新宿中央公園で後輩から相談  | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

深夜3時半に一旦目覚め、Eみさんが猫とじゃれつく夢見た今朝は8時ちょっち前に起きた。

朝食は稲庭うどんを茨城産ほうれん草と茹でて食うた。デザートは和歌山産八朔。

牛乳飲みながら福居良→斎藤真理子→後藤浩二→菊池ひみこ→本田竹曠とピアノ演奏をユーチューブで聴いた。

昼食に花川戸「ブラカリ」へ行ったら満席なんで、西浅草「イマージュ」へと。頼んだのランチコースで、メインに梅里豚のポワレ選んだ。前菜盛り合わせ、バゲット、プチデザートにブランマンジェが付いて2420円也。

満足して店出て、スーパーで食料買うて帰宅。

風呂に小一時間浸り考えとった。香港で、20年に施行された香港国家安全維持法を補完する国家安全条例が今日施行。スパイ行為など国家の安全を脅かす行為を取り締まるちゅうんやが、犯罪行為の定義が広く曖昧やと指摘されとり、企業活動などへの影響が懸念されとる。曖昧にする事で香港人や居る異国人の言論や行動の自由を制限するんや。中国本土では何人もの日本人がスパイ行為したと捕まっとるが、香港でも日本人がスパイ行為したちゅうて捕まりまっせ。

友人にメール送付した。

大相撲中継をラジオで聞いた。尊富士が朝乃山に敗れ二敗目で、本日の優勝ならず。

夕食に土鍋出し、入れたんはブラジル産鶏肉、北海道産玉ねぎ、千葉産大根、豆腐。デザートはチーズケーキ。

「サッポロ 麦とホップ」ロング缶飲みながら塩谷哲→熊谷泰昌→大野雄二と、これ迄ライブで聴いとるピアニストをユーチューブで聴いた。

自民党の参議院議員であらせられる長谷川岳には、自身が主張する「正確な情報を伝えているか」「不都合な情報をしっかりと開示しているか」「正しい見立てを立てた情報発信となっているか」ちゅう三つを厳守して欲しいもんやが、3年8ヵ月お付き合いいただいたEみさんが大嫌いな輩がどないなもんやったかメモ書きを写しますわ。

 

 

Eみさんの住まいに行ったら、ドア開けた彼女はにこやかな顔しとって、いつもより丁重に招き入れられた。

彼女は冷蔵庫から1ℓパック牛乳出し、食器棚からコップ2つ出して、椅子に座った。

ワテも向かいの椅子に腰掛けて云うた。「よう気がつくやないの。咽喉渇いてまんねん」

にこやかな顔の儘でコップに牛乳注ぎそれぞれの前に置いたEみさんが尋ねるんや。「新宿中央公園知ってるでしょ?」

「むくつけき友達と休んだ事ある。その隣がバブルの塔呼ばれる都庁や。津波に襲われる地区やないのに、高くでっかい箱もんつくったら掛かる維持費もまたデッカイのに、性懲りもなくワテ等の血税使うて」

話の途中なのにEみさん、ワテの顔に伸ばした手の平向け遮り、「その話は何度も聞いてるね。お仕舞い。今しているのは、その隣にある公園のお話でしょ」

「まだ批判し足りないんやが。新宿中央公園がどうしたんや?」

「一昨日の仕事終えた後、会社の後輩からあそこに呼び出されちゃったの」

牛乳一口飲んだワテ「あの広~い公園に呼び出した後輩って♂?」

「安心して。女のコだょ」

「元スケバンやろ。Eみちゃんは目配り気配りしとるのに、そのコは先輩風を吹かせ調子こいとるちゅう反感持っとって、あそこにある新宿ナイアガラの滝に落として溺れさせようとしたんやな」

「あそこでは溺れないでしょ」

「ほな、公園内の熊野神社に引っ張り込まれ、焼き入れられたん?」云うて、彼女の顔見回して、「殴られた痕は無さそうやけど」

「青春ドラマの見過ぎだね。そんな事じゃないから」

また一口飲んだワテ「分かった。金貸して欲しいって云われたんやろ?」

「違うね」

「そやろな。もしそうなら人選を間違っとる」と呟いた。

「声潜めても聞こえてるから。そのコの人選は確かなんだね、ピッタリ」

「Eみにピッタリって、何の用があったん?」

Eみさん、またにこやかな顔になった。

「彼氏の扱いを相談されちゃったぁ」

「彼氏の相談。ソウダンですか」

「駄洒落云ったの?」

「ソウダンです」

「ハイハイ」

「それで受けたん?」

「そんな駄洒落、受けないね」

「そやなくて相談の方」

「勿論で~す。後輩を応援しなくちゃいけないし、得意な分野だったからしっかり答えました」

「得意な分野なん?」

「そう。身近に端的な例があるしねぇ」

「身近・・・」

{またワテの事が絡んどるんか}と思いつつ「相談の中身は何やの?」

「彼氏は滑舌がよくて口が達者な自信家なんだってさ。それだけだったらいいけどねぇ」

「狼少年なんやな」

「しかもぉ、人を論破するのが大好きなんで、そのコ困ってるんだってさ。どう思う?」

ワテの冗談無視して云うた彼女、ちょっち顔傾けてワテの顔覗くやないの。

{やはりワテの事が絡んどるに違いない}と警戒しつつ「ロンパルームかいな」

Eみさん、ワテの洒落無視して牛乳飲んだ。

咽喉湿らせたEみさん「その癖は直せるものなのか知りたいんだってぇ。だからぁ、気持ちを汲み取れるあなたなら大丈夫、努力は要るけど直せるって答えたの」

「後輩の付き合うとるの、相手の主張は受け取らん輩で、自分の弁舌に自己陶酔しよるんやと思う。直すのごっつ難しいでえ」

「そう、自分の事だけなのさ。だからぁ、そのコが的確な努力して直すんだょ」

「どないな努力が要るんや?」

「中国の古典だょ」

「ちょっち町屋北千住。それってお前様が愛読書にしとる「孫子」と「韓非子」やないよな?」

「当てるねぇ。「孫子」と「韓非子」読み込んで、相手がグウの音も出ないよう論破仕返すんだって教えたょ。論破したがる人は現実をとっても単純化し図式化して話すでしょ。自分の事は棚に上げて他人を非難するでしょ。だから、逆に論破し易いから大丈夫だって」

