一旦目覚めたの3時ちょっち前。M子と口でジャブの応酬しとった夢から覚めて起きたの7時半。
佐藤允彦&メディカル・シュガー・バンクのアルバム「MSB」をCDで聴いた。
朝食は山形産つや姫米でご飯炊き、くめ納豆、紀州産梅干で二膳。デザートは岩手産トマト。
「明蘭~才媛の春~」第37と38話をギャオで見た。兵法は戦ばかりに使うもんやないわな。
昼食に上野「ブテイユ」へ行ったら、前日迄の完全予約制になっとって、近辺の目星付けた店へと歩き回ったもののランチ難民化。仕方なく上野の山上がり、久し振りの上野桜木「菜の花」へ。思いの外空いとった。流れとる演奏は藝大関係の客が多いからかクラシック。頼んだのはまたお茶漬けセットで1650円になっとった。やはり前菜盛り合わせが旨い。
満足して店出て、郵便局で金下ろして帰宅。
しかし学生時代の友達とは会うと瞬く間にその時代の自分達になりますなあ。出て来たメモを写しますわ。
M子がやって来たんで、また皆で集まる事になったんや。EI君は出張の為来られなかった。
ワテが騒がしい店内に入ると、既に皆集まっとって賑やかに笑い声弾ませお喋り楽しんどった。しとった話は山田洋次監督「男はつらいよ」のフーテンの寅や。
「わたくし、生まれも育ちも東京 葛飾 柴又です。渡世上故あって、親、一家持ちません駆け出しの身もちまして姓名の儀、一々高声に発します仁義失礼さんです」
Mちゃんの抑揚つけた物真似が済んだところやった。Mちゃんは寅を語る時は嬉々とするんや。
ワテが到着したんに気づいたM子が皆に云うた。「トラが来たよ」
「猛獣とちゃう」
ワテが腰下してからも暫くフーテンの寅話が続いたんやけど、ワテはあのシリーズ余り観とらんので皆の会話聞いとった。
話題を変えたのはMちゃん。こちらにやって来る移動の道々、今時の若人について思いを巡らせとったんやて。
「若い連中は諺を知らな過ぎるよね」
「確かに」とDOD。
暫く黙っとったワテ、すかさず云うた。「ほんまや。嘆かわしい事に、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は由利徹ちゅうの、理解出来ひん人が多くなって来とる」
笑うたのはOKだけ。
「由利徹?」とM子。
「たこ八郎の師匠だった人」とMちゃん。
「たこ八郎は知ってる。その師匠、どんな人だっけ?」とDOD。
「チンチロリンのカックンの人」とOK。
M子はお笑いに関心無い人やから知らんの頷けるものの、DODが知らずOKが知っとるの、ちょっち意外やった。
「由利徹を知らんから想像出来んねん。清楚な百合の花と由利徹の対比しての面白さを」
「芍薬、牡丹って美人を形容してるんだよね」
そう云うたDODは由利徹から話を離したい様子やったが、ワテはもうちょっち留まりたかった。
「それは知っとりますな。けど、如何にも昭和なコメディアン由利徹を知らんとはなあ。まだ亡くなってから十年位しか経ってないやろ」
「知らない」
「DODは美形にしか興味無いんだわさ」とからかうM子。
「そのS吉のギャグも知らない。聞いた事無いよ。ある?」と、上半身捻ってOKの顔見たDOD。
「歩く姿は百合の花は知ってるけれど、S吉のは聞いた事無いわ」とOK。
「男達の間で美人を見つけた時に云ってたんだよ、きっと」と、ワテを見据えたM子。
それ、当たらずといえども遠からずやった。
「そういう事ね」と納得した様子見せたDOD「芍薬と云えば、行ったわね、大船の植物園」
「大船フラワーセンターで芍薬見たね。綺麗だった」とOK。
「行ったね」とMちゃんも。
「大船で芍薬?」
「あんたも行っただろうが」とM子は怪訝そうに云い、「まだ二十年程前の事だよ。ボケる歳でもないのにさあ」と嘲るような口振り。
「二十年前云えばもう二昔前やないかい」と呟いた。
「色々な品種が咲き誇ってたね。S吉はバラが咲いている所へ行ったきりだったから芍薬の花は憶えて無いのね」
「皆でエレガントな芍薬に見惚れてる時、さっさと居なくなってた」
そうOKとDODに云われて記憶が蘇ったがな。六人で行ったわな。
「S吉には協調して行動する気持ちが欠けてるのさ」とM子。
{ええやないか、お目当ての花は人それぞれなんやから}と思いつつ云うた。「EIの運転する車で行った所か。あれって大船やったんか」
「あんた等男はね。あたし等女子は大船駅から歩いたんだよ」と嘆かわしげに云うたのM子。
「そうだった。梅雨に入る前だったけど蒸し暑い日だったから汗ばんでしまったわ」とOK。
「乗せてくれなかったのよね」とDODが責めるように云うた。
「あの車に六人乗れなかったのかしら?」とOK。
「この詰まらない事しか云わない理屈屋の厄介者をトランクに体縮めさせ入れておけば全員乗れたんだわさ」と、顎でワテを指すM子。
ワテはフーテンの寅を真似て云うた。「それを云っちゃお仕舞いよ」