いまだから語れるジャズデイ | TAKAO FUJIOKAのジャズグラブログ

いまだから語れるジャズデイ

はい。コチラが今日のトピックス。

<大阪観光局>赤字2700万円、局長が自費で補填
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141022-00000038-mai-soci

記事を読むと、赤字の原因のひとつに
「インターナショナル・ジャズ・デイ」
のことが上げられている。
「今後はリスキーなイベントはやらない」と
と締められているところが、なんとも情けない話だ。

文中にあるように「ジャズ・デイ(4/30)」よりも、
同会場で開催予定だった「韓国フェス(4/26~27)」が
中止になったことが何より大きい。
「約1億4700万円見込んでいたチケットが約3300万円」
と書いてあり、「ジャズ・デイ」に全然人が
集まらなかったようにみえるが、
単純に3分割したと考えても4900万円、
1億の赤字は韓国フェス2daysなのだ。

実際に、「ジャズ・デイ」は7,000人集客している。
(観光局発表の数字なので少し盛っているだろう)
チケット代を考えても、決して少なくない数字だと思う。
そして、コンサートは素晴らしかった。

今回の問題を受けたSNSの反応では、
「宣伝不足」という単語をよく目にした。
しかし、新聞・テレビ・雑誌に影響力がなくなり、
ネットで情報が細分化されている今日、
自分のアンテナに引っかからなかったことを
「宣伝不足」と片付けるのはどうかと思う。


ジャズ雑誌に載ってたやん?

ジャズ雑誌なんか読んでないもん。

新聞にも載ってたやん?

新聞とってないもん。

テレビニュース流れたやん?

テレビみーへんもん。

ジャズクラブにポスター貼ってたやん?

ジャズクラブいかへんもん。

御堂筋にノボリ並んでたやん?

御堂筋通らないもん。


もし「大阪マラソン」のような
広報を期待してるなら、それはムリがある。
規模も違うし、交通規制をしくわけでもない。
なにより「ジャズ」にそこまでの市民権はない。

もちろん、運営側の告知が十分だったとも思わない。
公式サイトもお粗末なものだったし、
観光局のツイッターは花見情報ばかり流していた。

何より一番残念だったのは、地元のジャズシーンとの
連携が上手くいかなかったことだと思う。
「なんでワシたちがあのステージにあがられへんねん」
と言う地元ベテランミュージシャンもいたそうだが、
そのような、しょーもない連携ではない。
「ウェルカム」な空気を作れなかったということだ。

良くも悪くも、関西のシーンは、
ジャズミュージシャンが作ってきた。
(関西最大の組織「NPO法人 関西ジャズ協会」は
ミュージシャンで成り立って、運営している)
よそから来た「プロデューサー」という肩書きの人間が
シーンの懐にはいりこむには、時間が全然足りなかった。
(ぶっちゃけ、ほぼ不可能に近い)

しかし、記者会見で正式発表されると同時に
先のジャズ協会や、いろんな人間が
プロデューサーの元へ挨拶にきたのも事実。
既得権益。フェスって政治だなと痛感した。

しまった。話がどんどん脱線している。

二度と大阪でこのような大規模ジャズフェスを
開催することはないだろうことは、
今回のニュースから簡単に推測できる。

左手の雑木林からは虫の音。
右手にはライトアップされた大阪城がそびえ立ち、
その頭上には、伊丹空港へ向かう飛行機がたくさん通りすぎる。
心地よい夜風と神聖なジャズの空気に包まれたコンサート。
2014年4月30日、ジャズデイ。

「戦争は人の心の中で生れるものであるから、
人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」
ユネスコ憲章が、むなしく響く。