いよいよ秋のGⅠ競走が開幕。

本日、中山競馬場では秋の短距離王決定戦、スプリンターズステークスが行われます。








2000年のスプリンターズステークスはダイタクヤマトが優勝。




ダイタクヤマトは父ダイタクヘリオス、母ダイタクブレインズという血統の牡馬。




1996年9月の阪神競馬場でデビュー(3着)、11月の未勝利戦で4戦目にして初勝利。


すぐさま500万を優勝してオープン入り、その後は重賞のアーリントンカップで4着、秋の1000万条件戦で3勝目を上げる。


準オープンでは善戦はするが勝ち切れないレースが続き、1998年に降級するが同年秋の中山ですぐに勝ち上がり、再び準オープンに戻る。


1999年秋には準オープンを勝利、12月には再度同級競走を勝利して念願のオープン入りを果たす。


2000年にはGⅠ初挑戦となった高松宮記念に出走(11着)、次走では初オープン特別を勝利、重賞の函館スプリントステークスでは2着と健闘した。




父に捧げるGⅠ勝利





2000年、秋はスプリンターズステークスの前哨戦、阪神競馬場のセントウルステークスに出走。


強豪が揃ったレースだったが、勝ち馬から0秒4差の7着と悪くない内容の走りを見せる。



そして、秋の短距離路線の大一番スプリンターズステークスに出走。


この年のスプリンターズステークスはアグネスワールド、ブラックホーク、ビハインドザマスク、マイネルラヴ、キングヘイロー、マサラッキ、シンボリインディなど、かなりハイレベルなメンバーが揃った為、GⅠでの実績がほとんど無かったダイタクヤマトは16頭立ての最低人気。


レースは外枠からダイタクヤマトが先手を取ろうとするが、枠の差で内からユーワファルコンがハナを奪う。ダイタクヤマトは2番手、好位にアグネスワールド、中団にブラックホーク、マイネルラヴ、後方からブロードアピール、ビハインドザマスクが位置する展開。


3、4コーナーの中間地点辺りからダイタクヤマトが先頭に立ち、後続各馬も追い上げに入る。


直線に入り、早くもダイタクヤマトが2番手集団を2~3馬身突き放す。


残り200m、インコースからブラックホーク、アグネスワールド、大外からブロードアピールなどが一気に差を詰めて来る。


しかし、ダイタクヤマトの逃げ脚は最後まで衰えず、2着のアグネスワールドに1馬身1/4の差を付けて優勝。


最低16番人気でのGⅠ勝利、鞍上は大穴男の江田照男騎手。



ダイタクヤマトの父ダイタクヘリオスは名短距離・マイラーだったがスプリンターズステークスは優勝出来なかった。

また、外国産馬や輸入種牡馬が幅を効かせていた当時に貴重な内国産種牡馬の産駒がGⅠを勝利。

内国産種牡馬不遇の時代、ダイタクヤマトは父ダイタクヘリオスに価値あるGⅠ勝利を捧げた。




ダイタクヤマトはその後、スワンステークス、阪急杯と重賞競走を2勝、最低人気で制したスプリンターズステークスがフロックではなかった事を証明。

そして2001年香港スプリント(12着)を最後に引退、父の血を繋いでいく使命を受けて種牡馬入りした。



しかし、種牡馬としてこれといった産駒の活躍はなく、2010年に種牡馬を引退、一時は乗馬クラブに引き取られましたが、乗馬クラブを出てからの消息は不明になっています・・・








ダイタクヤマトはビゼンニシキ→ダイタクヘリオスと貴重な内国産馬のサイアーラインを継承していた馬でしたが、後継種牡馬を出す事が出来ませんでした。


同じ内国産馬メジロマックイーンもメジロアサマ→メジロティターンと続いている血を残していくのは現状はかなり厳しそうです。(メジロマックイーンの産駒ギンザグリングラスが種牡馬登録されていますが・・・)


現在の内国産父系で4代目にあたるメジロマックイーンが残した後継種牡馬ギンザグリングラスは日本最古の父系なので何とかサイアーラインを繋いでいって欲しいところ。


確かにサンデーサイレンスや他の外国産種牡馬の導入で日本競馬のレベルは目覚ましい発展を遂げましたが、その背景には日本競馬を支えてきた内国産馬の血が犠牲になってきたのも事実。


血統を繋いでいく生き残りを掛けた生存競争は厳しく、中々難しいと思うんですが、伝統ある内国産馬の血を持った馬が少しでも大切され、残っていく事を願いたいものですね。





発走は15:40です。




春のスプリント王決定戦である高松宮記念はミスターメロディが優勝、しかし、始動戦のセントウルステークスで直線伸び切れない形で8着と敗れてしまった。


依然、絶対王者不在の感が強い短距離路線。


GⅠホースであるグランアレグリア、ステルヴィオの回避は残念ですが、現在の短距離路線で活躍している馬はほぼ揃った感じで、今回の優勝馬が本当の意味での日本スプリント王を襲名する事になりそう。


また、スプリンターズステークス優勝馬は12月の香港スプリントに遠征するパターンが多いですし、〝世界〟に向けても名乗りを上げる馬の登場に注目です。






それではスプリンターズステークスの予想を紹介します。

評価順で。




◎7モズスーパーフレア
○8タワーオブロンドン
▲2ダノンスマッシュ
△13ミスターメロディ
△9ディアンドル
△4リナーテ
△5レッツゴードンキ





本命はモズスーパーフレア。

現役屈指のテンの速さを持つ馬で、春のオーシャンステークスでは前半3Fが32秒3の超ハイペースながら後続を寄せ付けず1分7秒1の時計で優勝。


2走前のカーバンクルステークスでもハイペースを1分7秒0の時計で優勝しているようにペースが速くても、いかに自分の形に持ち込めるかが勝負の馬。


中距離を使ってきたマルターズアポジーにスピード負けする事は考えずらく、調教師は鞍上松若騎手に対して意地でもハナを取れとの指示を出している事から自分の形に持ち込めるはず。


中山コースは連対率100%の得意舞台で、高速逃げなら簡単には止まらない。


後は前走から馬体が絞れていれば。








対抗はタワーオブロンドン。

今までの実績からGⅠ級の能力を持っているのは明らかだが、改めて前走のセントウルステークスでその能力を示すかのような圧勝。


セントウルステークスの時計から高速決着は望むところで、初めての中山コースもこれまで様々な競馬場で結果を出してきた馬なので問題ない。


脚質的にある程度融通の効くタイプだし、終いは確実に末脚を伸ばしてくる馬。


前走の反動、春からレースを使い続けてきている不安はあるが、持ち前の堅実さで馬券内は確保するのでは。








ダノンスマッシュは期待された春の高松宮記念は僅差の4着。

キーンランドカップでタワーオブロンドンを押さえて優勝し、今回再びGⅠでの真価が問われる。

初の中山コース+高速決着に対応出来れば。








馬券は三連単でモズスーパーフレア、タワーオブロンドンの2頭軸マルチが本線ですが、他の式別もオッズによっては検討したいですね。