本日、アメリカ・チャーチルダウンズ競馬場で全米No.1レースであるケンタッキーダービーが行われます。
アメリカ競馬の最高峰であるケンタッキーダービー。
3歳限定ダート2000mで争われる今年で第145回を向かえる伝統と格式を持つケンタッキーダービーはアメリカ競馬に携わる人にとっては全てと言っても過言ではない競走。
世界的な馬産地ケンタッキー州、そのルイビル南部に位置するチャーチルダウンズ競馬場で行われるケンタッキーダービー。
アメリカ競馬の関係者にとってダービーに出走馬を送り出すのが最高の名誉であり、ダービーに出走させた経験があるだけでステータスになるほど。
ケンタッキーダービーの出走馬は全米のプレップレース(ROAD・TO・THE・KENTUCKYDERBY)で好成績を収めた馬しか出走出来ず、毎年ダービー出走を目指して全米の各地で熾烈な戦いが繰り広げられています。
ケンタッキーダービーに出走が決まった全ての馬には警備員が付いて非常に大切に守られ、ダービー出走を控えた馬が過ごす厩舎には大勢の報道関係者が詰めかける。
ファンの熱狂振りも凄く、ケンタッキーダービー観戦チケットは早くに売り切れてしまうほどで、競馬ファンなら一生に一度は観戦してみたいと思うレース。
当日のチャーチルダウンズ競馬場ではバーボンウイスキーをベースにしたオフィシャルドリンク「ミントジュレップ」が売られる事は有名。
そしてケンタッキーダービーと言えば何と言っても出走馬の入場セレモニー。
ファンファーレと共に演奏が始まり、観戦に訪れた観衆が「マイ・オールド・ケンタッキーホーム」を唄うのが習わしとなっている。
これはダービー出走馬だけを讃えるだけでなく、ダービーまでに関わってきた全ての人馬への敬意を込めたもので、歌いながら涙を流す人も多く、その光景には圧倒される。
競走時間から「あらゆるスポーツの中で最も偉大な2分間」とも称されるケンタッキーダービー。
優勝馬にはバラの優勝レイ(肩掛け)が贈られる事から「ラン・フォー・ザ・ローゼス」(バラに向かって走れ)のレース通称を持つ。
日本馬のケンタッキーダービー挑戦
日本調教馬が初めてケンタッキーダービーに出走したのは1995年の第121回。
森秀行厩舎のアメリカ産馬スキーキャプテンが武豊騎手の手綱で出走。
1994年のGⅠ朝日杯3歳ステークス(現朝日杯フューチュリティステークス)でフジキセキの2着になり、年が明けての初戦、GⅢきさらぎ賞を楽勝する。
しかし、当時外国産馬にクラシック競走(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)は開放されておらず、母スキーゴーグルが米国GⅠ(エイコーンステークス)優勝馬という事もあり、ケンタッキーダービー出走が電撃発表される。
日本ではほとんど未知のアメリカ競馬、しかもケンタッキーダービーで不安と期待が混じるような挑戦だったが、スキーキャプテンは入場から激しくイレ込み、後方のまま何も出来ず14着に大敗した。
21年の時を経て2016年、第142回ケンタッキーダービーに日本調教馬として挑戦したのはラニ。
松永幹夫厩舎のアメリカ産馬ラニが21年振り2度目のケンタッキーダービー騎乗となる武豊騎手鞍上で出走。
2歳時に未勝利、500万を連勝したが、3歳初戦のヒヤシンスステークスで5着と敗れてしまう。
しかし、何とかドバイ・UAEダービーに選出・出走したラニは鞍上武豊の好騎乗もあり、見事優勝、オーナーはレース後のインタビューでケンタッキーダービー挑戦を表明する。
UAEダービー優勝馬、21年振りに挑戦してきた日本馬として注目されたラニはスタートで出負けするが、ジリジリ前の馬を交わして9着。
優勝したナイキストからは大きく離されたが、3、4コーナーで外に振られる不利があった事を考えると大健闘と言える内容。
その後ラニはプリークネスステークス5着、ベルモントステークス3着とアメリカ三冠競走全てに出走、健闘した。
ラニの挑戦により、2016年から日本馬のケンタッキーダービー出走機会が与えられる「JAPAN・ROAD・TO・THE・KENTUCKYDERBY」が創設され、日本で指定されたレースのポイント上位馬はダービーに出走出来るようになった。
自分が競馬を見始めた1995年にスキーキャプテンが挑戦した時は〝アメリカのダービー〟に日本馬が出るんだくらいの感じだったんですが、後々このケンタッキーダービー出走がいかに凄い事だったかと知る事になりました笑
スキーキャプテンの挑戦から当たり前ですが、日本馬のケンタッキーダービー出走はありませんでしたが、2016年ラニがUAEダービーを優勝、3歳馬の海外遠征はリスクが大きく、日本馬がUAEダービーを勝つのは非常に難しいと思っていたのでこの優勝は非常に驚きました。
そしてその直後のインタビューで・・・
前田幸治オーナーの「ケンタッキーダービーに行きます!」
もうこれを聞いた時は一競馬ファンの自分でさえ夢心地で、ラニに関わる関係者はどんな心境だったんでしょうか?
