ブートレグを漁る毎日
ジェームスブラウンは60年代後半～70年代中盤までのアルバムは日本人が書いたレビューが結構ありますが、それ以外のアルバムはレビューが極端に少なく、購入するかどうか迷ってる人がいるかもしれないのでそういった方のためにマイナーアルバムのレビューを書こうと思います。The Next Step / ザ・ネクストステップ (2002年)おすすめ度 / 10点中4点69歳となったJBが送り出した生前最後のアルバム、と言うと聞こえはいいが前作Im backに比べるとバラードが多かったり、JBが最も輝くはずのステレオファンクがKILLING IS OUT SCHOOL IS INの一曲しかなかったりとあまりおすすめできないアルバム、とはいえ当時の最新サウンドとJBの力強い声が意外にマッチしている曲もあるので一度は聞いておいた方がいいかも？Love Over Due / ラブ・オーバー・デュー (1991年)おすすめ度 / 10点中5点釈放後すぐにレコーディングが始まり、完成したアルバム。Body Heat(1976年)以来のセルフプロデュースということで、打ち込みドラムを使ったりMVを作ったりと、気合は感じられるんだけど何かが違う気が・・・。ハードなファンクはこのアルバムには入っておらず、POPな仕上がりの楽しい系ファンク（？）が中心で、結構面白いアルバムなんだけどJBらしさはあまりないような。Universal James / ユニバーサル・ジェームス (1993年)おすすめ度 / 10点中9点ジャケットのある意味芸術性すら感じられるダサさが気になるけど中身はかっこいいので是非聞いてほしいアルバム。珍しくラップがフューチャーされた"Can't get any harder"に始まり洗練されたファンクが詰まっている、JBにありがちな退屈なバラードは入っておらず（"Moments"は英語が分からない人にとってはつまらないかもしれないけど）JB初心者でも聞きやすいはず。People / ピープル (1980年)おすすめ度 / 10点中8点前作"It's too funky in here"が10万枚のヒットとなったためかその続編的な内容になっているアルバム、とはいえこのアルバムは8000枚しか売れない悲しい結果になってしまった。（そのほとんどは日本での売り上げだったらしい、来日効果？）JB自身も「完璧なファンクではない」と語っているアルバムだけど個人的には1曲目の"Regrets"の出来は中々良いと思うし、"Thats Sweet Music"も好みの曲調なので意外と繰り返し聞いてしまうアルバム、買って損は無し。Nonstop! / ノンストップ! (1981年)おすすめ度 / 10点中7点ジャケットから飛び出してきそうなブっ飛んだJBが拝めるアルバム。74年の"Hell"以来のステレオファンクアルバムで、80年の"Soul Syndrome"が60年代のジェームスブラウンの再現といった感じなのに対し、こちらは激しさを増した70年代のジェームスブラウンの再現といった感じ。セルフカバー曲が3曲入っているがほぼ別物になっているので新鮮な感覚で聞けるはず。
映画『ミスター・ダイナマイト：ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』がBlu-ray／DVD化されることに伴い、なんとあの伝説のライブアルバム"Love Power Peace"の完全版も2016年11月02日に発売されることになりました。（完全版自体はLP限定で発売されていましたが、CDで発売されるのは初めてです。）実は同じ完全版でもLP盤との違いがあります、既に発売されているLP盤は公式からの発売ではなく、当時不正に録音されたものなので（それでもサウンドボードからの直接録音なので音質は中々良いのですが）今回公式からリリースされる完全版とは音質が桁違いに違うはずです。この完全版には92年にリリースされたバージョンではカットされていたブーツィーのソロや"Sunny"のライブカバー、そしてJBファミリーのディーヴァ、ヴィッキー・アンダーソンのライヴも含まれており、ショー全体の流れがより掴みやすくなっています、Itunes Storeでも発売されるようなので気軽に買えそうですね。この流れでライブ映像の方もDVD/Blu-ray化してほしいんですが、まだまだ先の話になりそうな・・・・。情報元http://www.hmv.co.jp/fl/11/612/1/
