新高湯温泉「吾妻屋旅館」 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

昨夜HJちゃんとジャズのライブ聴きながらウヰスキー飲んで徒歩帰宅したら、今日の0時半になっとった。すぐ眠れトイレにも呼ばれず目覚めたの8時やが、布団の中でぐずぐずしとって起きたの30分後。
朝食は納豆蕎麦つくって食うた。デザートは岩手産りんご。
ジョー・リー・ウィルソンのアルバム「シャウト・フォー・トレイン」をレコードで聴き、ジョン・コルトレーンをユーチューブで聴いた。
昼食は春一番の強風に負けぬよう歩いて西浅草「鍋茶屋」に行き、いつも頼む1000円のランチうな丼をお願いした。
満足して店を出て、スーパーに寄り食料買うて帰宅。
筋トレ30分してから、風呂に一時間浸り、半導体事業売却する東芝経営陣は東京電力化ちゅうの狙って行動しとるんやないかと考えとった。
夕食は今週3度目になる土鍋での鶏鍋。タイ産鶏肉、神奈川産大根、北海道産玉ねぎと椎茸を入れた。デザートはプリン。
「謀りの後宮」第21、22話をギャオで見た。上官婉児役チェン・シウリーも太平公主役クリスティ・ヨンもほんま美しい。
ほな、米沢牛のレバ刺し思い出しながらメモ書き写しますわ。
 
 
87年の初秋、Nっぺ、CHIちゃんカップルとの二泊目の宿は山形県米沢市の高地にある一軒宿の新高湯温泉「吾妻屋旅館」や。白布温泉から更に上った地にある日本秘湯を守る会の会員宿ですわ。
白布温泉からの送迎はジープでしたがな。急で細い未舗装の坂道やから四輪駆動でないときっついねん。
「着きました」云われ、ジープ降りたら、一陣の風に吹かれて冷っとした。
「寒い!米沢市内より大分冷えるな」と、Nっぺが肩振るわせた。
「さっき迄居た白布温泉より寒いよ」とCHIちゃん。
「ここも米沢市内なんでっけど」
「え~、本当?」と、身震いしとるCHIちゃん。
「そんな事はない。ここは八甲田山中じゃないのか」
「Nっぺの脳内ではそやろ。青森歩兵第5連隊のように遭難せんようにしいや」
「美味しい米沢牛のレバ刺し食った所と同じとは思えないよ」と、Nっぺは両腕を胸で交差させ縮こまった。
昼食に米沢駅近くの料理屋でごっつ旨い米沢牛食いましたんや。
「ここは標高1200m超える所やから温度差ありまんねん」
「お宿が山小屋っぽいよね」CHIちゃんが指差しながら云うた。
部屋に荷物置くと、Nっぺと早々に開放的な混浴露天風呂に行った。CHIちゃんが行ったのは内風呂や。
まだ他の客は宿に着いておらん様子で、石造りの露天風呂は二人きり。ちょっち湯の花浮かぶぬるめの湯に入り、ワテが真ん中辺りにある大きな石にもたれ掛かり手足伸ばし時折風に揺れる木々見とると、「見晴らしいいな」いつの間にか立ち上がり山並み眺めとるNっぺが呟いた。
「それはええけど、仁王立ちせんといて。お股の白芋が目に付くやろ」
内湯の浴室に入ると湯気が立っとって、ええ香りする総ヒバ造りで湯船に源泉掛け流しの湯が湯冷ましの箱?を経由し注がれ込んどる。ちょっち硫黄臭する微かに白みがかった湯は熱めで、底に湯の花ある湯にそろそろと体沈めたワテやが、早々に上がったわ。Nっぺはワテが部屋に戻った時頃に湯船から上がったようや。
「よう入ってられましたな」と云うたら、「蛇口から冷たい水流しっぱなしにして浸ってたんだ」と返された。
泉質は単純硫黄泉。
宿はご夫婦で切り盛りされとる様子で、家族経営ぽいのが微笑ましい。
Nっぺが尋ねた。「冬は寒いでしょうね、こちらは何月迄の営業ですか?」
「通年営業です」主人の答えやった。
冬は天元台スキー場へ滑りに来る人の宿になるようや。
しかし案山子、ここに来るとなると宿に近い道の積雪や凍結が心配ですわ。
朝夕の料理とも如何にも地物の食材でつくったちゅう素朴なもんやけど、NっぺもCHIちゃんも旨いと云うとったわ。
朝風呂もNっぺと連れ立って露天風呂へ。肩迄浸かり眺望楽しんどると、「秘湯に来たね」Nっぺが改まって云うた。
会計すべき時が来て、主人が云うた。「紅葉の時期は綺麗ですよ」
ワテが「また来よう」と駄洒落云う前にNっぺが応じた。「春は新緑が目に眩しいでしょうね」
そやから云い方を変えた。「ワテには一万円札が目に眩しいがな」
遠くに朝日連峰も望める新高湯温泉は、涼を求めて来るのにええ所や。