どちらが勝ってもいいと思っていた。本当に良い試合だった。
 でも、駒大苫小牧が負けてわかった。やっぱり僕は駒大苫小牧を応援していた。

 早稲田には思い入れがある。
 
 我が家は、簡単に東京の私立大学に行かせてもらえるほど裕福ではなかった。まして僕は長男、下には弟が控えている。
 それでも、両親は早稲田か慶応だったら行かせてやろう! と言ってくれた。
 理由は、後できっといいところに就職して返してくれる、つまり元がとれるから! という分かりやすいものであった。
 一番入りやすいと言われた早稲田の商学部を受験した。親には申し訳なかったが、偏差値的には絶対に無理だったので、80%以上観光目的記念受験だった。
 ものすごい人混みの中で、ありえないほど難しい試験に「絶対に入らない!」と思いつつ試験の時間を過ごした。
 受験後、大隈重信の銅像を何回も振り返って見た。二度と来ることはないから…(涙)。
 帰りには、五木寛之が通った喫茶店にも寄った。確か慶応大学も見物に行ったと思う。

 やはり落ちた。あまりに多い受験生のため、早稲田には時々間違い合格者がいるという噂があった。その間違い合格者になるためには、「受験しない方がいい」という恐ろしい噂があった。つまり、自分の受験番号前後の人が合格した場合、欠席した受験生の場所に合格点が入力されるというのだ。
 その噂を聞いて、「受験しないかなぁ~」と考えた自分はかなり情けなかった。

 結局、受験してしまった僕は予想通り不合格だった(涙笑)。

 そんな愛憎(?)の思いが早稲田にはあった。

 いずれにしても、すばらしい試合だった。道民もみな駒大苫小牧を讃えている。胸を張って帰ってきて欲しい!