NN君の2015年度 マイ ベスト シネマ<邦画編> | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

7時半に起きたら、くしゃみ5連発で鼻水タラリ。これは花粉症で風邪ひいたんと違うやろな、と思う程寒いんや。
朝食は昨夜スーパーで半額になったんで買うとった海鮮丼。デザートは和歌山産八朔。花粉症の薬飲んだ。
ランディ・ウェストンのアルバム「カーニバル」とボビー・ハッチャーソンのアルバム「ハプニングス」をレコードで聴いた。
西浅草へ出掛けたら、途中で見た沈丁花の花が萎れかけとった。昼食はキッシュ目当てで「イマージュ」に入って、平日限定のワンプレートランチを注文。今日は海老と三つ葉のキッシュやった。パン、プチデザート、エスプレッソコーヒーが付き1080円也。牡蠣と香草のキッシュつくってくれんかなあ。これからやと菜の花のキッシュもええなあ。
帰宅して、曇天時折雨が似合う武田和命のテナーサックス演奏をユーチューブで聴いた。
筋トレ小一時間した。
友人達にメール送付した。
牛乳飲んで風呂にゆっくり一時間半浸り、311から五年経った事しみじみ考えとったが、相変わらず三陸海岸や福島浜通りでは巨額の建設費投じ津波対策として巨大な防潮堤造っとるんやろな。烏賊にも蛸にも役人らしい考えや。それをワテのようにアホらしい事やと云い続けとるのは少数なんやろうか?太古から自然は恩恵ももたらすが災害ももたらすもんや。そやから、自然こそ神として畏敬しながら暮らさなならんのですわ。高く造ろうと防潮堤がいつも役立つと思い込むべきやない。そうしたもんは普段は目障りで、危機に際し不感症招くもんとも云える。
夕食はカナダ産豚肉、埼玉産ブロッコリー、岩手産椎茸をタジン鍋で蒸し食うた。デザートは熊本産甘夏。


「洋画にも当てはまることだが、毎年ベストテンを選ぶ際「選択時点でどれだけ記憶に残っているか」を基準にして順位をつけてきた。今年は作品を選びながら、「もう一度観たいと感じる度合が強い作品」順であることに気がついた。邦画は今年も、コミックやアニメ、小説などの原作の力に頼った作品、TVドラマからスライドした作品が主流で、そこにアイドルを便乗させた安易な企画が目立った。オリジナル脚本を探すのが難しいくらいで、前述したように映画作家たちにとって厳しい時代であることは間違いない」と書いて来たNN君の2015年ベスト シネマ<邦画編>の方のご紹介です。
彼がベスト入りさせた邦画は、リストもろた時には一本も観とらんかった。ちゅうか知っとたのさえ1位に推す『海街diary』だけやった。2位に挙げとる『恋人たち』が109シネマズ木場でまだやっとるの知って観に行ったがな。
独身のNN君はこうも書いとる。「作品の出来不出来に関係なく今年印象に残った女優は、『あん』の樹木希林、『きみはいい子』『起終着駅 ターミナル』の尾野真千子、『味園ユニバース』『この国の空』の二階堂ふみ、『駆込み女と駆出し男』の戸田恵利花、『海街diary』の四姉妹、なかでも広瀬すず、『トイレのピエタ』の杉咲花、『岸辺の旅』の深津絵里、『GONIN サーガ』の土屋アンナ、『ベトナムの風に吹かれて』の松坂慶子。特に尾野真千子は来年も出演作が目白押し、今後の飛躍を期待する」
尾野真千子に期待か、観に行こうと思うとる「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」に出とるわな。飛躍しとるやろか?

