退後は日本に種牡馬として導入され、多くの重賞馬を輩出しています。
ファルブラヴはジャパンカップ史上初のイタリア調教馬として見事に優勝。
世界の大レースを席巻しているイタリア出身の名手ランフランコ・デットーリ騎手は「母国のイタリア馬でジャパンカップを勝てて本当に嬉しい」とコメントしていましたね。
デットーリ騎手は前日土曜に行われたジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)でイーグルカフェに騎乗して優勝。
社台ファーム代表吉田照哉氏曰く「デットーリが乗ると5馬身違う」の名言は競馬ファンの中では非常に有名で、2日続けての〝デットーリ劇場〟にその言葉も納得の騎乗技術を見せ付けられた感じでした。

発走は15:40です。
ジャパンカップ創設39年目にして初の外国馬ゼロ・・
世界的に日本最高峰の競走、個人的にも毎年一番楽しみなGⅠだったんですが、近年のジャパンカップの外国馬の顔ぶれ、頭数からいずれはこうなるとは思っていましたが、とうとう今年・・・
近年の競馬も良いところはあるのであまり言いたくはなかったんですが、リアルタイムで見ていた人なら分かると思うんですが、15~20年前くらいの競馬はもっと面白かったし熱かったですよね?
最近は自分が競馬を見初めたぐらいの頃のジャパンカップや他のレース動画を良く見るんですが、各国の代表するレースの優勝馬がジャパンカップに集結するなんて最近競馬ファンになった人には信じられないでしょうね。
そんなジャパンカップが実際行われていましたし、自分も毎年ワクワクしていましたね。
競馬は世界規模の競技ですし、まして今や日本はパートⅠ国。
外国馬が来ない理由は日本馬のレベル向上、高速馬場、検疫問題、香港国際競走の創設、地理的な事など色々あると思いますが、それでも自国を代表するレースに遠征馬が全く来ない状況は非常に残念としか言い様がありません。
日本のトップホースの多くも香港国際競走に流出して何とも言えないメンバーのジャパンカップ。(歴代ダービー馬3頭は居てますが・・・)
まあ、唯一?の救いがデットーリ騎手を初め、世界の名手が揃った事ですかね?
かつて阪神競馬場で行われていたワールドスーパージョッキーズシリーズみたいな感じですね。
今年は名手同士の駆け引きが見所のジャパンカップになりそうです。
それではジャパンカップの予想を評価順で紹介します。
◎2ワグネリアン
○5スワーヴリチャード
▲9ルックトゥワイス
△8レイデオロ
△6ユーキャンスマイル
△11シュヴァルグラン
△10ダンビュライト
△1カレンブーケドール
本命はワグネリアン。
昨年の日本ダービー優勝馬で、神戸新聞杯以降勝利は無いが近3走では勝ち馬とは僅差のレース。
脚質の融通も効く馬で、展開にも左右されにくく、馬自体そんな数多くレースに使われておらず、消耗も少ないので、まだ多少の伸び代はありそう。
土曜東京を見る限り、不良馬場でも内が良く伸びるし、力の要る芝状態だが、重い札幌の芝で僅差の4着があるように適性は高そうで、内枠もプラスに働きそう。
鞍上川田騎手にとっても今年GⅠ勝利が無い分、力が入るレースになりそう。
対抗はスワーヴリチャード。
GⅠ大阪杯の優勝馬で、昨年のジャパンカップは勝ち馬アーモンドアイからは離されたが、2分21秒5のタイムで走破し3着。
勝ち星から遠ざかってはいるが、今年のドバイシーマクラシック、宝塚記念共に3着と、能力の衰えは無い。
左回りの東京は大の巧者で、休み明けから天皇賞・秋を叩かれての上積みも大きそうな今回は高いレベルで状態は上がっているはず。
内が伸びる今の東京を考えれば枠順も良く、初騎乗もオイシン・マーフィー騎手なら何の不安も無いだろう。
ルックトゥワイスは実績は見劣りするが、鞍上デットーリというだけで勝ち負けが期待出来る。
レイデオロは2017年のジャパンカップで3歳ながらシュヴァルグランには敗れたが、キタサンブラックに先着する2着と能力の高さを見せた。
昨年は天皇賞・秋を優勝、日本ダービーに続くGⅠ2勝目を上げた実績はこのメンバーでは上位の存在。
東京は(3・1・0・0)と大の得意舞台で、重たい芝も昨年の有馬記念2着の内容から苦にはしないはず。
馬券は三連単でワグネリアン中心を考えています。


