天皇の間記念公園 プロローグ  | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

一旦3時に目覚め、サ氏と口論する夢見て目覚めた今朝は7時ちょっち前に起きた。

朝食は昨夜スーパーで3割引やったポテトサラダと明太子おにぎり2つ。

小泉邦男→内堀勝→原田靖→角田健一→アービー・グリーンとトロンボーン演奏をユーチューブで聴いた。

友人にメール送付した。

「ミーユエ」第九話をユーチューブで見た。

昼食は久し振りに東日暮里「黒さわ」へ行った。本日の選べぬランチは刺身、秋刀魚開き塩焼き、もうか鮫のフライに味噌汁、ご飯。990円也。食いながらナカ君とサ氏と天皇の間記念公園に行ったの思い出しとった。

スーパーで食料買うて帰宅。

メモ書き捜した。

風呂に小一時間入って考えとった。裁判員制度が今日で15年なんやて。選ばれればきっちり引き受けようちゅうワテなのに未だ選ばれとりまへん。しかし、裁判員休暇を導入しとらん企業が五割ちゅうのがあかんわ。政府は裁判員制度維持するつもりどれ程あるんやろか?

ほな、なぜ天皇の間記念公園に行く事になったかを書き留めとったメモ写します。

 

 

雲見えず日が照りつける暑い日、天皇の間記念公園に行ってみた。そのメンバーはナカ君とサ氏にワテの燕軍ファン三名。

経緯はこうですわ。

暑さ涼しさがまだ定まらぬ時節、神宮球場の外野席でナカ君と燕軍を応援しとったら、紙コップビール持ったサ氏が姿見せ、丁度空いとったワテ等の真ん前の席にドッカリと腰下したんや。

試合は6回の表になっとって、燕軍が1点リードしてた。

血色ええ顔したサ氏、ナカ君の方を振り向き大声で「久し振りだ」と云うて、手にしとる紙コップのビール飲んだ。

ワテからは視線外れとったが、その元気そうな顔見て云うた。「野天風呂以来ですな」

ナカ君も愛想よう挨拶した。「お久し振りです。暫くお見掛けしませんでしたから、お忙しかったんですね」

ところが、サ氏身を乗り出して「週末、天皇の間記念公園に行ってみようや」

{いきなりそれかい}と思いつつ「天皇の、何と云われました?」

「知らないのか、天皇の間記念公園」と、また大声出した。

「天皇のマでっか?マって舞うの方でっか、それとも磨くの方でっしゃろか?」

「御用邸の天皇の間を移築したから天皇の間

「部屋ちゅう意味でっか」

サ氏頷いた。「観てみたいだろ」

ナカ君とワテ、顔を見合わせ暫く間を置いた。

「見たいだろ」

促すように繰り返すサ氏。

「そんな所があるんですなあ。ちいとも知らんかった」

「天皇って昭和天皇ですか?それとも明治天皇?」と問うナカ君。

「県令の三島通庸が構えてた別荘だったが、大正天皇が皇太子の時に夏を過ごされたのが初めで、気に入られていたから献上したんだ。避暑地として昭和天皇や他の皇族達も訪れて利用されていたんだ」

「避暑地やから山の中とか夏涼しい所やね」

「どこにあるのですか?」と、サ氏に問うナカ君。

「そりゃあ、高天原でっしゃろ。宮崎県の高千穂か奈良県の葛城山か茨城県の多賀やろ」

不満げな顔したサ氏「栃木の塩原だ。福渡温泉と云う所の近くらしいぞ」

「福渡温泉でっか?」

左程興味無いもんやったんが、それ聞いて俄かに興味湧いたワテや。

「Sさん、ご存じですか?」とナカ君。

「そこ、中学時代の友人と行って泊まっとる。ちゅうか、塩原なら今すぐ思い出せるだけでも大網温泉、畑下温泉、塩の湯温泉、元湯温泉に友達と泊まってまっせ」

「Sさん、声が弾み出しましたね」とナカ君。

「麻雀出来ないし、車の運転出来ないばかりか知識もからっきし無いし、歌謡曲も知らないが、温泉には詳しいな、あんた。誰と一緒になのか、ちょくちょく行ってるんだな」

サ氏、皮肉っぽい口調で云うた。

「温泉巡りが趣味なんで、いささか」

サ氏、顎を撫でながら「女と行ってるのか?取っ替え引っ替え」

「男の友達とですわ」

「そっちか。そういう趣味なのか」

サ氏、真顔で云うた。

敢えて否定するのもアホらしいんで黙っといた。

「二人共週末予定無く家でくすぶってるんだろ?」

ナカ君見たら、曖昧に頷いとった。

言葉発せぬワテに向かってサ氏「国民の統合の象徴だぞ、天皇は。日本国民なら一度は訪れたいよな。あんた、移民と違うだろ」

「明治維新で没落した士族の末裔です」

「天皇の間を観る、このいい機会を失うな」と、睨みを利かせて云うサ氏。

{サ氏には何か他に意図があるんやろか?}と思いつつ「天皇制を異国人に説明でけへんのに移民政策推進しとる政治屋は行って観ますやろか?」

「何云ってるんだ。政治家だろうと経営者だろうと会社員だろうと訪れたい」と断言するサ氏。

「塩原の温泉に浸れるんやったら考えますわ」

サ氏は手上げて大声張り上げ好みの移動売りコを呼んで、ビール代を払うて受け取ったビールを咽喉鳴らして飲んだ。そして、腕組みして云うたんや。「決まりだな」

そして、彼は背を向けた。

相変わらず強引なサ氏やった。

そんなんで週末に塩原へ行く事が決まってしもたんや。