明日の中京競馬場では芝中距離の重賞競走、金鯱賞が行われます。
2007年の金鯱賞はローゼンクロイツが優勝。
ローゼンクロイツは父サンデーサイレンス、母ロゼカラーという血統の牡馬、母ロゼカラーや、その兄弟、ローゼンクロイツ自身の姉弟など活躍馬が多数いる事、馬名などから〝薔薇の一族〟と言われた一頭。
ローゼンクロイツは2004年、京都競馬場でデビューして2着。
その後、未勝利戦、京都2歳ステークスと連勝、年末のラジオたんぱ杯2歳ステークスでも2着と来年のクラシック候補の一頭となる。
年が明けて2005年、GⅢ毎日杯で2番人気で優勝し、皐月賞に駒を進める。
しかし、生まれた時代が悪かったのか同期には歴史的名馬ディープインパクトが居たため、あまり目立つ存在にはなれず、牡馬クラシック三冠は皐月賞9着、日本ダービー8着、菊花賞3着とディープインパクトの三冠達成に隠れた成績に終わった。
2006年はGⅠでは結果を出せなかったがGⅢ中京記念、GⅡ金鯱賞ともに2着と中京コースとの相性の良さを見せる。
2007年は京都記念から始動し、13着に敗れるが3月の中京記念で2年振りの勝利を上げると続く金鯱賞も優勝、昨年はともに2着に敗れた中京競馬場の重賞競走を連勝した。
しかし、関東への輸送があるレースでは力を発揮出来ず、天皇賞・秋11着、ジャパンカップ15着と大敗、その後、骨折が判明、幸い軽度のもので3ヶ月の休養に入る。
散った薔薇
2008年、6歳になったローゼンクロイツは骨折も完治し、3月のGⅢ中京記念で復帰する。
骨折休養明けだったが中京記念は昨年制しているレースに加え、中京競馬場とのコース相性が評価されて1番人気に支持されるも7着、しかし、勝ち馬からは0秒2差。
再び中京競馬場での昨年制している金鯱賞に出走、一度叩かれた上積みも見込まれ、得意の中京コースだったが8番人気と評価を落としていた。
後にGⅠ宝塚記念を優勝するエイシンデピュティがレースを引っ張る流れを少し引っ掛かり加減で好位3番手から追走するローゼンクロイツ。
しかし、勝負どころで既にジョッキーは異変に気付いたのか、手綱を絞る感じでズルズルと後退。
最後の直線半ばで転倒はしなかったが前のめりになるように徐々にスピードが落ちてゴールを前にして止まってしまう。
〝左第1指関節脱臼〟
故障したのがゴール手前だった事もあり、馬運車が到着するまでの間、皮一枚で繋がれているプラプラになったローゼンクロイツの左前脚を大勢のファンが見守る形になってしまった。
少し競馬を知っている人なら誰の目にも明らかな〝予後不良〟で、ローゼンクロイツは安楽死の処置が取られた。
金鯱賞と言えば伝説的な勝ち方をしたサイレンススズカを思い出すファンが多いと思いますが自分は同等ぐらいにローゼンクロイツを思い出しますね。
皮肉にも相性の良かった中京競馬場で最後を向かえてしまったローゼンクロイツ。
故障した直後のローゼンクロイツの姿が動画で見る事が出来るんですがとても痛々しくて辛いですね・・・
GⅠには手が届かなかったローゼンクロイツですが活躍馬が多数いる名血〝薔薇の一族〟だったので恐らく種牡馬になれていたはずで非常に残念です。
日本競馬は世界的に見てギャンブル色が濃い為、金が掛かっていると言えばそれまでですが現実、競馬場では故障、落馬転倒した馬に対して大声で笑ったり、意味が分からず怒ったり、買っていない馬だからか喜んだりする輩を目にする事があります。
もうこれは、お金以前に人間としての道徳的な問題で一線を越えてはいけないと思います。
競馬を見るファンは最低限、競走馬は〝命懸けのアスリート〟なので、そんな馬達に楽しませてもらっているという事を理解してもらいたいですね。
少し熱くなりましたが(笑)、今年の金鯱賞。
発走は15:25です。
10アルアインは北村友一騎手から柴山雄一騎手に変更。
優勝馬にはGⅠ大阪杯の優先出走権が与えられます。
GⅠホース5頭参戦に今が充実期を向かえた実力馬などが揃い、非常に豪華なメンバー。
明日の中京競馬場は3月24日に行われるGⅠ高松宮記念に匹敵する入場者になりそうですね。
豪華メンバーな分、馬券は難しそうですが力と力の良い勝負が期待出来そうで非常に楽しみです(^-^)
それでは金鯱賞の予想を評価順で紹介します。
◎12モズカッチャン
○8エアウィンザー
▲5タニノフランケル
△11リスグラシュー
△6ペルシアンナイト
△10アルアイン
△7ギベオン
△1ダノンプレミアム
本命はモズカッチャンにしました。
2年前のエリザベス女王杯優勝馬でそれ以来勝利は無いが強い相手に僅差の勝負を続けている。
中京コースは初めてになるが同じ左回りの東京で3歳時のフローラステークス、オークスの走りから問題ないと思う。
今回はかなりの強豪相手だが昨年の京都記念、札幌記念ぐらい走れば十分に好勝負可能とみる。
前日オッズから評価が低い感じだが前走からの距離短縮、斤量減、元々の主戦騎手である和田竜二騎手になるのは非常に魅力。
対抗はエアウィンザー。
現在4連勝中で先行、差しと自在な立ち回りが出来る馬でレースセンスは抜群。
前走のGⅢチャレンジカップでも自ら勝ちに行く競馬で上がり最速をマークして優勝とここに来て馬が非常に充実している。
陣営は昨年末の有馬記念に使っても好勝負出来ていたと豪語しているが無理に有馬記念を使わなかった事で馬はフレッシュな状態と思う。
次走は大阪杯の予定だが鞍上武豊はドバイ遠征の予定で今回はエアウィンザーを勝たせておきたいはず。
穴は同型不在で自分のペースの逃げが打てそうなタニノフランケルか。
馬券はモズカッチャン、エアウィンザー軸の流しが本線の予定ですが直前まで馬券の組み方をジックリ考えたいですね。