1972年11月にジェームスブラウンはライカー島 (Rikers Island)で慰問ライブを行っています、そこでのライブは映像に残っているんですが、今その映像がとても気になっています。噂ではこのライブで"Talking Loud and Saying Nothing", "There it is", "Get On The Good Foot"を披露したようです、これが本当ならぜひとも手に入れておきたい！。一応このライブのセットリストを載せておきます。01. Theme From "Shaft" 02. Raindrops Keep Fallin' On My Head03. Do Your Thing04. JB intro05. There it is06. Talking Loud and Saying Nothing07. Soul Power08. Make It Funky09. Try Me10. Georgia On My Mind11. Dirty Harri12. Sex Machine13. It's a Man's Man's Man's World14. Super Bad15. Sweet Sixteen16. Get On The Good Foot17. Medlyこのライブ映像はドキュメンタリー"ソウル・サバイバー"でも使われているのですが、元の音源はMake It Funkyなのに謎のインストゥメンタルに差し替えられています、音声に問題があったのでしょうか？（映像は綺麗だったので別の理由があるはずですが）ライカー島での映像は一部持っているのですが音質はそこまで悪くはありませんでした。著作権の問題だとしても他に使われていた映像は元の音源そのままだったので不思議ですね。このライブ映像を見る限りだと、カメラワークがなかったり、客の歓声が結構大きく入り込んでいたりするので恐らくインタビュー時に挟むためか、もしくはニュース用に撮られた映像だと思います。基本的にライブ映像をニュースとして使用する場合はライブを最初から最後まで撮影するので、このライブがフルで残っているということになります（逆にインタビュー時に挟んだりするために撮られた場合はMake It Funkyしか残っていないことに・・・・）もしこの映像がフルで残っているのなら"Talking Loud and Saying Nothing"のライブ映像が見れるチャンスがあるかもしれません、JBファンには人気が高い一曲ですし、いつか見れる日がくればいいなと思っています。James Brown In Rikers Island 1972
写真に残る最古のJBスプリット (1960年)JBがよくやっていたダンスの一つにスプリットがあります。現時点で確認できる最古の映像は1964年のTAMI SHOWで、最後のスプリットの映像が1986年の Living In Americaのライブ映像なんですが、一つ気になっていることがあります。■ JBはいつまでスプリットをしていたのか？前述した通り最後のスプリットの"映像"は1986年です、しかしスプリットをしたという確かな記録は1995年のアポロで、そして最後にスプリットをしたという噂は2002年（これはJB論で妻のトミ・レイが語っていたため信憑性は高い）この噂が本当だとしたら、当時69歳でスプリットをしたということになります。普通に考えれば69歳なら車椅子に乗っていてもおかしくない年齢ですが、JBに年齢は関係ないんでしょうか？2002年に作られたショートムービーここでは、「俺は年寄りだ」「これ以上のスプリットは無理」などと弱音を吐き、悪魔と契約して再びスプリットをする、という内容ですが、このような映像が作られたということは、JBが2002年にスプリットをしたことと関係があるような・・・■時代順64年を最後にJBは一旦スプリットをするのをやめました、そこから71年のアポロまでスプリットはしてません。そして1983年なんですが、この頃からたまにスプリットを失敗するようになりました。34分20秒あたりからスプリット、しかしよく見たら失敗してます。そしてこのライブから4年後にはスプリットをしなくなりました、さすがにもう無理だと判断したんでしょうか、個人的には80年代から始めた麻薬がスプリットをできなくなったことに関係してると思います（ライブも80年代後半はやけにテンションが高い時と適当な時の差が激しかったので）、もし麻薬をやっていなければ90年代中盤ぐらいまではできたのでは？
当時の記事より (JB論未収録)■ ジェームスブラウンは、誰が何と言おうとファンキー大統領(Funky President)だ。私が原稿を書き始めようとした時、丁度仕事の関係者から電話がかかってきて、「今年の4月にJBが大規模なライブを行うとのことなので、よろしく頼むよ」ということを伝言された、昨年だけでもブラックビジネスにおける一流アーティストの大規模公演は減りつつあったのだが、そうした中でもジェームスブラウンは衰えを見せず、ライブ活動に積極的なようだ。（以前のようなハードなスケジュールでこそなくなったのだが）。ジェームスが最近確立している音楽の方向性は（特に The Payback辺りから)黒人としての価値観を強い形で打ち出しているが、そうしたメッセージ的ファンキー・ミュージックにしてもやはりソウル・ブラザー達にとってはひとつの強い味方でありかつエンターテインメントであるのだ。