本日、京都競馬場で秋の女王決定戦、エリザベス女王杯が行われます。








2001年のエリザベス女王杯はトゥザヴィクトリーが優勝。




トゥザヴィクトリーは父サンデーサイレンス、母フェアリードールという血統の牝馬。





1998年阪神のデビュー戦で1着、年が明けた1999年1月に2勝目を上げてオープン入り。


桜花賞トライアル・アネモネステークスで3着に終わるが何とか抽選を突破してGⅠ桜花賞に出走。


レースは早めの先行策から抜け出しに掛かるが、ラストは優勝馬プリモディーネ、2着馬フサイチエアデールに差されての3着。



桜花賞で安定した先行力で僅差の勝負をした事から、トゥザヴィクトリーは次のオークスで1番人気の支持を受ける。

しかし、桜花賞馬プリモディーネを押さえたゴール間際で上がり最速の脚を繰り出したウメノファイバーにハナ差交わされて無念の2着になり、春シーズンを終える。


秋になり、牝馬三冠最後の秋華賞を目指して前哨戦のローズステークスに出走するが4着、本番の秋華賞でも
13着と大敗し、トゥザヴィクトリーは休養に入る。




ドバイでの奮闘~統一女王へ






2000年6月、東京競馬場の重賞競走・エプソムカップで復帰、トゥザヴィクトリーは3番人気で5着と休み明けだったが、まずまずの走りを見せる。

叩き2戦目の阪神・マーメイドステークスではハナを切って逃げるが、フサイチエアデールに差されて2着。


しかし、休養明けから徐々に状態を上げて行ったトゥザヴィクトリーは夏のクイーンステークスで重賞初制覇、秋の府中牝馬ステークスも優勝し、充実した時期を向かえる。


GⅠエリザベス女王杯は2番人気で5着に敗れるが、12月の阪神牝馬ステークスで重賞3勝目を上げる。


2001年、悲願のGⅠ制覇を目指してダートのGⅠ競走フェブラリーステークスに出走。

外枠からスムーズに先行したトゥザヴィクトリーはラストでダート界の強豪ノボトゥルー、ウイングアローに差されるが3着と健闘、高いダート適性を見せた。


その後、ドバイワールドカップに招待されていたウイングアローが出走を辞退した事により、トゥザヴィクトリーが繰り上がる形で選出。


ダート世界最高峰のドバイワールドカップという事で、ダート経験が浅いトゥザヴィクトリーの下馬評は決して高くはなかったが、果敢にハナを叩いたトゥザヴィクトリーは3馬身程のリードを保って直線に入る。


追い込みが効きにくいナドアルシバ(現メイダン)競馬場のダートで後方勢の伸び脚は鈍く、直線半ばまで必死に粘っていたトゥザヴィクトリーだが、エンジンが点火したアメリカの強豪キャプテンスティーヴに最後は突き放されて2着入線。


ドバイワールドカップにはこれまで日本のダート最強馬が挑戦していたが、圧倒的なアメリカ・UAE勢の強さにより、上位争いするのは難しいと考えられていた時代で、このトゥザヴィクトリーの奮闘は日本の競馬関係者に今後の希望を持たせる大きな結果だった。



その後、トゥザヴィクトリーは長期休養に入り、秋のエリザベス女王杯で復帰。


長期休養明け、ドバイ帰り、この年の二冠牝馬テイエムオーシャンが出走という事で人気は4番人気と決して高くはなかった。


レースはこれまで先行策を取っていたトゥザヴィクトリーは後方で脚を溜める以外な展開。

ヤマカツスズランは1000m58秒5という速いペースで逃げる中、テイエムオーシャンは強気に3番手からの競馬、レディパステル、ティコティコタックは中団、それを見る形でトゥザヴィクトリー、更にその後方にローズバドが位置取る。


直線に入り、ヤマカツスズランは後退し、馬場の真ん中からテイエムオーシャンが抜け出し、その外からトゥザヴィクトリー、内からティコティコタック、最内からレディパステル、一番大外からローズバドが追い込んで来るという牝馬オールキャストによる熾烈な追い比べ。

最後は内のティコティコタック、大外のローズバドを押さえて武豊トゥザヴィクトリーが僅かに前に出てゴール。


まさに、3歳・古馬、豪華牝馬メンバーの一戦を制したトゥザヴィクトリーは日本統一女王に輝いた。



その後、トゥザヴィクトリーはジャパンカップ、有馬記念、フェブラリーステークスに出走するが、勝ち星は上げられず、昨年2着だったドバイワールドカップ(11着)を最後に引退、繁殖牝馬になりました。







正直、ドバイワールドカップにトゥザヴィクトリーが出走した時はフェブラリーステークスで健闘はしていたものの大丈夫かな?という印象でしたね。

これまで日本のダート最強クラスが遠征して案外な結果が毎年続いていただけにこの時の2着は本当に驚きました。


そして帰国後のエリザベス女王杯。

逃げ・先行で好結果を出して来たトゥザヴィクトリーが後方待機の競馬。

最後は強豪牝馬が横一線になった見応えある接戦を優勝。


トゥザヴィクトリーの力はもちろん、鞍上武豊騎手の手腕も光る名勝負でした。





発走は15:40です。




秋の女王決定戦であるエリザベス女王杯。



ここに牝馬トップクラスであるアーモンドアイ、リスグラシューが出走していたら凄い事になっていたでしょうね。

まあ、その2頭は牝馬としては規格外で、とりあえず今年のエリザベス女王杯は返上された牝馬チャンピオンを懸けての一戦といった感じですね。


3歳馬対古馬勢が毎年エリザベス女王杯最大の見所で、今年も楽しみなレースです。







それではエリザベス女王杯の予想を紹介します。

評価順で。




◎6クロコスミア
○8クロノジェネシス
▲16スカーレットカラー
△11ラヴズオンリーユー
△4ウラヌスチャーム
△2ラッキーライラック
△12センテリュオ
△5ポンデザール
△10フロンテアクイーン





本命はクロコスミア。

過去2年のエリザベス女王杯は共に2着、3度目の正直というべく今年も出走して来たクロコスミア。


ハナを切るのがベストの形も、好位からの競馬でも好結果を出している事から、ある程度位置取りの融通は効く馬。


前走の府中牝馬ステークスは優勝したスカーレットカラーなど瞬発力が武器の馬に飲まれた形だったが、言わずともエリザベス女王杯がメイチのレースで、それを踏まえれば良い叩き台、今回への伏線へと考えれば上々の内容。


恐らく年齢的にエリザベス女王杯は最後の出走になる可能性もあり、今年こそは馬券内はもちろん、頭までの期待を込めたい。








対抗はクロノジェネシス。

春の牝馬クラシックでは惜敗に終わったが、前走の秋華賞で念願のGⅠ制覇。


前走時の馬体重プラス20キロは成長分を含んでのもので、今回は一度叩いた上積みで更に状態は上がっているはず。


能力の疑いようは無いので、スンナリ好位の位置を取れれば今回も悪い結果は考えにくい。









スカーレットカラーの前走は圧巻の競馬。

2走前のクイーンステークスもほぼ勝ちに等しい結果で、本格化して来た雰囲気がある。

今回は真価が問われる一戦だが、前走並みのキレ味が生きる展開になれば。








ラヴズオンリーユーは4戦4勝無敗のオークス馬。

4戦連続上がり最速の脚は驚異的で、一頓挫あった休養明けでも能力だけで走って来る可能性は十分にある。

後は馬体重には注目。









馬券はクロコスミア中心の三連複、三連単で勝負したいですね。