「それはあかんわ。穏当やない」

「S吉に否定されるとは思いもよらなかったょ。とっても意外だなぁ」

{意外そうな顔しとらんやないか}と思いつつ「Eみちゃん、先輩として節度保った行動を促さんと」

「君、弱い者程力を誇示したがるって云ってたよね。あのコの彼氏みたいな弱い男って、勝ちたくて、勝ちたくて、それだけ考えて生きてるのさ。他人にどう見られてるか意識出来ないんだね」

「その男、今頃くしゃみしとるな」

「論破する度に自分が偉くなったと思うんだね。始末に悪い優越感に取りつかれてるから、彼氏の為なんだと気持ち奮い立たせて天狗のように高くなった鼻をへし折らないといけない、って励ましたの」と云うて、手にしたコップの牛乳飲み干して続けた。「論破依存症なんだから、治さないと。醜い自分の姿をきっちり見定められるようにしてあげないと」

彼女は演説するように勢い込んどったがな。

「そんな戦闘的な事しては世に平和が無くなるでえ。平和的に解決図ろやないの」

「平和の為の戦いだょ。君がよく云うでしょ、現実から目を背けてはいけないし、綺麗事並べたって解決はしないって。馴れ合いでは何も解決しないとも云うでしょ」

「せやな」と云い、努めて優しい声出し「けどなあ、そんな前のめりになっても」

云い掛けた言葉を、またEみさん手で制した。

「それに君は、いつの世にも戦争仕掛ける輩は居る。平和ボケは愚かだとも云うじゃない」

「云うでえ。せやけど、無益な戦いを持ち込んではあかんわ。平和ブランドを掲げ続けまひょ」

「でもそのコの彼氏、好戦的なんだょ。弱いと見たらドンドン攻めて来るんだょ。対抗する力を見せつけないと奴隷扱いされてしまうだけでしょ」

「論破癖出して来たら、柳に風と受け流せばええだけですわ」

「論破出来る相手と見くびってるからする悪い癖は、彼氏の為にも直さないと駄目でしょ。論破に勤しんでたら、いつか酷い目に遭うね。だから今、他人にやっている事に後ろめたさを感じさせないといけないんだね」

「その考えも分かる。けど、論破仕返そうとすると単なる醜い争いになるだけや思うでえ。黙殺するんがええ」

「分かって無いなぁ」と呟いたEみさん、続けて「強いと思い込んで力見せつける男には自分は弱いんだって自覚させるしかないんだね」

{ワテさせられとる}と心で呟き、「そんな奴は負けそうになったら却って強さ見せつけようと意地張りよるでえ。それに為せば成る為さねば成らぬ何事もちゅうのは危うい考えでもあんねん。そやから手の施しようが無い癖と思うた方がええねん」

「やってみなくっちゃ分からないね」と云うて頷き、Eみさんは拳つくって続けた。「決意をもって臨むんだね」

{お前様の無駄使いと同じで直らんわ}と思いつつ「こっちに決意があってもその男には無いねんから極めて難しいでえ。そのコが別れるつもりが無いんやったら、やはり柳に風作戦やろ」

「そんなの作戦じゃないね。目を瞑ってやり過ごすのは、不甲斐無いからでしょ。やるべき事をやるべき時にやらないと後悔するね。しっかり躾なきゃ。身に沁みて分からせて、論破男を真っ当な人間にしなくちゃ」

{いつになく力んどるな}と思いつつ「でも後輩のコは、そんなん自分には出来んと云うたやろ」

「やってみます、って元気な声出したょ。素直でいいコでしょ」

「ほんまかいな・・・」

「S吉みたいじゃないもの」

「どうせワテは素直に気持ちを表現出来まへんよ」

「捨て鉢だねぇ」とEみさん嬉し気やないかい。

気を取り直してワテ「自分一人で何とかしなけりゃならんちゅう意識は持たんた方がええけどなあ」

「だから相談したんでしょ」

{他の人に相談した方がよかった気がする}と思いつつ「ま、お前様は好戦的な奴の心配する必要サラサラ無いからええな」と云うてみた。

「そうかなぁ。そのお言葉には疑問符浮かぶね、二つも三つも」

「浮かばんやろ」

「プッカリ、プッカリ、プッカリと浮かぶね」

「お前様の傍に居るのは、何かがあったにしても優しゅう説得する人で、論破しよとはせんやろ」

「論破しょうとはしてないかもだけど、理屈を並べて、難しい言葉使って煙に巻こうとする人は居るねぇ、身近に。煙幕で視界を閉ざして逃げようとする人が」

「そうなん?ワテは煙草喫わんからそんな芸当出来ひんなあ」

「喫わなくとも煙出すんだから手品師かしら」

ワテ、つい舌打ちしてもうた。

「舌打ちなんかしてる人が居るぅ」

「ワテの身近には都合悪くなると小芝居して逃れようとしよる女優が居るでえ」