■ 新しい挑戦ジェームスブラウンのシャウトするメッセージは、ここアメリカでは白人に対する挑発とも受け取れる、こうした彼の音楽を通したひとつの政治的ともいえる活動はすでに1960年代に"Say it loud"という曲で始まっていた。また、現在のファンキー・ミュージックのルーツ的サウンドをすでに1960年代にはっきりとした形で作り出していたのだ。”ソウルブラザーナンバーワン”ことジェームスブラウンは、音楽というフィルターを通した先でも人種差別を受けていたことを会見で語っていた、特に"The Payback"でジェームスのメッセージをより強烈に打ち出したことは前述したが、続いて発表されたアルバム"HELL"でもそのスタイルを貫き通していた、しかし、最近発売されたばかりの"Reality"ではメッセージはマイルドになっており、曲の長さも10分を超える大作は無くなった、いずれも5分前後の曲ばかりで、それがこけおどしではなくファンキーなスタイルの中から生み出されたものというだけに、今回は期待外れといった評価が適正かもしれない。執筆年:1975年
アルバム"There it is"から"King Heroin JBが政治家を目指し、ライブ活動を大幅に自粛していた1972年、当時問題となっていたドラッグ/ヘロインについて語った曲、政治活動との関連は不明だが、この頃からJBの音楽のメッセージ性は更に強くなっていく、その始まりこそこの"King Heroin"だろう。以前からJBの政治的発言は物議をかもしていたが、それが更に強くなっていき暴走し始めたのも75年からの低迷期の原因の一つかもしれない。ソウルトレイン出演時のインタビューにて当時のラジオ音源、JBがどれほど政治家を目指していたかがよくわかる。ニクソン大統領支持について語るJB"彼は黒人のことを良く分かっている人物ということもあるが、彼の政策に共感したというところが一番大きい、彼のスピーチは俺がステージで歌い、踊るのと同じようなものだ、支持しない理由がどこにある？"結局JBが政治家になることは叶わなかったが、この後もメッセージソングをリリースし続けた、これこそ彼にとっての政治活動だったのでは？ジェームスブラウン / キング・ヘロイン 和訳俺に味方してくれるアメリカ人、そしてアメリカ人女性へこちらはジェームスブラウン、一つ話したいことがある。気にせずにいられない、そいつは今も国を滅ぼそうとしているんだからな。俺はある日夢を見た、リビングに座り、眠りについた途端、奇妙な物が目に入った。よく聞け、それこそお前の静脈を流れる薬、ヘロインだったんだ。そいつはこう言った、"俺は密輸され、この白い粒でこの国を滅ぼすためにやってきた"これが世界の真理だ、一度使えば嫌でもわかる。その薬は本の読み方を忘れさせることができる、彼女の美貌を潰すことだってできる、真面目な男を刑務所送りにすることだってできるんだ。そこまでしてスリルを味わいたいならすればいいさ、ただし、その時は俺が銃を握って殺してやるよ。
この映像程奇跡的な物は無いかもしれない、このタイミングでJBが映画に出演したため1965年のキレキレのダンスをする映像が綺麗に、しかもカラーで残っている。そしてこの映画の奇妙なところは、JBとフェイマス・フレイムスのメンバー以外に黒人キャストが出演していない、そのせいでこの映画内では完全にギャグシーンとなってしまっている（そもそもこの映画はコメディなんだけども）この映画は日本語版が出ていないため仕方なく英語版で見たけどやはりこのJBのシーンが一番記憶に残った。イヴォンヌ・クレイグとジェームスブラウン>（ここではイヴォンヌはJBのレコードを全て持つ程の大ファンという設定）「あなたの事知ってるわ！ジェームスブランとフェイマスフレイムスでしょ？あなたのレコードは全部持ってるのよ」というセリフが入っている辺り白人層へ向けたアピールなのだろうか、ともかくこんな凄いダンスを見せられては興味を持つに違いない<a <a締めのスプリット、このときパンツが破れたらしい、動画の最後のインタビューでそのことについてこう語っている。「俺はI Feel Goodで踊り、そして最後にスプリットをした、そしたら俺のパンツまでスプリット（分裂）してしまったんだ、そのせいで俺の退場シーンがなくなったんだよ」
