この間、初めて「ターミナル」という映画を観た。トムハンクス主演、スピルバーグ監督作品というので話題になった映画だ。後半、ジャズミュージシャンに会いに行くという設定には、ぐっときた。
 以前にも書いたことがあるが、僕がニューヨークにはじめていったきっかけには、ジャズベーシストの中村健吾さんを訪ねるという目的があった。
 「ターミナル」と同じJFK国際空港に降り、雪の舞うニューヨークを歩いた。人なつっこい笑顔の健吾さんと暖かいおもてなしを今もよく覚えている。
 マンハッタンの健吾さんのアパートでコルトレーンのバラードを聴き、ボブケンモツさんのintimationsというアルバムもきいた。このアルバムは特に一曲目がいい。
 冬のNYのピンと張りつめた空気をよく覚えている。
 ヴィレッジバンガード、エンパイヤーステイトビル、メトロポリタン美術館…と、あちこちに出かけた。タクシーでブロードウェイを走ってもらい、タイムズスクエアの賑わいも観ることができた。
 ハーレムのアポロシアターでは、アマチュアナイトという名物の水曜日に出かけた。日本人が金にものをいわせて、一階席の特上の席に陣取っていた。早口の英語で司会の人に日本人が小馬鹿にされているのを見た。
ボブケンモツ