幕川温泉「水戸屋旅館」86年の初夏 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

今朝は7時に起き、昨日買うた山梨産桃で桃パスタつくって食うた。デザートはチーズケーキ。

友人達にメール送付した。

洗濯してから、ぬるめの風呂に小一時間浸り、西日本の記録的豪雨被害で雨の怖さとインフラ整備強化を考えとった。地球温暖化で益々こないな災害が増えそうや。それにしても安倍晋三内閣は緊急の要務は何と考えとるんやろ?

井上真紀→情家みえ→坂井レイラ知美と歌をユーチューブで聴いた。

Mちゃんに云われとった浅草の夏の風物詩ほおずき市でほおずきを買うて、昼食は西浅草「鍋茶屋」へ行ったら開店後5分のはずやがほぼ満席。大テーブルに相席でランチうな丼を食うた。1080円也。

満足して店出て、歯医者復活戦へ向かい、サディストに治療受け、スーパーで食料買うて一旦帰宅。

ほな、メモ書き写しますわ。

 

 

幕川温泉「水戸屋旅館」には二度泊まっとる。86年の初夏が最初で、H世っちとITちゃんのカップルと行ったんや。

日本秘湯を守る会の会員宿に泊ろうとなって、選んだのがこの宿ですわ。

幕川温泉は福島市土湯温泉町になるんやけど、土湯温泉街から近くはない。吾妻の山並みを縫うように吾妻スカイラインを行き、海抜1300m近い山の奥のブナ原生林に囲まれた谷間に二軒の宿が隣り合っとる。その一つが「水戸屋旅館」や。

冷たそうな渓流のせせらぎが間近に聞こえ、緑陰でなくとも山の静けさに包まれる。夏はごっつええ所やが、話し好きな小母ちゃん仲居によると紅葉の時節はこの辺りめちゃ綺麗なんやて。積雪期は休業せざるを得ない地でもあるちゅうこっちゃ。

茶で咽喉湿らせてからH世っちと風呂へ行った。

露天風呂には爺さま達が皆無言で浸っとった。

そう云えば、仲居が今日の宿泊客で若いのはワテ等だけやと云うとったがな。

この露天風呂の湯は硫黄な臭いする青みがかった白濁しており、ちょっち湯の花が散っとった。適温やさかい、周りの樹々眺めつつゆっくり浸った。

湯量が豊富で掛け流しの内湯は熱い。ワテは短時間で出て体磨いとったが、H世っちは皮膚が厚いんやろ、タオル頭の上に置き湯の花舞う湯の中にじっくり浸っとったでえ。
泉質は単純硫化水素泉。

部屋に戻りタオル掛けにタオルを下げると、大きな登山用リュックから新聞紙に包んだ一升瓶を出した。

ふたりを驚かせたろと、ワテはカクテルにブルーハワイをつくって一升瓶に入れて持って行ったんや。

「手土産ですわ。飲もやないか」

「何持って来たの?」とITちゃん。

「どぶろくか?」とH世っち。

「どぶろくはこない鮮やかな色しとらん。さっき入った風呂の湯の如き色や」

「青ざめてるな」とH世っち。

「お前様、どうも表現がズレとる」

目論見通りふたりは驚き喜んでくれた。そして茶碗に注がれたそれをふたり共一口ゴクリと飲んだ。それからお代わりしガボッと、またお代わりしガボガボ飲んだ。ピッチが速かった。

ホワイト・ラムがベースになっとるさかい、夕食に呼ばれた時にはもう三人とも出来上がっとった。

食事処に行ってみると、湯治に来とるんか年配の二人連れの客がほとんどやった。

料理は山菜に岩魚など川魚。

夕食時ビール頼んで飲み、部屋に戻ってまたブルーハワイを飲み、酔いが全身に回り夜に溶けていつの間にか夢の世界へ移ってしまっとった。

明け方、トイレに呼ばれ目が覚めた。

布団抜け出たH世っちを誘って朝の澄んだ空気吸いつつ露天風呂へ行ったら、やはり爺さま達が無言で浸っとった。

朝食時、その爺さま達を見たら、皆それぞれの相方とお喋りに興じてたわ。

食ベ終え部屋で寛ごうと食事処出ると、小母ちゃん仲居がワテ等相手に一頻り若いってええちゅう事を語った。

「水戸屋旅館」はアットホームな雰囲気な宿で、ほのぼのとした気持ちで帰って来たがな。

 

H世っちのあの目的地迄着けるか不安になる年代物の車に乗って「水戸屋旅館」迄行ったんやろか?

ブルーハワイを飲んだ時には氷入れなかったんやろか?つまみは無かったんやろか?

早う寝たようやが、何時間眠ってたんやろか?

それ、H世っちに尋ねてもITちゃんに尋ねても首捻るだけやろ。