ジャケット表+裏クレジットこの"The Payback"はJBの数あるアルバムの中でも唯一ゴールドレコードの認定を受けた名アルバム、表題曲ばかり取り上げられがちだが異様に長いバラード二曲を除き最高の泥臭いファンクが収録されている。元々"Hell Up in Harlem"という映画のサウンドトラックとして使われる予定だったが、映画監督の「あまりファンキーではない」という意味不明な発言のため使用されず、アルバム単体で成立するように少し曲全体のストーリラインに手を加え完成したアルバム。映画音楽としてのアルバムだったためか、ジャケットなど所々にその名残が残っている。1 - The Paybackタイトルに"仕返し"とあるように、単調な演奏に合わせJBが説教するかのように歌う、JBファンでなくともサンプリング人気が高い曲なので一度は聞いたことがあるのでは？2 - Doing The Best I Can中々感動的なバラードなんだけど長すぎる・・・（元々は映画用に作られたんだから仕方ないけど）この曲は3分ぐらいでまとめたら中々いい線いってたはず。3 - Take Some... Leave Some曲全体を通してウニャウニャとした特徴的なギターが流れるが、それが中々の雰囲気を醸し出している、所々現れる民族的なリズムも必聴。4 - Shoot Yor ShotJBが「撃て」と命令する度にメイシオのサックスソロやフレッドのトロンボーンが鳴り響く、この掛け合いが最高の一曲5 - Forever Sufferingバラードなのになぜかファンクの基本にのっとり延々と同じような演奏とコーラスが続く、この曲も#2と同じで聞いていると「いつ終わるんだこれ？」といった状態になってしまう。6 - Time Is Running Out Fast時間はさっさと過ぎ去ってしまうというタイトルなのだが、再生時間はこのアルバム最長の12分間、メイシオのサックスが8分間も続き、その後野性的なコーラスと共にフレッドの渋いトロンボーンが現れフィードアウトしていく・・・7 - Stone To The Bone「諦めないぜ、いいモンもってるからな」と言いJB流の「骨の髄まで固いヤツ」について語る。ちなみにこの曲はR&B4位にまで上昇した。8 - Mind Power"自分に嘘をついたり、自分から動かないやつは飯にありつけない、それが現実だ"と厳しい言葉を浴びせ、"そんな時のためにマインドパワーがあるのさ"、と日本人にはよくわからない理論を語る。バック演奏といいJBの語りといいヒップホップの原点のような曲になっている、これこそJB最高の曲だろう。多分この曲がJBの中で一番多く聞いた曲な気がする、JBもこの曲がお気に入りだったのだろうか、ジャケット裏にもこの曲についての文章が神秘的な絵と共に載っている。
JBファンにとってはうれしい情報です。ジェームスブラウンのドキュメンタリー、『ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』原題:"Mr. Dynamite: The Rise Of James Brown"が日本でも2016年6月18日から上映されることとなりました、このドキュメンタリーは日本版が出るなんてありえないだろうと思っていたのですが公開が決まってうれしい限りです（動画の説明欄によると全国順次ロードショーされるそうなので私も見れそうです。）このドキュメンタリーのすごいところは、soul survivorと同じく当時の、バンド・メンバーなどの関係者のインタビューにあわせ貴重な映像やこれまで未公開だった映像や写真が見れることです（なんとメイシオ・パーカーもインタビューに参加）、また、マイク・ダグラスショーやダイアナプレイスでのインタビュー映像などもきちんと訳されていて我々日本人にとってはあまり馴染みのなかったJBのインタビュー映像なども楽しんで見れるようなりそうです。既に海外ではDVD/ブルーレイ化されているのでこの日本語字幕版も発売されるのかな？公式サイトhttp://www.uplink.co.jp/mrdynamite/
1975年にJBの音楽をより洗練させ、完成度を高める役割を担っていたフレッドウェズリーが脱退、その影響で音の使い方などが大幅に変わった事が確認できる時期、バンドリーダーが変わったのでそれまであった野性味溢れる音は近代的なサウンドへ変化しつつあった、それが結果的によかったのか、駄目だったのかは意見が分かれる。この辺りのアルバムは他とは明らかに違う異様な雰囲気を放っている（良い意味でも悪い意味でも）そのためこの時期の音源は70年代録音だというのにあまり聞かれてはいない気がする。この時期の曲はなぜか避けられているけど素晴らしいものばかりなので是非聞いてほしい。A Man Understands -197880年代のライブ映像や音源を聞くと途中でスキャットが始まるがそれはこの曲から、お前らは分かってないと言って煽るようにスキャットが始まる、「俺はこう言いたい、シャバッドゥダッドゥダッデイ」と文字に起こせば完全にふざけてるとしか思えない言葉を挟みながら進行していく、ただJBにしては珍しいスキャットやゆったりとしたビートで現れる独特の雰囲気や緊張感はI Cant Stand Itに通じるものがある。