10位『味園ユニバース』(山下敦弘 脚:菅野友恵 1h43)
NN君によれば、大阪の下町を舞台にしとって、庶民が彩る不思議な人間ドラマを生み出しとるんやて。
二階堂ふみとアイドル渋谷すばるが出とるちゅうんやが、渋谷すばるちゅうのはどないなコやろか?NN君、アイドルも知っとるとは隅に置けないわ。
青森県には「ユニバース」ちゅうスーパーのチェーンがあるんやが、この映画は大阪の下町にある「味園ユニバース」ちゅうスーパーに勤める役の二階堂ふみが主役で、渋谷すばるが演ずる新人店員の指導先輩になったんやけど、新人の天然さにより次々に事件が起こって大混乱となり、振り回され続けるのが嫌で種子島宇宙センターからロケットに乗り込み宇宙に逃げ出すちゅう物語やろ。
それとも、ミス・ユニバースに対抗して下町の商店街の役員が企画したコンテスト巡るもんやろか?とすると、二階堂ふみと渋谷すばるちゅうコの水着姿見られるんやな。NN君、鼻血出したやろ。
9位『進撃の巨人(前・後編)』(樋口真嗣 原:諌山 創 脚:渡辺雄介他 3h06)
ワテ、評判聞きつけ、テレビアニメはギャオで見とったが、何本見たやろ、退屈してもうて途中で見なくなった。
生き残った人類はゾンビみたいな人食い巨人の脅威を忘れ去り、築かれた城壁の中で百年ノホホンと暮らしとったんやが、壁を過信しとった為それよりも巨大なゾンビみたいな輩に襲われ段々住むエリア狭まり右往左往する話。
見所は戦闘やけど、ゾンビみたいな巨人が何もんかちゅうんで物語を引っ張りまんねん。壁の外の世界に憧れる主人公が、時としてゾンビみたいな巨人にもなるところはよう考えたわな。
この物語、移民問題が深刻化しとる地域では、流入し続ける移民を侵入する巨人と思うさかい身につまされるやろ。頭では移民が可哀相や思うても、押し寄せる彼らは地域の文化や生活を変容させる圧力に他ならないんやから。余裕が無くなった者の本音を刺激するドナルド・トランプに人気があるのも頷けるわ。
ところで、こないな漫画を実写化するには仰山金つぎ込まんと悲惨な出来になるんやが、NN君が9位にしとるんやさかい相当の金使うたんやな。
8位『さようなら』(深田晃司 原:平田オリザ 脚:深田晃司 1h52)
タイトル見た時は、今繰り広げられとる米国大統領選挙のドキュメンタリーやと思うたでえ。快進撃しとるドナルド・トランプ候補が、ティーパーティーの支持得て出馬しとるテッド・クルーズと大差になったんで、得意顔で云うた言葉かと思うたんや。
ところが、NN君によると、外見が人間に似とるほんまもんのアンドロイドが出演しとるんやて。それでタイトルが「さようなら」ちゅう事は、やはりアンドロイドが人間以上の能力持つようになった時、自ら更なる進化遂げようとするアンドロイドに人間が云われる言葉かいな?
7位『野火』(塚本晋也 原:大岡昇平 脚:塚本晋也 1h27)
NN君によれば、まるでスプラッター・ムーヴィーのような残虐な映像の続くこの作品は、大岡昇平の著名な小説を映画化したもんや。ワテは読んどらんが、人肉を食うても生き延びるかどうかの葛藤も描かれとる戦争文学の名作であるのは知っとる。
「この不快感の集積こそが戦争の本質なのだろう」とNN君は云う。戦争やから陰惨なのは当然や。
嘗て市川崑が映画化したのを、塚本晋也はどない映像化したんやろ?
