ご存知、今年のダート競馬の祭典JBC競走は史上初めてJRAの京都競馬場で行われますね。
JBCは正式にはジャパン・ブリーディング・ファームズカップと言い、アメリカで行われているブリーダーズカップを模範として創設されました。
日本では地方競馬の祭典として2001年に弟一回JBC競走が大井競馬場で行われ、翌年からは各地方競馬場持ち回りで実施されてきましたがより多くのファンに地方競馬の祭典であるJBC競走を認知してもらう為に知名度の高いJRAの京都競馬場で行われます。
競走と生産の意義がJBCのテーマであるんですが日本で生産された値段が安い馬、どこかに欠点を持った馬、セリで売れない馬、中央競馬で成績が上がらない馬などそのほとんどが地方競馬に流れていきます。
日本の競馬、生産牧場の底を支えているのは地方競馬と言っても過言ではなく、これ以上地方競馬が廃止していくと多くの中小牧場も潰れていくでしょう。
JBCは〝ダート競馬の祭典〟以前に日本競馬の底を支える人が多く関わる〝地方競馬の祭典〟なんです。
自分も地方競馬の厩務員をしていた時は1度でいいから担当馬をJBCに出走させたい、勝ちたいと夢を見ていました。
残念ながら出走する事もないまま夢は終わりましたが(笑)それぐらい地方競馬に関わる人間にとっては自らの存在をアピールする最高峰の舞台なんです。
前置きがかなり長くなりましたが今年は地方馬にとって〝アウェー〟で行われるJBC競走に出走する地方代表馬が決定しましたね。
ちなみに11月4日のレース施行順は次のとおりです。
今回は地方競馬の祭典だけにあえて各JBC競走に出走する地方馬全頭の紹介と現時点での見解を。
JBCスプリント(JpnⅠ、ダート1200m)
キタサンミカヅキ(船橋)
交流重賞の東京盃2連覇、アフター5スター賞2連覇など間違いなく現在の地方競馬最強のスプリンター。
昨年のJBCスプリントでも差のない競馬をしており、能力は中央勢が混じっても上位。
脚質的に展開が重要だが今回は中央馬に前に行く速い馬揃っている。
前が競り合ってくれれば勝つチャンスは十分にある。
ノブワイルド(浦和)
前走のオーバルスプリント優勝でグレードホースの仲間入り。
しかし前走は地元浦和コースで枠順、展開も恵まれていた感じもある。
それに加え、今回は先行したい同型が多い為に揉まれすぎると心配な面も。
ラブバレット(岩手)
岩手競馬の短距離王でグレードレースでもあと一歩の競馬を続けている。
JRAのダート重賞でも着順は振るわなかったが見せ場十分の走りを見せており、中央の軽いダートには適性はありそう。
ただ、一流の中央馬が出走するJpnⅠでどこまで通用するか。
アンサンブルライフ(浦和)
交流重賞でも健闘しているが南関東同士のレースでも勝ち切れない競馬が続いている。
しかし、良く言えば相手に関わらず混戦になれば存在感を発揮する面もあるので意外性はありそう。
後方からの競馬になると思うが道中動かずギリギリまで脚を溜めれば思わぬ健闘も。
JBCクラシック(JpnⅠ、ダート1900m)
カツゲキキトキト(愛知)
地方重賞15勝を誇る名古屋競馬最強馬。
交流重賞でも2、3着があり、展開、メンバーによってはJpnⅢ、Ⅱなら十分に勝てる力はある。
初めての京都になるが遠征経験はかなり豊富で輸送の心配や初コースは気にならない。
ジャパンダートダービー、帝王賞の結果から中央の一流馬が揃うJpnⅠで再び真価が問われるレースになりそう。
シュテルングランツ(浦和)
スプリントにアンサンブルライフ、ノブワイルド、クラシックにはこのシュテルングランツと晴れのJBCに3頭出しの小久保厩舎。
しかも鞍上は大井の帝王の異名を持つ的場文男騎手。
ジョッキーも凄いがシュテルングランツ自身も大井伝統の重賞、東京記念を制して勢いはある。
中央時代の成績から厳しい戦いになりそうだが名手がどんな戦法をとるか注目。
タガノゴールド(兵庫)
今年JBCに出走する兵庫所属馬はタガノゴールド1頭。
スプリントにエイシンの2頭、バランサーとヴァラー出走を期待していたんですが・・。
まあ、1頭でも自分の地元園田から(笑)JBCに出走するだけでも凄い事です。
兵庫移籍後はJBC指定競走の姫山菊花賞を含め、2戦2勝で勢いはある。
姫山菊花賞は現地で観戦していたんですがエイシンニシパとの壮絶なデッドヒートを制したように並んでの追い比べになれば僅かに期待は持てる。
後は中央時代の成績からどこまで戦えるか。
JBCレディスクラシック(JpnⅠ、ダート1800m)
ブランシェクール(大井)
前走のレディスプレリュードは惜しい2着。
TCK女王盃でも好結果を出している馬だが前走で改めて力を見せ付けた感じ。
中央時代よりも遥かに力を付けているし前走と同じような競馬が出来れば中々楽しみはある。
ラインハート(大井)
昨年のJBCレディスクラシックで3着激走が記憶に新しいラインハート。
最近は一息な成績が続いているがまだまだ衰えたとも思えないし展開次第ではソコソコ差し込んで来る可能性はあるでしょう。
ディアマルコ(高知)
西日本の地方競馬を代表する高知の女傑、しかも高知競馬生え抜きでのJBC出走は本当に凄いですね。
遠征競馬にも強く、園田の兵庫サマークイーン賞を3連覇!!、名古屋、佐賀でも重賞勝ちがある。
ただ、ハイレベルの南関東での交流重賞では昨年のJBCレディスクラシックも含めて苦戦が続いている。
現実的に考えれば厳しい戦いになると思うが先行出来る脚はあるので少しでも見せ場を作ってほしいですね。
ジュエルクイーン(大井)
ディアマルコは兵庫サマークイーン賞3連覇だがジュエルクイーンはビューチフルドリーマーカップ3連覇!!
他にもノースクイーンカップでも2連覇するなど地方競馬の強豪牝馬の1頭。
しかし交流重賞ではソコソコは走るが上位から離される結果が続いており、中央所属の牝馬トップクラスが揃うJpnⅠでは掲示板に入れればといったところか。
個人的な印象としてはスプリントが一番地方勢にチャンスがありそうな感じですね。
しかし昨年京都でJBCが開催されると決まった時は南関東からどれだけ出走してくれるか心配でしたが7頭も出走するとは・・ヒガシウィルウィンがいないのは寂しいですが。
川崎、佐賀、金沢、笠松、北海道からの出走馬がいないのは残念ですが個人的には結構良いメンバーが出走してくれたと思いますし11月4日が楽しみです(*^^*)