Hustle (Dead On It) - 1975いきなりJBが全力で叫ぶ以外は静かなファンク、俺たちはこのまま突き進むぜといった感じの曲だが全体的にだらけた印象が感じられる、ホーンを主役として使っていない辺りはSex Machineと同じで原点回帰のような曲だがSex Machineと明らかに違う部分はこの曲にはこれといったブリッジが存在しないところ、延々ゆったりしているのか速いテンポなのかよくわからないリズムが続くので一種のトランスに陥りそうになる。I Got You (I Feel Good)（Sexmachine Todayバージョン）- 1975「俺は今も最高だ!」と言いもはや別物と化したI Feel Goodを歌いだす、ソウルミュージックの I Feel Good を無理にファンク調にする必要は果たしてあったのか・・・・このカバーはあまり好きじゃないけど音の変化を確かめるには丁度いいかもしれない。This Feeling - 1976しばらくはJBにありがちな曲調が続くが突然ドラムの激しい叩きとギターの鋭いカッティングが襲い掛かる、これがやりたかったがためにこの曲を作ったのでは？と思いたくなる程の出来なのでこの部分を聞くために何回もリピートしてしまう面白い曲。I'll Never Never Forget - 1978JBの渋い声が存分に生かされている曲。永遠に忘れないというタイトルのように力強く、素晴らしいビートを刻む、バラードの代わりにこういった曲が入っているのは意外だった（しかもかなりかっこいい！）
ジャケット表ジャケット裏1 Bring It On1967年の曲と同タイトルだが特に関係は無し、たしかにファンクしてるけどこの曲はポップ歌手が無理矢理ファンクをやらされてるみたいな感じになってる、あまり好きではない。2 Todayソウルインストゥメンタル、電子ピアノを演奏してるのはJB？悪くはないけど二回聞くことは多分ない曲3 You Can't Keep A Good Man Downなぜか1970年の未発表曲をここに収録、単調なリズムに合わせJBが叫び続けるかっこいい曲。4 Tennessee Waltzカントリーミュージックは好きではないと自伝に書いていたのになぜかこれをカバー、カントリーミュージックを歌うJBは意外性があって面白い。5 The Right Timeリタ・チアレリのカバー、一緒に歌ってる女性は誰？6 For Your Precious Loveこの曲だけ完成度が高い、アルバム"People"に入っていたリグレーツの続編といった感じ？曲の最後にビウォルダードやトライ・ミーの歌詞をはさむ演出も雰囲気が出てて良し。
JBがヒットチャートから離れつつあった1970年代後期、突如としてJBから最強の音楽が生み出された、それがこの"Get Up Offa That Thing"だ。この曲がリリースされた1976年当時、JBは借金問題、ラジオ局の差し押さえ、ディスコブームの台頭など、数えきれない程の問題を抱えていた、そんな最悪の状況の中から抜け出そうとするように"Get up offa that thing, and dance 'till you feel better, " （立ち上がって踊り出せ、感じるままに動き出せ）と力強く歌うJBを目の前にすれば体が自然と動き出し、最高の気分で踊れることだろう。この曲の何が凄いかというと、多数のディスコ要素を取り込みながらもありがちなサウンドにはならず、あくまでもJBサウンドになっているところ、アルバムバージョンではそれを更に長く9分間ノンストップでグルーヴを維持し続け、そして最後になっても曲に終わりが訪れることはなく、まるで永遠に続くかのようにフィードアウトしていく、このようなサウンドを作ることは当時人気絶頂期だったP-FUNKでも不可能だ。Get Up Offa That Thingは1986年まで続くJB復活劇の第一歩だと思う、前作に続きBody Heatでもマッチョでファンキーな曲を生み出したが、それは自らをトリビュートした内容であってオリジナルを超えることはできなかった、JBのディスコ嫌いは有名だが、人気低迷とディスコの台頭がなければこの曲は生まれることはなかったと思うとディスコとJBの融合も悪くないと思えてくる。というかJBはディスコの人気に圧倒されたから嫌いと言っているだけで元々ディスコは好きだったはず、その証拠にまだディスコの影響で人気に陰りが見える前の1975年に"Sex Machine Today (Disoc soul)"といったアルバムをリリースしている。このアルバムも良作なのでおすすめ。そしてこれは1975年のジェット誌、ジェームスブラウン司会のダンス番組"Future Shock"の特集が組まれている。ここでのインタビューでもJBはこの番組を、「今一番ホットなディスコで若者の関心を寄せ、そこで今起こっている政治問題に興味をもってもらいたいし、純粋に番組としてもディスコのことは俺が一番分かってるから他よりずっと強烈で、いつかはソウルトレインをも超える番組になるだろう」と語っている。