6位『この国の空』(荒井晴彦 原:高井有一 脚:荒井晴彦 2h10)
どないな作品か想像してみたわ。有名な“霧のロンドン”ちゅうのも石炭を燃やした後の煙や煤が混じっとって健康損ねるもんやが、安倍政権は中国から飛来のPM2.5に注意喚起しとった。ところが、真昼間だちゅうに薄暗い中国から飛来の大気汚染物質に、山形の放送局に勤務する気象予報士のヒロイン籾井勝子の父が春先に仕事で外勤中バッタリ倒れ、看病しとった母も数日後に路上で倒れ、遂にはヒロインも放送中倒れてしまうんやが、その時にはもう各地の病院という病院が倒れて運び込まれた人々で満杯になっとって新患は入院出来ひん有様。猛毒の大気汚染物質が飛んで来とったんや。我が日本の命運もここ迄かと思われた。が、しかし案山子、ヒロイン勝子に恋しとってライバル心剥き出しの三人の男、やり手政治家N君、天才技術者H君、ハッタリ風水師K君が、事態収拾の為、外には人っ子一人居ない中国共産党共和国北京に行って力合わせ何とか公害止めるんや。喜んだ勝子は、一妻多夫を提案。N、H、K三人共不承不承了解し、四人は末永く喧嘩しながら一緒に暮らしましたとさ。どや、異色の作品やろ。
5位『駆込み女と駆出し男』(原田眞人 原:井上ひさし 脚:原田眞人 2h23)
井上ひさし原作なの知っとったら観に行ったかも。
「主役の大泉洋は、同郷なのにあまり好きになれない役者だ。本作も相変わらずのキャラではあるけれど、共演の女優たちが彼を盛り立てている」とNN君。
江戸時代の駆込み寺の話のようや。大泉洋がやるのは、スケベ心から人妻を幾人もものしようと駆込み寺に下男として入って散々女の甘い汁吸うて満足したものの、己が体は日々痩せる一方なんで、そろそろトンズラせな死んでまうでと恐怖が過ぎり、何度か抜け出ようと試みたんやが、女達は監視を怠らず、夜は次から次へとお呼びが掛かり離してもらえず、駆込み寺から一刻も早く逃れたいと焦りまくるちゅう喜劇やろか?
4位『あん』(河瀨直美 原:ドリアン助川 脚:河瀨直美 1h53)
監督の演出力及び永瀬正敏、樹木希林二人の演技力、それに繊細で変幻自在のカメラワークがええとNN君。
あんパンの餡子を巡る悲喜交々の物語なんやろな。栗餡、芋餡、うぐいす餡、ずんだ等々、餡は色々あれど、小豆餡用いたあんパンの話やね。
ワテは山岡鉄舟が花見に出掛けた明治天皇にあげた事で知られる木村屋總本店のが好きや。
3位『岸辺の旅』(黒沢清 原:湯本香樹実 脚:黒沢清他 2h08)
NN君曰く「原作を読んで映画化するのはとても難しいと感じた。監督は、ホラー的な作品を撮ってきた過程でこの冥府じみた世界を表現する術を培ってきたのか。いつも変わらぬ浅野忠信の無機質的な演技体が本作にうまくマッチしていた。深津絵里を綺麗だと感じた初めての映画でもある」
NN君、原作を読んどるんや。流石ですわ、感心した。
でも、深津絵里を綺麗だと感じた初めての映画、とは。そないな贅沢な目しとるさかいあんたは結婚出来ひんのや。アレ、それって誰かもよう云われとるがな・・・
2位 『恋人たち』(橋口亮輔 脚:同 2h20)
NN君がこの順位にした作品なんで、年跨いだが観て来たでえ。
邦画では、14年秋に観た周防正行監督作「舞妓はレディ」以来の満点やった。心に響いたわ。
1位 『海街diary』(是枝裕和 原:吉田秋生 脚:是枝裕和 2h06)
NN君曰く「四姉妹の日常風景、鎌倉の古い民家の佇まいや街並みを的確に捉えたスナップ映像がいまだに脳裏に焼き付いている。彼女たちの性格付けのきめ細かさや映像のリズム感が小津の諸作品を連想させた。物語的には、市川崑監督の傑作『細雪』の現代版だと言ってはほめ過ぎか」
もし四姉妹のキャストが、新妻聖子、栗山千明、松下奈緒、小宮有紗やったら観に行きましたんやけどな。