日本馬があの別世界と思っていたケンタッキーダービーに出るのを生きてる内に意識して見れるなんて・・・マイ・オールド・ケンタッキーホームの大合唱の中を日本馬が・・・幸せでしたね笑
ラニの功績は非常に大きいです。
発走は日本時間7:50です。
11番ハイカル、12番オマハビーチは出走取消です。
関係者にとっては残念で仕方ないでしょうね・・
個人的にアメリカのケンタッキーダービーはフランス・凱旋門賞、UAE・ドバイワールドカップ、イギリス・英国ダービーに並ぶ世界最高レベルの競走と思っています。
特に3歳限定のケンタッキーダービーはダート競馬の本場の最高峰なので日本馬が優勝するには一番難しいと思います。
日本からは角田晃一厩舎のマスターフェンサーがジュリアン・ルパルー騎手鞍上で挑戦。
日本馬史上3頭目のケンタッキーダービー出走、日本産馬としては初めて出走の偉業。
マスターフェンサーのダービー出走は日本・アメリカで共に物議があるようですが、2016年に創設されたJAPAN・ROAD・TO・THE・KENTUCKYDERBYのポイント上位馬の回避により、正式に繰り上がり掴み取ったチャンスで何ら問題はありません。
それより、リスクを顧みず出走の英断を下したオーナーを讃えるべきですね。
ケンタッキーダービー出走に理解を示し、夢を持って遠征に踏み切ったオーナーはきっと素晴らしい人なんでしょうね。
日本の競馬ファンとしてそんなオーナーが居てくれて心から嬉しく思います。
それではケンタッキーダービーの予想を紹介します。
評価順で。
番号は馬番です。
◎7マキシマムセキュリティ
○5インプロバブル
▲8タシトゥス
△16ゲームウィナー
△6ヴェコマ
△2タックス
△17ロードスター
△14ウィンウィンウィン
本命はマキシマムセキュリティ。
4戦全勝のフロリダダービー優勝馬で、スピードの違いで他馬を圧倒している。
ケンタッキーダービーで好勝負する為には〝内枠〟が条件で運も味方した。
アメリカのトップホースらしいスピードをこの大舞台でも見せてくれるはず。
対抗はインプロバブル。
3頭出しのバファート厩舎の1頭で、2歳時はGⅠで楽勝。
3歳になって連続で2着に惜敗しているが、安定した好位差しが出来る馬。
内枠から先行する馬を先に行かせて前半はしっかり脚を溜めてラストに繋げたいところ。
ウッドメモリアルステークスの優勝馬タシトゥスは2016年に挑戦した日本馬ラニと同じタピット産駒。
しっかりラストまで伸びる差し脚魅力で、差は少ない。
日本馬マスターフェンサーは正直、脚質的にケンタッキーダービーに向くタイプとは思いにくいが、前走の伏竜ステークスでは強豪デアフルーグの2着。
4走連続で上がり最速をマークしているように確かな末脚を持っている馬なので、力を出し切って1頭でも多く負かして欲しい。
馬券は三連複で手広く買いたいですね。
ケンタッキーダービーはグリーンチャンネルで7:00~8:30で無料で生放送されます。
では、良いケンタッキーダービーの日を楽しんで下さい(^-^)