ジャケット表+裏面1.Hot (I Need To Be Loved)デヴィッドボウイの"flame"をオマージュ、悪く言えばパクった曲、デヴィッドボウイを最初知らなかったのでなんでこの曲は埋もれているんだ？っと思ったけどその理由は後になって分かった。2.So Long名バラードをディスコ風味のアレンジに、ストリングスを使いこういった曲にありがちな退屈さを極力排除しているのは高評価。3.(I Love You) For Sentimental Reasonsこちらも名バラードのディスコアレンジ、JBにしては珍しく爽やかに愛してると歌い上げる、Future shock（74年から76年までJBが司会を務めたダンス番組）のオープニングは必ずこれだったし相当気に入っていたのかな？4.Try me「知ってるか？今歌った2曲は俺の曲じゃないが、この名クラシックは俺が作ったんだ、ちょうどPlease please pleaseの発売から3年後だよ、もしクラシックが好きならこの曲は知ってるはずだ、もう一度初心に帰ってみよう」といった語りが入り、壮大なイントロから始まる、原曲と比べて楽器の種類が増え、コーラスもよりはっきりとした感じになっている、そして歌い方も少し変化していて、全体的にスローテンポになっているが様々な楽器が登場するので飽きを感じさせない作りになっている、JBのこういうバラードは大好きなので嬉しい限り。5.Woman同年のアルバム"Body Heat"からのセルフカバー、原曲の泣いてすがるような歌い方とは大きく変わり、自信に溢れた歯切れの良い歌い方になっている、しかし原曲のイメージがぶち壊しなのであまり好きなカバーではない。6.The Future Shock Of The World未来の衝撃というだけあってかなり奇妙な曲になっている、延々同じビートとコーラスが続きJBは"Future shock", "Disco"としか言わず後は強烈なシャウトを浴びせるのみ、これは今聞いてもある意味新しいかもしれない。7.Most Of Allこれはオリジナルだろうか？それともカバー？どちらにしろこのアルバムには原点回帰といった感じの曲が多いので真新しさと懐かしさを感じることができる。8.Goodnight My Loveまだまだ気分は最高だけど眠りにつこうぜといった曲、なぜこの曲をラストにしなかったかが謎。9.Please Please Please「知ってるか、俺は靴磨きをする少年だった、本当に貧しくてつらい日々を過ごし、その過程で常に最良の選択をして生きてきた、そこで俺たちは最高の曲を作った、さあ始めるぞ」といった語りが入ってから自らのデビュー曲のカバーでラストを締める、このバージョンは複数ある中でも飛び抜けて最高で、原曲より更にディープなソウルを突き詰めている。個人的にはオリジナルより好きなバージョンだが、このアルバム自体が地味な存在なのであまり取り上げられないのが悲しい。このアルバムも"Get up offa that thing" "Body heat"と同様の1976年作だけどこれだけ明らかに浮いている、でも"Future Shock Of The World"と"Please Please Please"は一度は聞いてほしい曲なので是非このアルバムを手に取ってほしい。
再アップロード、Get on the good foot, Man's world, For The Love Of Moneyを追加、そして曲順も正しくなって、それに伴い消されていた部分も出てきて古い方より20分程動画が長くなりました。古い方はネットから拾ったものだったので音質が微妙に悪く、曲順も正しくなかったです、しかし今回やっと現物を手に入れることができたのでそれアップロードし直しました、これでわかったことがいくつかあります、まず、誰かがつけたと思っていた歓声は元から入っていたこと（The Godfather Goes To Africaという方のCDは歓声がついてなさそうですがまだ手に入っていません）そしてオマケでついていたブックレットにはザイールライブでの貴重な写真と文章が！（文章は訳し終えたらここに載せる予定です）、そのため動画の画像も変えておきました。これが今回手に入ったCD（2007年発売のブートレグ）これが今一番欲しい2004年版（多分これには歓声がついてなくて、マンズワールドもフルで入っていそう）いつも思うけど80年代のパフォーマンスを発売するならこの時期のパフォーマンスを発売してほしかった、ソウル・サバイバーの特典映像もそうだけどなぜわざわざ2000年代のパフォーマンスをオマケで入れたのかがいまいちわからない、そういえば70年代の映像でお金さえ支払えば見れるのはソウル・パワーに入ってるザイールライブの映像の一部だけという・・・(このチャンネルを始めたのもJBの映像がマイケルやティナ・ターナーに比べて異様に少ないから）今年は没後10周年だし何かレアなものを発売してほしいですな。今回動画に使った画像（かっこいい！）
1988年に起こした警察とのカーチェイスについて男性アナウンサーが語り、その後JB本人が実際のトラックに乗りながら当時の状況を説明するシュールな画。社内の様子、銃で窓を打たれたためガラスの破片がちらばっているこの時の様子を簡単にまとめると（もちろんJBが言ってる事が全て本当ではないかもしれないけど）JBは薬物をキメてから自らが所有しているオフィスのトイレに銃を乱射→その後500万円分の小切手を持ち別の州へ逃走→警察とのカーチェイスへ、このとき銃を車に向かって撃たれてとても怖かったと語っている、そして遂に車が木にぶつかり停車、窓に向かって銃を1発撃たれた後ショットガンをつきつけられる→諦めて降車、別の記事にはこの時歌いながらグッドフットダンスを踊ったと書かれている。そして場面は切り替わりリトルリチャードがこの事件について語る映像へ。リチャードはあいつは人を殺す気なんてないし警察はやりすぎだと批判している。3人目の妻とJB、この妻は1996年、脂肪吸引手術の後に死亡したので死の一年前の映像ということになる。その時のニュース映像ピアノを弾くJB
JBのアルバムでよく言われるのが、「JBはアルバムアーティストじゃないからベスト盤を買え」ということ、個人的にはこれは間違ってると思う、まず言いたのはベスト盤を買えと言われているのはJB＝ファンクという先入観を持っているからだと思う、確かにJBといえばファンクの創始者だが彼の唯一無二の歌声はそのような先入観を吹き飛ばすものということを知ってほしい、JBが歌う"Prisoner of love"と"Bewildered"を聞いてもらえればすぐに分かるはず、なのにどこの記事もベスト盤とLove power peaceのことばかりなのでここにおすすめのアルバムを書こうと思います。Show time 1964年初期の時代（それでもデビュー11年目のアルバムだけど）のJBの持ち味が最大限発揮されている最強のアルバム、全編疑似ライブ仕立てだが収録曲は全て新緑とこの時代のJBにしては珍しいアルバム、去年日本で公開された映画にも演奏シーンとして使われている"Caldonia"や絶好調のシャウトでファンクを感じさせるYou're Nobody Till Somebody Loves You、バラードなのにファンキーな" The Thing I Used To Do"など、JBが本気で歌うソウルが楽しめる、70年代の音源を一通り聞いたらこのアルバムでその原型を確かめてほしい。アルバムカバーは地味に貴重な64年のライブ写真。James Brown Sings Raw Soul 1967年斬新なリズムで歌う"Bring It Up",バック演奏、ボーカルすべてが狂った"Tell Me That You Love Me",名曲"Sexy Sexy Sexy"の原型 "Money Won't Change You"シンプルな演奏に合わせ叫び、時には泣いてるかのように歌う正統派ソウル"Nobody Knows"など名曲揃いのアルバム、ジャケットの裏で笑うJBが素敵。I Can't Stand Myself When You Touch Me 1968年これこそJBの最高傑作、JBを語る上で重要な曲が5曲も入っている。表題曲の緊張感抜群の"I Can't Stand Myself",独特のリフが記憶に残る"There Was A Time",銃声のようなリズムを刻むインストゥメンタル"The Soul Of J.B.",ボビーバードとの感動的なバラード"You've Got To Change Your Mind",軍隊の行進のようなドラムで疾走感を増している"Time After Time"など、捨て曲一切無しで挑んだアルバム、1967年にフェイマス・フレイマスが解散しさらに音はファンキーになり、まさにファンクへの行進を思わせる。Mutha's Nature 1977年この時期はいわゆる"低迷期"と言われる時代、しかしそれはディスコブームが巻き起こした猛威にJBが圧されていたという意味での低迷期であってJBの音楽がつまらなくなったという意味での低迷期ではないと思っている。それはこのアルバムを聞いた瞬間わかるはず、なんといってもこのアルバムには5曲ものファンキーなサウンドが詰まっている。冒頭の"Give Me Some Skin"からいきなり"お前の肌を触りたい"とJBらしさ溢れる歌詞で攻めてくる、そして"People Who Criticize"ではノリノリのビートに合わせ「批判なんてするならこれで踊れよ！」といきなりJBがピアノを叩いたと思いきやスキャットが始まる、"People Wake Up And Live"は当時のディスコブームについて「目を覚ませばそこにライブがある、俺の所にまた来いよ」と問いかける、こいういった曲が入っていることで当時JBの人気がどれほど下降していたかが分かるはず。Soul Syndrome 1980年JBが本来のサウンドを取り戻し、60年代にカムバックしたかのような音楽が聞けるアルバム。冒頭の"Rapp payback"で前作"Original discoman"とは明らかに雰囲気が違うことがわかるはず。これこそ本来のJBサウンドが戻ってきた証拠であり、ファンには絶対に聞いてもらいたい復活作でもある。4曲目のSmokin’ & Drinkin’のビートはファンキードラマーに次いでサンプリング人気がある。I'm Back 1998年65歳となったJBがアルバムタイトルにある通り最新のサウンドを引き連れ戻ってきた傑作アルバム、年齢を考えれば本来出ないはずの脂ののった叫びを是非聞いてほしい。このアルバムの売りはなんといってもヒットチャートにも攻め込んだ新曲"Funk On Ah Roll"だろう、男性コーラスと勇ましいホーンにのせて叫ぶJBは未だに健在であったことの証明になるはず。 "I Don't Hear No Music"は8分に及ぶファンクで70年代のJBを感じさせる作りになっている、これを聞いた当時のファンは悶絶したに違いない。"Every Part Of My Heart"は以外な選曲で、60年代中期のインストアルバムに入っていた曲をここで持ってくるのには驚いた、原曲と比べるとJBのオルガンが前面に出ており、他にもセルフカバーをこのアルバムに入れているのを見れば、いかにJBが戻ってきたかを嫌でも分からされるだろう。
ジャケット表面+裏面同封の写真集1. Get on the good foot自慢の足で踊りあって仲良くなろうぜといった感じの曲、後ろでポンポンなってるギターと歯切れのいいボーカルが心地いい、ライブ版で入る"SHOOT!"はI Got Bag My Ownから2. The Whole World Needs Liberatation50年代スパイ映画にでも使われていそうな怪しい雰囲気、全世界を開放すべきというタイトルの通り"グルーブこそ解放への道だ"などとまるで宗教かのような歌詞は必見。3.Your Love Was Good To Me2曲目の怪しさ満点の雰囲気から一転、まだ3曲目なのにまるでアルバムラストのように壮大な演奏でパワフルに熱唱、ストリングスを使ったりして全力で挑んでる感じはあるがJBらしさはあまりない。4.Cold Sweatセルフカバー、原曲に比べかなり勢いのあるカバーになっているが流石に原曲には劣る5. Recitation By Hank Ballard"WORLD"にのせてハンク・バラードがJBの半生を語る、このアルバムはカバー曲が5曲も入っているのでこのアルバムを聞くにあたって重要な立ち位置を果たす曲。6.I Got A Bag Of My Own喉から絞り出すようなシャウトが印象に残る曲、こんなにテンポとテンションが高い曲は珍しい。7. Nothing Beats A Try But A Fail6曲目のテンションに疲れたのかまたゆったりとしたバラードを歌いだす、正直言うと2曲目と3曲目でバラードは充分。8.Lost Someoneこれは別の曲と考えた方がいいかも、原曲と似ても似つかない豪快なアレンジだけどこの曲はそういう曲じゃない気がする。9.Funky Side Of Town [feat. Bobby Byrd & Hank Ballard]ここで6曲目のテンションが復活、やっぱりこういうノリがいい曲がJBの持ち味なのでうれしい限り、ボビーバードとハンクバラードの掛け声もこの曲の良さを引き出している。10.Please Please Please当時やってたライブバージョンのテンポを少し落としてバンドとの思い出を語る、Please Please Pleaseはデビュー曲でもあり初ヒット曲でもあるから大好きだけど10分以上やる謎さ加減が・・・この曲をこんなにやるならI Got Bag My Ownをもっとやってほしかった。11. Ain't It A Groove愉快な半インストゥメンタル曲、このカバーはギャグみたいなバージョンになっている、オリジナルとそんなに変わらないのになぜなのか・・・12.My Part Make It Funky11曲目のギャグみたいな曲から突然グルーヴ最高潮のMake it funkyへ、このバージョンはサビの部分がオリジナルより数段かっこよくなっている、こういう曲を伸ばしてほしいけどなぜかバラードが長いのがJBのアルバムあるある。13. Dirty Harriベースの効いた渋いインストゥメンタル、JB'Sが奏でるクールな演奏に反対するかのようにJBのへんてこオルガンが炸裂。14 I Know It's Trueこの曲だけ声がちょっと若いのは気のせい？演奏とJBの声がマッチしてて飽きずに聞けるバラード。
このブログではJames Brownのアルバム/映像を紹介していきますYoutubeもやっていますのでそちらもどうぞ
